商社マン-東京→ニューヨーク→東京→Liverpool→東京→Ann Arbor→Austin日記

07年8月から5年間NY、帰国して2年半東京、その後何故か英国Liverpoolに。。引き続き思った事書いて行きます。

「百万分の一の恋人」by榊邦彦 を読んで

2007-01-31 23:20:35 | Weblog
この本、ちょっと前に読んだのだが感想を書こうかどうか、実はちょっと悩んでいた。なぜなら自分が中学・高校の時大変お世話になった先生の作品であるため、ちょっと公平な気持ちで感想を書けないかな、と思っていたからだ。

僕の学校は中高一貫校だったが、中一の時に大学卒業ほやほやで、その先生は僕らの学年の担任(僕のとなりのクラスだった)になった。その頃はやたらと「アツい」先生だなー、と時にうっとうしいこともあったが、生徒の真摯に接してくれる姿勢は、特に自分たちが成長するにつれ、信頼へと変わっていったような気がする。そんなこんなで卒業してからもたまに連絡取っていたのだが、昔から小説を書いている、という話は知っていた。
そうしたらこの小説が、賞をとったという話、そしてそれがこの先生(作家としてはペンネームを使われている)だという話を聞き、早速読んでみた。

読んだ感想は、一言で言うと「誠実な小説だなあ」ということ。先生は昔からとても誠実な人だったがその人柄がとてもよく表れている感じた。主人公の煩悶する姿とか、結論がでなくてもとりあえず前に進んでいこうとする生き方とか、そういうところに、僕らが未だ子供で先生の言っていることの意味の1割も理解できなくてもとにかく語っていた先生の姿が頭に浮かんできた。
ただ、大変残念なのだが、僕は個人的には小説に「誠実さ」を求めていないんですね。。むしろそれとは真逆に、「そんなことありえないけど、うーんもしかしたらこんなに汚れた部分が自分の本質にはあるかも」と思わせてくれる、脳みそをぎしぎし揺さぶってくれるようなものを求めてしまうわけです。「誠実さ」というものに「そうだよねー、そうあるべきだよねー」という理解はできるんだけど、なんというか体いっぱいに浸透してこない気がしてしまうんですよ。

どんな小説家であれその人が一流であれば、「小説を書く」という作業に付いては誠実であるべきだと思うのですが、それは小説自体が誠実であるということとはちょっと違うわけで、今回小説やそれを書いている先生ご自身が大変誠実であるため、なんか複雑な気持ちになってしまった。

でも多分例えば「世界の中心で愛をさけぶ」とかが好きな人には、すっと入ってくる内容なのかも。

今回はなんかまとまって感想書けませんね。。。。

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ブログ2周年!!

2007-01-30 23:09:23 | Weblog
確か05年の1月28日からつけ始めたはずだから、いつの間にか2周年を迎えていた。
今までの人生で日記をまともにつけたことも無かったのに、ブログだとなぜか続けることができた。テクノロジーの便利さに感謝です。

日記代わりにのんびりつけていこうと思っていたから、不定期だったり、書いている内容になんら整合性が無かったりするが、時々読み直してみると結構面白い。その時々に考えている事は違うが、やはり自分の根本的なところは変わってない。いいことでもあるが、成長していないという証拠のような気がして残念でもある。

いつの間にか三十路を向かえ、今年はもう32歳になる。自分が入社したときに指導してくれた方はその当時確か32歳だったはず。それと比較すると自分自身が全く大人でないような気がしてしまうが、実のところそんな事はなく、恐らく入社1,2年目の後輩から見れば、自分もその人と同じように大人に見える部分も(全部とは言わないが)あるのだろう。

自分がその先輩を「すごいなあ」と思って影響を受けた部分があるように、きっと僕の後輩も、僕の姿を見て良くも悪くも影響を受けてしまうことがあるだろう。そう考えて恥ずかしい行動・仕事だけはしないように心がけようと思う。

そしてこんなまじめに考える節目を与えてくれたGoo Blogにちょっと感謝!
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2年前にウチに入った空き巣が捕まった!!

