この本、「そーいえば村上春樹が何かのインタビューで絶賛してたな」と思って代官山の蔦屋書店で発見した際に購入して読んだ次第。
で、結論は、「すげーな」と。ここ最近読んだ小説の中では出色の出来かな。調べてみると1985年の作品、という事はもう30年近く前ということになるけど、それほどの時間の流れは全く感じないですね。むしろ今の時代の方が自然に心に響いてくるのではないかな。なんと言うか80年代みたいなイケイケ感の強い時代にはそぐわなかったのではないかと。
そういう「時代を間違えた感じ」のおかげかどうか分からないけれど、この小説、殆どの作品で高く評価されているこの作家の中では(少なくとも母国アメリカにおいては)めっぽう評価が悪い。村上春樹はインタビューでこの小説に関して「アメリカの読者は何か大事なものを見落としているのでは」と指摘していたけど、この点に付いては全く意見は同じですな。この小説が今書かれたのであれば評価は若干異なる気がするけど、特に80年代に顕著であったであろう「ストレートで分かりやすい文脈」を求めた時代の中では、この小説も「なんかよくわからん。筋もごちゃごちゃしているし、登場人物は誰一人まともじゃないし」という感じに捉えられてしまったのではないだろうか。
話としては、「ベトナム戦争という時代背景の中で精神的に翻弄されて行く主人公と、そこに関わる恋人やら友人?やらとの関わり」という感じになると思うんだけど、その最後まで狂気を突き詰められない登場人物達とその人間模様、そしてある愛の形(らしいもの)がバラバラと提示されて行く中で、「うーん、なんでこうなっていくんだろう」と疑問に思いながらも何となく納得してしまいながら読みました。そして何かね、読んだ後に心が非常に揺さぶられるんですよ。
まあともかく、世間的な評価はともかくお勧めですね(今Amazonでみたら、日本の読者には高く評価されてるみたいね。訳がいいのかね?それとも翻訳の関係で、日本では若干時間が経ってから読まれた事も影響しているのかな)。
で、結論は、「すげーな」と。ここ最近読んだ小説の中では出色の出来かな。調べてみると1985年の作品、という事はもう30年近く前ということになるけど、それほどの時間の流れは全く感じないですね。むしろ今の時代の方が自然に心に響いてくるのではないかな。なんと言うか80年代みたいなイケイケ感の強い時代にはそぐわなかったのではないかと。
そういう「時代を間違えた感じ」のおかげかどうか分からないけれど、この小説、殆どの作品で高く評価されているこの作家の中では(少なくとも母国アメリカにおいては)めっぽう評価が悪い。村上春樹はインタビューでこの小説に関して「アメリカの読者は何か大事なものを見落としているのでは」と指摘していたけど、この点に付いては全く意見は同じですな。この小説が今書かれたのであれば評価は若干異なる気がするけど、特に80年代に顕著であったであろう「ストレートで分かりやすい文脈」を求めた時代の中では、この小説も「なんかよくわからん。筋もごちゃごちゃしているし、登場人物は誰一人まともじゃないし」という感じに捉えられてしまったのではないだろうか。
話としては、「ベトナム戦争という時代背景の中で精神的に翻弄されて行く主人公と、そこに関わる恋人やら友人?やらとの関わり」という感じになると思うんだけど、その最後まで狂気を突き詰められない登場人物達とその人間模様、そしてある愛の形(らしいもの)がバラバラと提示されて行く中で、「うーん、なんでこうなっていくんだろう」と疑問に思いながらも何となく納得してしまいながら読みました。そして何かね、読んだ後に心が非常に揺さぶられるんですよ。
まあともかく、世間的な評価はともかくお勧めですね(今Amazonでみたら、日本の読者には高く評価されてるみたいね。訳がいいのかね?それとも翻訳の関係で、日本では若干時間が経ってから読まれた事も影響しているのかな)。