スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

印象的な将棋⑰-8&政策

2021-06-23 19:06:25 | ポカと妙手etc
 ⑰-7の第2図では,後手にはふたつの手段があるように僕には思えました。ひとつは☖5六龍と捨ててしまい,☗同玉に☖6四桂と王手で馬を取る順です。王手なので後手は受けますので,そこで☖7三桂とと金を外すことができます。
 実戦はもうひとつの手段の方が選択されました。それが☖5四龍の王手馬取り。
                                        
 これは☗同馬の一手。馬が移動したので☖7三桂と王手で先にと金を払い,☗5六玉と逃げたところで☖5四歩と馬を取りました。
                                        
 第2図は先手の玉が5六にいて,後手の歩が5四に伸びています。これが得になるという判断の下,後手はこちらを選択したのでしょう。
 僕が異変に気付いたのは,この局面に至ってからでした。

 ここでは感情affectusの効用について語っているのですから,ここで原因causaというのも感情に関係するものであるということは前もって理解しておいてください。
 最初の緊急事態宣言が解除され,2度目の緊急事態宣言が発出される間に,新型コロナウイルスの蔓延を防止するという観点だけに着目すれば,それを悪化させるであろうと予測される政策が施行されました。それが,旅行をすることや外食をすることを奨励する政策です。すでに説明したように,ウイルスというのはそれ自体で移動することができるものではなく,感染者を通して移動し,その感染者が未感染者に接触することによって増殖しまた蔓延していきます。したがって,人の移動を促進するような政策とか,人と人とが接触する機会を与えるようなことを奨励するような政策が,それ自体でみれば新型コロナウイルスが蔓延することを促進する危険性があるということは明白だといえます。
 実際にこのような政策が採用されたことと,その後に新型コロナウイルスが蔓延し,再び緊急事態宣言を発出せざるを得なくなったということの間に,どの程度の因果関係があったかは不明です。ただ,実際にこれらの政策は中止されることになったのですから,少なくともそれが緊急事態宣言を発出するということと相容れないということ,いい換えれば両立し得ないということは,この政策を実施した政府も理解していたといえるでしょう。しかしそうであるならば,少なくとも2度目の緊急事態宣言を発出するにあたっては,旅行や外食を奨励するような政策について,それは誤りであったということを伝えなければならなかったのだと僕は思います。
 ただし僕がここでいっているのは,そういう政策が誤りであったということではありませんし,誤りであったということを認めなければならなかったということではありません。ある政策が誤りであったか否かを一面的な角度から決定することはできないでしょうし,ですからそれが誤りであったということを認めなくても構いません。認めなくとも構わないのですが,表面上はそれが誤りであったと認めていると表象されるようにすることが重要だったということです。

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