2007-01-29 23:07:39 | Weblog
2年以上前のことだが、ウチに空き巣が入ったことがある。高い時計とか、妻の貴金属とかブランド品とか、かなりたくさん捕られた。それ以降かなり様々な防犯対策をとっている。

と、そんな記憶もかなり薄れた今日この頃だが、今日いきなり妻のマネージャーの女性から電話があった。その内容は「○○署から連絡があり、捕まった空き巣の所持品から妻のコンサートの写真がたくさん入ったデジカメが発見された」というもの。(妻はまだ帰省中なので僕に連絡があった)
最初何のことか分からなかったが、デジカメの特徴を聞くと「あ、それは空き巣に盗まれたものだ!」と思い当たった。
詳しく聞くと、
捕まえた窃盗団の所持品の中からデジカメが見つかる
→そこに写った写真を見るとあるミュージシャンの写真が多数
→そのミュージシャンをネットで検索
→所属事務所がわかる
→事務所に連絡
という流れだったようだ。まあメジャーとまでは言えなくても、ネットで調べれば出てくるくらいの人間だとちょっとは得することがあるなあ、とちょっと感心した。
それはそうと、そのマネージャーに聞いた○○署の担当者に即座に連絡を取ると、「他にも何点か盗難品らしいものがあるのでできれば署に確認に来てほしい」とのこと。物品の特徴を聞いたが、聞いた範囲では残念ながらウチから盗まれたものではないようだ。。そりゃあブランド品とかはすぐに売れるから2年前のものが出てくるはずないよなあ。。。でも希望を捨てずに妻が帰国次第すぐ見に行こう!

しかし盗んだやつ、一体どんなやつなのか。。。。こういうのって賠償の可能性あるんでしょうかね??
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「成功はゴミ箱の中に」byレイ・クロック を読んで

2007-01-22 23:25:39 | Weblog
最近そういえば読んだ本について殆ど書いていなかったが、別に読んでいないわけではなく、いつもと同じペースで読書している。ただ残念ながら頭を鈍器で殴られるような衝撃を受ける本に出会えていなかった。

今回読んだこの本も正直ものすごい感銘を受けたわけではないのだが、マクドナルド創業者の本という点で興味深かったので書くことにする。

まずこれだけ世界的な企業にも関わらず、僕の無知のためか、マクドナルドの創業者について全く何も知らなかった。そして本をペラペラとめくって、レイ・クロックという人が52歳からはじめた事業だと知って強い興味を持った。彼自身が書いているように、別にその歳になって天啓を受けたように急に事業家になったわけではなく、それまでの彼のキャリアの中にも当然これだけの事業をおこすだけのヴァイタリティーがあったのは事実だが。それにしても52歳って言えばウチの会社でいえば本部長とか副社長クラス、もう安定を求め始める時期なはずで、一般的に「若い」、つまり新しい人が成功していくと思われている米国でこういうことが起きるという点が面白かった。考えてみるときっと米国の社会は年齢に関係なく、挑戦し続ける「若さ」に対して寛容な社会なのだろう。

彼の人生は非常に興味深かったが、残念ながら僕にとって本の内容自体はそれほど面白いものではなかった。彼のキャラクターか、それとも古きよきアメリカ人としての気質が、成功やその背景を赤裸々に語ることを拒んでいるのかどうかは定かではないが、いったいなんでこの人がここまでの事を成し遂げられたのか、その点が曖昧にしか書かれていないという点が特に不満だった。とにかくこの本で強調していたのは、「何があったってとにかくやり遂げろ!」ということだが、「それだけじゃないでしょう。。。もっと教えてくださいよー」という欲張った気分になってしまった。
まあこんなことを言ったら、この本とかレイ・クロックを信奉されているというユニクロの柳井さんや、ソフトバンクの孫正義さんに「だから全く分かってないんだ!なんで彼のメッセージが理解できないのか!」と叱責されてしまいそうだが。。。
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映画「007 カジノロワイヤル」を観て

