スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

スプリンターズステークス&麻薬

2010-10-03 17:23:35 | 中央競馬
 香港から2頭が遠征してきた第44回スプリンターズステークス
 香港のウルトラファンタジーが押していくとあっという間に後続に差をつけて先頭に。そこで控えたので,一旦は外からローレルゲレイロに出られましたが,3コーナーでは再びハナを奪い返しました。前半の600mは33秒3でこれはミドルペース。
 直線は逃げたウルトラファンタジーに,内の馬群を捌いてきたダッシャーゴーゴーが襲い掛かり,2頭がほぼ並んだところでゴール。写真判定になりましたが,一杯に逃げきっていたウルトラファンタジーの優勝。ダッシャーゴーゴーは直線に入ったところで内を突いたとき,サンカルロの進路を塞いでしまったために4着に降着。大外を伸びて3位に入線したキンシャサノキセキが繰り上がって2着。立て直して再び伸びたサンカルロが3着で確定。
 優勝した香港のウルトラファンタジーはこれが初めての大レース制覇。香港ではグリーンバーディーには負けていなかったものの,格的には明らかに下。うまく逃げられたときに好走するという傾向がありましたので,ここは展開面も向いたものと思われます。とはいえ,香港でトップクラスといえない馬に勝たれるのは,スプリント路線における彼我のレベル差がそれだけあるということの証明ではないでしょうか。
 鞍上は香港のホイ・ウィン・ライ騎手で,今回が日本での初騎乗。馬の国籍における香港馬による日本の大レース制覇は2006年のブリッシュラックによる安田記念以来,スプリンターズステークス制覇は2005年のサイレントウィットネス以来となります。

 バスに乗っていますと,停留所のアナウンスの後,CMが入るというのはよくあること。僕もО眼科についてはそれで知ったという一面があります。実は僕はそうしたCMの中に,かねがね疑問に思っていたものがありました。
 WINS横浜に馬券を買いに行く場合,僕は必ずバスを利用します。すると途中の停留所で,薬局のCMがアナウンスされます。そしてその薬局を宣伝する文句は,全国どこの病院の処方箋も調剤する○○薬局というものなのです。
 薬局の中には,処方箋調剤をしないところもあります。だから,処方箋を扱うということが宣伝文句になり得るというのは僕にも理解できます。しかし,もしもこの薬局のように,どの病院の処方箋でも取り扱うということが宣伝文句になるのであれば,ある特定の病院の処方箋については取り扱わない薬局があるのでなければなりません。僕が疑問に思っていたのはその点で,どうしてそんな薬局が存在するのだろうかということでした。
 訪問医のО先生は父に3種類の薬剤を処方しました。といっても,末期癌の患者に処方する薬ですから,基本的には病の治癒を目指すための薬ではなく,癌による苦しみを緩和させるような薬です。ご承知の方も多いでしょうが,癌というのは進行してきますと強い痛みを伴うようになります。したがってその痛みを緩和するために,鎮痛剤が処方されます。父の場合もそうでした。
 こうした薬の中で,モルヒネというのは非常に有名だと思います。ただしモルヒネというのは与える量の調整が難しく,下手をすれば副作用で患者が大暴れしてしまうケースもあるということで,在宅での治療には向かないとのこと。そこでそれに代わるような薬剤が処方されました。
 実はこの薬は,いつも利用している薬局では入手することができませんでした。というのはこれは強い麻薬なので,取り扱うためには特別の資格が必要だったらしいのです。そこで僕は例のCMを思い出しました。もしかしたらどの病院の処方箋も調剤するというのは,このような意味も含んでいるのではないかと思ったわけです。WINS横浜に向うためのバスのほかに,もう少し僕の家に近くの薬局で同じようなCMを流しているところあったのですが,果たしてそこでこれを入手することができたのです。

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2 コメント

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安楽 (Unknown)
2010-10-03 21:52:17
御自身の糖尿病と御父様の癌についてのお話を読ませていただいてます。(元々は将棋から入りましたが)親子での大病を透明な語り口で描写されていることに心打たれています。
ところで、本日は麻薬について書かれていますが、以前から思っているのですがもし一粒飲むと素晴らしい快感と共に死ぬことの出来る薬があれば百万円でも買うかもしれないと。
現代の医学なら可能ではないかと。
まぁ、そうなれば今の生きる為の医学が理念だけでなく産業としても崩壊する危機に見舞われるかもしれませんが。
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父のこと (spinoza05)
2010-10-04 17:17:50
コメントありがとうございます。

自分自身のことについてはともかく,正直なところ父のことに関しては書いていてあまり楽しいものではありません。語り口が透明と感じられるならば,あるいはそのあたりに要因があるかもしれません。ただ,僕自身が糖尿病に罹患しなければ,こうした共生記を書くこともなく,おそらく父についても詳細に記述することはなかったでしょう。そう考えると少しばかり運命的なものを感じてしまいます。

快感死の薬は論理的には作ることが可能でしょう。ただ,快感を得た人間が死ぬという前提になりますので,実証するのは不可能かもしれません。
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