商社マン-東京→ニューヨーク→東京→Liverpool→東京→Ann Arbor→Austin日記

07年8月から5年間NY、帰国して2年半東京、その後何故か英国Liverpoolに。。引き続き思った事書いて行きます。

「グレート・ギャツビー」(村上春樹訳)を読んで

2006-11-22 23:30:58 | Weblog
今週末の中国語の試験が終るまで、読書はできるだけやめようと心に決めていたはずだ。でもだめだった。村上春樹訳の「グレート・ギャツビー」が本屋に並んでいるときに、その誘惑に勝てる訳もなかった。。。

ということで早速読んでみたが、かなり不思議な読後感をもった。その理由を色々考えてみたが、どうやら「今まで読んだ村上春樹訳の英米文学作品に共通していた雰囲気、空気感が希薄」ということに原因がありそうな気がした。

村上春樹は自身が評価する作品をかなり翻訳しており、その多くを僕は既に読んでいるが、それらを読む時は常に小説家「村上春樹」のフィルターを通っていることを意識させられた。その理由は恐らくそれらの小説が「ハルキ的な」何かを共通して持っており、また優れた小説家の手にかかると多かれ少なかれ訳文もその人の色に染まるからだと思っていた。

しかし今回、村上春樹にとって最も思い入れが深く、且つ自身も「今までの翻訳では小説家であることをとりあえず忘れ翻訳家であろうとしたが、今回は自分の小説家としての感覚を常に活かそうと考えた」というような事を語っているにもかかわらず、僕は読み終わるまで遂に「これは村上春樹の訳した小説なんだ」という事をほとんど感じることはなかった。この矛盾に、ちょっと困惑しながら読み進めることになってしまい、且つ村上春樹が翻訳した小説を読む際には常に「ハルキ的な」フィルターを通った小説を期待してしまう僕にとっては、ちょっと肩透かしを食らった感じにもなった。

確かに村上春樹自身が語っている通り、この小説は英語以外の言語に移し変えるのはきっとひどく困難だろうな、と想像がつく。そこかしこにちりばめられた比喩や意味深な言い回しは、恐らく英語の持つリズム感があってこそ活きる場合が多いだろうし、そしてそのような流麗さがこの小説にとって間違いなくかなり重要な要素だと推察されるからだ。そのようなリズム感までも、翻訳としてきれいに日本語に移し変えることは恐らく不可能だろうし、残念ながら村上春樹をもってしてもこの作業に成功しているようには感じなかった。

ただこの翻訳はこの小説の持つ「重層的かつ無類の悲しさをちょっと離れた距離から見ることによってさらに切なく見せる」という複雑でひねくれてでも本質を突いた美点をうまく抉り出しているとは思う。「この小説の持つ本質を炙り出すために誠意を尽くした」というような趣旨の事を書いているが、その意味では成功なのかもしれない。いずれにせよ今度原文で読んでみよう。

この本で一番感心したのは実は訳者あとがき。村上春樹の翻訳した本にはいつもいいあとがきがついているが、今回は特にその思い入れが迸るようでそれを読むだけで感動してしまった。
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Alden値上げ

2006-11-21 00:35:53 | Weblog
今日会社帰りにちょっと某セレクトショップに寄ったらAlden、さらに値上げする(来年1月から)らしいですね。事情は知らないが10万円超えちゃうんじゃないの?さすがにそこまで出す気はしないなあ。。

いま日本で人気のマッキントッシュのコートとかも昔は5万円前後だった気が。。。ゴム引きとは言え、コットンのコートが今ではもう10万円弱。英ポンドが高いのは分かるけどこの値段で買うほどのものか、と悩み結局購入していない。まあこのEuro、ポンド高を考慮すると当分はヨーロッパからの輸入品は買わないほうが無難かもしれない。中国とかベトナムメイドのセレクトショップの無難な商品でも買っておこうか、と思っちゃいますね。
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米国でAldenを買った

2006-11-19 15:01:30 | Weblog
先週末に2週間の出張から戻って来たけどそういえばブログ更新してなかった。
結構田舎の方にずっといたので特に書くべきこともないが、サンフランシスコにも少しいた。
サンフランシスコには意外にも米国に唯一の(もっとあってもいいかと思うが)Alden(靴屋ね)の専門店があるので3年ぶりくらいに立ち寄ってみた。事前にネットで場所は確認していたので迷うことはなかったが、記憶とちょっと場所が違う。しかも店の雰囲気も変わっている。店の人に聞いてみるとやはり移転したとのこと。
3年くらい前の外観はふつーの町の靴屋みたいな感じだったが、今回はなんか高級感のある靴屋に変貌していた。「日本向けの商売で結構もうけてるんじゃないのー。」という感じ。
日本で人気のコードヴァンの靴も現地では500$前後。日本の価格はちょっとマージン乗っけすぎなんじゃないか、と正直思う。英国靴なんかは現地で買ってもそこまで内外価格差はないのに。
ただ置いてある靴は日本ではメジャーな「Modified Last」のモデルは全くなし。通常のラストのモデルばかりだ。僕はModified Lastは全く足にあわず、そのためAldenを買っていなかったクチなのでその店はむしろうれしい。通常のラストの靴のモデルを何点か試着し、結局一番定番のプレーントウのモデルを購入した。
会社のAldenを持っている先輩に、靴紐を頼まれていたので購入しようとするとおまけでただでくれた。この辺は昔ながらの靴屋みたいな感じでちょっといい気分。

帰国して早速はいてみたがやはりコードヴァンのモデルは頑強で、最初は固い。ちょっと靴ずれが出来た。まあ慣れてくると良いが。
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米国にて

2006-11-04 15:10:23 | Weblog
今米国のカルフォルニア州の某所に出張できている。
カルフォルニアを車で走っているとしみじみ思うが、何でこんなに車が大きいんだろう。原油も高くなっているんだから少しは小さい車にすればいいのに。。。特に納得がいかないのはやたらとピックアップタイプの車が多いことだ。前方で四人乗れるくらいのキャパのある車で、更に後ろにでっかいピックアップ部分がある。僕が見ている限り、殆どの車はその部分を利用していない。いくらカルフォルニアの田舎だからといって、みんながみんな農場で働いていて農具を乗せなきゃいけないわけではないだろうに、何でああいう車を買うんだろう。。。大変不思議だ。

後ショッピングモールとかに行ってボーっと人の行き来を眺めていると、「どーしてこんなにみんな太っているんだろうなー。」ということだ。日本にいれば中位、最近若干太ってきた僕でさえ、この国では痩せている方上位10%には入るだろう。ハンバーガーのせいか、はたまた異常なサイズで出てくるソフトドリンクのせいか。。。。
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