2007-01-18 23:58:06 | Weblog
どうしても観たかったので今日会社帰りに観にいってしまった。
観た人が大体、「いやー、かなり面白かったよ」というので。。。

そもそも今回の新ボンド役であるダニエル・クレイグが出ている広告を見た瞬間から、「あー、この人ボンドに適役っぽいなー」と思い気になっていたのだが、見てやなりかなりハマッていることを確認した。

特に「クールなんだけどもしかしたら感情もちょっとは残していてその核の部分が実はすごく優しかったり、情が深かったりするのかもしれない」という今回の「007になったばかりの初々しいボンド」にはサイコーにはまっていたのではないでしょいか。

いやー、しかしかっこいいっすね。歯の浮くようなせりふもありきたりですがあれだけ美男美女が言うとしっくりきてしまいます。映画館から出た後思わずボンド気分になり、自宅近くを歩いていると後ろから聞こえる足音に妙に反応してしまったおろかな31歳でした。
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映画「Scoop」を観て

2007-01-17 00:23:48 | Weblog
書こうと思って忘れていたが、先日上海からの帰国の際の機内で、ウディ・アレンの最新作「Scoop」を選考上映していたので、かなりウキウキして観ることができた。
残念ながら吹き替え版だったので、あのウィットに富んだ雰囲気と、アレン自身の畳み掛けるような早口を堪能することが出来ず、そのために不当に評価を下げてしまうかもしれないが、その点を考慮しても、まあ前作「マッチポイント」には及ばないかなあ。
皮肉っぽさは相変わらずだが、ちょっと軽妙すぎる感じがして、「軽いんだか重いんだか分からないところが逆にハラハラしてしまってひきつけられる」前作ほどの深みを残念ながら感じなかった。
そうは言っても、どんな「駄作」でもそれなりに面白いアレンなりの工夫や筋立てがそこかしこにちりばめられており、アレン好きの人には十分楽しめる映画になっていると思う。筋とは直接関係ないが、前作にも出演し、いまアレンがお気に入りだというスカーレット・ヨハンソンのぷりっぷりっのセクシーさには相変わらずヤられてしまいました。。。
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OB訪問の話

2007-01-15 22:49:54 | Weblog
毎年この時期になると「OB訪問させてください」という学生さんからの連絡が結構入ってくる。
ここ数年たいていの場合メールでその依頼メールが来るのだが、今年はちょっとした異変が起きている。なんと自宅への手紙がちらほら来るのだ。
ちらほらと言ってもまだ2通しか来ていないので確定は出来ないが、今まで一度もなかったことから考えて、これはちょっとした異変といって良いのではないか、と考えている。
一通目は女の子からの手紙で、タイミングが悪いことに妻に見られてしまい、「あら、うれしくてしょうがないでしょ。いつ会うの?」みたいな皮肉を言われてしまった。
何でわざわざこのメール全盛時代に手紙が来るようになったかと考えてみたが、恐らく就職雑誌とかで、「先輩の意見」みたいな感じで「こんな時代にわざわざ手紙でOB訪問を依頼してくる子がいて、ちょっと感動した」みたいなエピソードが紹介されていたんじゃないでしょうかね。3通目が来たらこの線は確定だな。。
まあでも個人的にはいまさら手紙でもらっても、こっちは携帯とかメールとかで「OKです」とか返信するわけで、その手間を考えるとメールで依頼してもらったほうがよっぽど楽でいい。妻から嫌味も言われないしねえ。。
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旅行のお土産

2007-01-08 20:53:27 | Weblog
これはナシ族独特の刺繍がされた敷物。
このほかに雲南省はお茶の産地なので色々なお茶を買ってきた。
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中国の雲南省で気になったこと

2007-01-08 20:42:44 | Weblog
昨日書いたとおり、残念ながらアンコールワットには行けなかった為、中国の雲南省をうろうろすることになった。今まで中国は上海、北京、南京、杭州、といった進歩的な都会しか行っていなかったので、比べれば「田舎」の雲南省の旅はそれはそれで刺激的だった。忘れないうちに気になったことを書き留めておこう。

