特別思い入れのあった監督ではない。けれど、社会派として名をはせた方として尊敬していた。デビュー作が「帝銀事件 死刑囚」ですもの、凄すぎる。その後は「黒部の太陽」「日本の熱い日々謀殺 下山事件」「深い河」「日本の黒い夏 冤罪」などの作品を残した。重苦しいテーマを追い続けたもとには何があったのか。ご本人にしかそれは分からない。推測するのも失礼だし、きちんとした予想も出来ない。それにしてもこれから先、この監督の様に社会派と呼ばれる人が出てくるのかどうか。あやしいものである。仮にそんな思いの監督が存在したとしても、世の中がそれを受け入れなければ成り立たない。今もきっとこんな思いで映画を作ろうとしている人々はいるのだろう。ただ表に出て来ないだけで。そんな人達の思いが通じる世であり続けて行かなくては、と思う。
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