Snowtree わたしの頭蓋骨の下 *鑑賞記録*

舞台は生もの、賞賛も不満もその日の出来次第、観客側のその日の気分次第。感想というものは単なる個人の私感でしかありません。

帝国劇場『ラ・マンチャの男』ソワレ S席2階前方センター

2015年10月10日 | 演劇
帝国劇場『ラ・マンチャの男』ソワレ  S席2階前方センター

良かった~良かった~。後半はぼろ泣きでした。

幸四郎さん、さすがに動きは衰えを感じたけど芝居は深化している。声も朗々と!足したいくらい。霧矢さんも役に合ってて魅力的でした。ほんとに『ラ・マンチャの男』は良い芝居だ~。『ラ・マンチャの男』は観る度ごとに胸に突き刺さる。この芝居は観た時の年令や自分自身がその時にどういう状況かでも感想が少しずつ変わる気がする。

幸四郎さんのセルバンテス/キホーテは年令が丁度リンクして味わいが深くなっていました。もうなんというか凄みすら感じた。今の自分の老いを真っ直ぐに見つめてる。身体が弱っているのはわかってて、そこを今回の役にきちんと昇華して見せてきた。そう感じた。演出を毎回少しづつ変えてくるのも凄い。

サンチョの駒田一さんがまたもうね、ほんと「だんなが大好き」なサンチョで可愛くて良かったの。前回の時は肩に力が入りすぎててもっともっと「だんな好き」になって~っと思ってたんだけど、今回はサンチョだったよ~(感涙)

アルドンザの霧矢大夢さんが予想以上に素敵だった。宝塚の男役だったというので男勝りのキツイ感じになるかと思ったら、凛としつつ可愛い。強さのなかに脆さがある。どこか優しさを求めて生きてきたって感じ。悲惨な生活を送るうちに攻撃的になったノラ猫みたい。