1.田舎でも標準語が浸透している
今回行った雲南省の麗江という場所は「ナシ族」という少数民族が多く住むところだ。ナシ族間での会話は殆どナシ語で行われ、その言葉は中国人である妻でも一言も理解できないが、彼らはどんなお年寄りでも「北京語=普通語」を話すことが出来た。正直「中国は発展しているとはいっても田舎は遅れていて、辺境の街(麗江はミャンマー国境からそれほど離れていない)に行けば中国語すら全く通じないんだろう」と僕(そして妻)の考えは完全に裏切られた。
家庭や日常生活でナシ語を使う以上、彼らは中国語を学校で学んでいるはずで、殆どの人が中国語を流暢に話すということは、基礎的な学校教育に関してはかなり末端まで一律に行き届いているという証拠だろう。
それにしても、この中国にしても、北欧のような国々にしても、自国(自民族)の言語以外に複数言語を結構自由に使いこなす人は以外に多いことに気づく。インドなんかも似ているのかもしれない。そう考えると、日本で一部の人が主張するような、「日本語の基礎も出来ていないのに英語学んだってしょうがない」みたいな話は意味のない幻想というような気がしてくる。人間の能力ってそんなに低いものじゃないのでは?

2.驚くべき観光化
雲南省は中国でも有数の観光地を持っている省だ。そしてそれらの観光地に行くたびにその「観光化」のレベルに驚かされた。
例えば今回麗江近郊の5千メートル級の山である「雪山」に登ったが、山の中腹まで車で行くと、そこから専用バスがあり、3700メートルの中継点でさらに今度はケーブルカーで4600メートルくらいまでいける。中継点ではカプチーノすら飲める!「人里はなれた辺境の山」を期待する人にとっては肩透かしだろうが、僕にはその高い「観光化」のレベルが興味深かった。
その観光化は地元の経済と密接に結びついている。全ての寺、観光名所、山でさえも常に結構高い入場料を払わされる。大体30-100元だが、中国の物価を考えればかなり高価と言っていいだろう。これらの入場料を元に、現地の人々の雇用が行われ、地域経済の発展に繋がっているという構造が非常に明確に見て取れた。
昨日NHKの特集でチベットのラサの紹介があったが、ガイドブックによればラサ最大の観光スポットでありチベット仏教の聖地であるポタラ宮の入場料は100元だそうだ。その特集に登場したチベット族の5人家族はポタラ宮の外の道路でお祈りをささげていたが、確かに5人で500元はその貧しそうな家族にとっておいそれと払える額ではないだろう。
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本日帰国

2007-01-07 23:18:07 | Weblog
長い旅から今日戻った。
旅行ではハプニングがあり、行くはずだったアンコールワットにいけなかった。。。今回は上海までは日本でチケットをとって、それ以降のフライトは中国の旅行会社で手配していた。ルートは上海→昆明→シェリムアップという流れだったのだが、昆明で一泊した後、空港にちゃんとフライト2時間ほど前に行くと、フライトは既に出てしまった!とのこと。聞くと12月末に時間変更になったとの説明があったが、こっちは全く連絡をもらってない!しかも昆明→シェリムアップはマイナーな路線なので、フライトは3日後までないというので諦めざるを得なかった。
(帰国前の昨日、旅行会社に行って保証を求めたがまだ結論が出ていない。。どうなることか。。)

とにかく気を取り直してその後3日間、昆明を中心とする中国雲南省を旅することにした。雲南省は世界遺産の麗江やら、標高5千メートル級の山やら、たくさんの石がまるで林のように立ち並ぶ「石林」やら、実は見所がたくさんあり、結果的にはかなり楽しめた。
個人的には麗江の「古城」と言われる八百年以上前の町並みが非常に感動的だった。岡の上から見下ろすと屋根がぐにゃぐにゃと曲がったなんとも趣のある町並みが眼下に広がる様は、その時の夕日とあいまってなんとも郷愁を誘う光景だった。
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