大阪松竹座『十月花形歌舞伎 染模様恩愛御書』1等1階センター&3等3階前方センター
★感想その四
観てない人にはわからない感想です、すいません。
【詳細感想もといツッコミ 第二幕続き】
「宝殿炎上の場」
火事が屋敷中に飛び火した訳は猿と犬と猫のせいですってよ、奥さん(誰だよ?)。猫の尻尾パタパタに煽られた火が宝物殿までっ。
会場中が煙に巻かれはじめましたっ。もくもくと視界も曇ってきます。真っ赤な照明に照らされた幕がゆらゆらと揺らされ、臨場感たっぷり。ハイテンションな講談師のナレーションも手伝って、ドキドキワクワク。
花道から友右衛門登場。あれ?スレンダーな友右衛門が体格がよくなってるぞ~。数分の間に太ったか(笑)着物がすでに焼きただれ、炎が付き、ぶすぶすと煙がふいております。(この装置を仕込んだ着物のせいで着膨れ友右衛門なのであった)
火が噴く(本火もあり)なかを走り回る、走り回る友右衛門。百廻りのスピード、はやっ。キレがいい回転じゃのう。しかも普通より長くないか?ふええ、なんだかこちらの気分もヒートアップしてきちゃう。もうね、見惚れてるだけでした。
友右衛門、まさしく命がけ、真っ直ぐに、なんのためらいなく御朱印状を守るためだけに。火が付いた御朱印の箱(これも本火だった、やけどしなかったかな?染ちゃん)を見つけ、中から御朱印状を取り出し逃げ出さんも、火の手に囲まれ絶対絶命。死を覚悟した友右衛門、布の包んだ御朱印状を口にくわえ、ふっと一瞬目を閉じ、おもむろに刀に手をかける。この時友右衛門が思い浮かべたの数馬?細川の殿様?どちらだろう。私は殿かな?ってちょっと思ったのでした。殿のために、今そこにいるのだから。「殿、この友右衛門、命をかけて御朱印状を守ってみせます」と心の中で呟いたんじゃないかなあ。この一瞬の友右衛門の静謐さに胸打たれた私なのでした。
そして切腹。ここがまた一気に妙なハイテンションになる切腹で(笑)切腹して次々に内臓を取り出す友右衛門。そこの講談師の語りは「これが肝臓、これが腎臓、これが小腸。三つ合わせて勧進帳(肝腎腸)ーっ!」。おーい、そこでギャクかよっ。どうやら元々、講談にあるオチなんだそうですがっ。ここは賛否両論凄まじいですけど、私は実はアリでした。なんつーの、笑いに落としてはいるけど、切腹する友右衛門の迫力は衰えてなかったから。でも、思いっきり悲壮感ある切腹も見たいとは思うよ、勿論。
噂の火の粉、キターー。うわあ、きれい。三階から見ると、赤いセロファン紙がキラキラしてほんとに火の粉のように見えた。次の日、一階で観劇した時は火の粉を浴びるのが嬉しくて(笑)
火事場はとにかく生で見ないと興奮は伝わらないと思う。まさしくエンターテイメントでした。
「奥庭仮御座所の場」
友右衛門の見事な死体ぶりに目が釘付け。ほんとにピクリとも動かない。体からまだ煙が燻っていて、顔にも火傷の跡がクッキリと。でも美しい死顔でした。壮絶な死にかただったけど満足して逝ったんだろうなあ。へたれで可愛い友右衛門から後半、凛々しい友右衛門に変貌しておりました。
数馬の「義兄上様いのう~」と泣きじゃくる姿は可愛らしくも哀れ。すっぱりと置いてかれちゃったんだもんね。
細川の殿様、泣きそうな顔してたよ。堪えきれないものが体から溢れていた。うん、そうだよね、殿様、友右衛門のこと本当に好きだったんだよね。こういう表情をしてくれてありがと、段治郎さん。殿と友右衛門の絆、確信させていただきました(笑)
ここの場面、家臣たちもみんな本当に辛そうに泣きそうな顔してるの。なんだか感動しちゃったな。なんだろう、友右衛門が亡くなったことを皆が惜しんでるってすごーくよく伝わってきた。それがこの芝居の座組みのお互いの信頼度にも繋がって気がして。
数馬、一人取り残されて…。歌舞伎ぽくないエンディング。どうなんでしょ、ここ必要かな?うーん、切ないシーンと言えばそうなんだけど、バックにはムード歌謡だし…。
数馬は友右衛門がいなくなって初めて友右衛門のことを本当に愛していたんだ、と思い知らされたのかもしれないなあ、なんてネ。今までは愛されるのが当たり前だったから。
嘆く数馬の背後に見守るように在り日の姿の友右衛門。幽霊キターー、つーか、おまえは『阿修羅城の瞳』の翼鬼(椿)かよっ。桜の代わりに杜若の花びらがハラハラと。
【まとめ】
ということで私のツッコミ感想は終わりとさせていただきます。実際、まさしくこのツッコミをしながら観てました。今回の復活狂言、全体的にはまだまだかなり荒い芝居だったと思います。でも若さ溢れるパワーがそこにありました。面白い芝居を作り上げようという想い、観客を楽しませようとする心意気、それが十二分に伝わってきました。楽しくて楽しくて、爽快感とパワーをもらえた芝居でした。この芝居に関わった全員にありがとうを!
★感想その四
観てない人にはわからない感想です、すいません。
【詳細感想もといツッコミ 第二幕続き】
「宝殿炎上の場」
火事が屋敷中に飛び火した訳は猿と犬と猫のせいですってよ、奥さん(誰だよ?)。猫の尻尾パタパタに煽られた火が宝物殿までっ。
会場中が煙に巻かれはじめましたっ。もくもくと視界も曇ってきます。真っ赤な照明に照らされた幕がゆらゆらと揺らされ、臨場感たっぷり。ハイテンションな講談師のナレーションも手伝って、ドキドキワクワク。
花道から友右衛門登場。あれ?スレンダーな友右衛門が体格がよくなってるぞ~。数分の間に太ったか(笑)着物がすでに焼きただれ、炎が付き、ぶすぶすと煙がふいております。(この装置を仕込んだ着物のせいで着膨れ友右衛門なのであった)
火が噴く(本火もあり)なかを走り回る、走り回る友右衛門。百廻りのスピード、はやっ。キレがいい回転じゃのう。しかも普通より長くないか?ふええ、なんだかこちらの気分もヒートアップしてきちゃう。もうね、見惚れてるだけでした。
友右衛門、まさしく命がけ、真っ直ぐに、なんのためらいなく御朱印状を守るためだけに。火が付いた御朱印の箱(これも本火だった、やけどしなかったかな?染ちゃん)を見つけ、中から御朱印状を取り出し逃げ出さんも、火の手に囲まれ絶対絶命。死を覚悟した友右衛門、布の包んだ御朱印状を口にくわえ、ふっと一瞬目を閉じ、おもむろに刀に手をかける。この時友右衛門が思い浮かべたの数馬?細川の殿様?どちらだろう。私は殿かな?ってちょっと思ったのでした。殿のために、今そこにいるのだから。「殿、この友右衛門、命をかけて御朱印状を守ってみせます」と心の中で呟いたんじゃないかなあ。この一瞬の友右衛門の静謐さに胸打たれた私なのでした。
そして切腹。ここがまた一気に妙なハイテンションになる切腹で(笑)切腹して次々に内臓を取り出す友右衛門。そこの講談師の語りは「これが肝臓、これが腎臓、これが小腸。三つ合わせて勧進帳(肝腎腸)ーっ!」。おーい、そこでギャクかよっ。どうやら元々、講談にあるオチなんだそうですがっ。ここは賛否両論凄まじいですけど、私は実はアリでした。なんつーの、笑いに落としてはいるけど、切腹する友右衛門の迫力は衰えてなかったから。でも、思いっきり悲壮感ある切腹も見たいとは思うよ、勿論。
噂の火の粉、キターー。うわあ、きれい。三階から見ると、赤いセロファン紙がキラキラしてほんとに火の粉のように見えた。次の日、一階で観劇した時は火の粉を浴びるのが嬉しくて(笑)
火事場はとにかく生で見ないと興奮は伝わらないと思う。まさしくエンターテイメントでした。
「奥庭仮御座所の場」
友右衛門の見事な死体ぶりに目が釘付け。ほんとにピクリとも動かない。体からまだ煙が燻っていて、顔にも火傷の跡がクッキリと。でも美しい死顔でした。壮絶な死にかただったけど満足して逝ったんだろうなあ。へたれで可愛い友右衛門から後半、凛々しい友右衛門に変貌しておりました。
数馬の「義兄上様いのう~」と泣きじゃくる姿は可愛らしくも哀れ。すっぱりと置いてかれちゃったんだもんね。
細川の殿様、泣きそうな顔してたよ。堪えきれないものが体から溢れていた。うん、そうだよね、殿様、友右衛門のこと本当に好きだったんだよね。こういう表情をしてくれてありがと、段治郎さん。殿と友右衛門の絆、確信させていただきました(笑)
ここの場面、家臣たちもみんな本当に辛そうに泣きそうな顔してるの。なんだか感動しちゃったな。なんだろう、友右衛門が亡くなったことを皆が惜しんでるってすごーくよく伝わってきた。それがこの芝居の座組みのお互いの信頼度にも繋がって気がして。
数馬、一人取り残されて…。歌舞伎ぽくないエンディング。どうなんでしょ、ここ必要かな?うーん、切ないシーンと言えばそうなんだけど、バックにはムード歌謡だし…。
数馬は友右衛門がいなくなって初めて友右衛門のことを本当に愛していたんだ、と思い知らされたのかもしれないなあ、なんてネ。今までは愛されるのが当たり前だったから。
嘆く数馬の背後に見守るように在り日の姿の友右衛門。幽霊キターー、つーか、おまえは『阿修羅城の瞳』の翼鬼(椿)かよっ。桜の代わりに杜若の花びらがハラハラと。
【まとめ】
ということで私のツッコミ感想は終わりとさせていただきます。実際、まさしくこのツッコミをしながら観てました。今回の復活狂言、全体的にはまだまだかなり荒い芝居だったと思います。でも若さ溢れるパワーがそこにありました。面白い芝居を作り上げようという想い、観客を楽しませようとする心意気、それが十二分に伝わってきました。楽しくて楽しくて、爽快感とパワーをもらえた芝居でした。この芝居に関わった全員にありがとうを!