Snowtree わたしの頭蓋骨の下 *鑑賞記録*

舞台は生もの、賞賛も不満もその日の出来次第、観客側のその日の気分次第。感想というものは単なる個人の私感でしかありません。

歌舞伎座『六月大歌舞伎 昼の部』 幕見席(4階)

2014年06月18日 | 歌舞伎
歌舞伎座『六月大歌舞伎 昼の部』 幕見席(4階)

『大石最後の一日』
大石@幸四郎さんの抑えた芝居にしみじみとした深い味わいがあって、また伝右衛門@彌十郎さん、磯貝@錦之介さん、おみの@孝太郎さんそれぞれのお役の表現に真実味があり完成度が高くとても良かったです。

『お祭り』
仁左衛門さんが本当にお元気そうに舞台に立たれていて、それだけで思わず顔がほころんでしまいました。まさしく色男な鳶頭でした。顔がふっくらされたせいか色気倍増な感じ。でも孫と一緒の時はやっぱりお祖父ちゃんな顔になるのがまた可愛いらしい。

歌舞伎座『六月大歌舞伎 夜の部』 1等1階前方センター

2014年06月14日 | 歌舞伎
歌舞伎座『六月大歌舞伎 夜の部』 1等1階前方センター

『蘭平物狂』
松緑襲名披露の時を思い出す。ひたすら若さでぐいぐい押していた松緑くんが芯としての貫録がついたことに感慨を覚える。繁蔵は今の尾上右近くんだった。彼ももう大人だもんね…早いなあ。
左近くん、一生懸命で可愛かった~。

立ち廻りを見せる演目だから立ち廻り要員の三階さんたちが良くないと見せ場半減だけど今回もよくやっていた。皆さん、怪我のないように。三津五郎さんが繋げてくれたんだよね。今度は松緑くんが繋げていく番だ、頑張れ。

『素襖落』
幸四郎さん、愛嬌より重厚さが勝るが間の良さで楽しくみせる。戦語りは情景が鮮明でさすが。

高麗蔵さんと亀寿くんの連れ舞が丁寧に品よくとても良かったです。

『名月八幡祭』
吉右衛門さん、ずっしり。田舎者の朴訥さや世間知らずの純な部分はなく、どこか人に馴染めない屈折さをみせて最初から何やら執着するような気持ち悪さをみせ自分勝手な思い込みでの暴走ゆえの悲劇に転化しどうにも共感できず仕舞い。

芝雀さん、痩せた?綺麗だったわー。悪女じゃなく悪気なくつい騙す結果になってしまったのねな感じ。

国立演芸場『ワザオギ落語会』前方上手席

2014年06月07日 | 古典芸能その他
国立演芸場『ワザオギ落語会』前方上手席

飛び道具的なのから古典まで色々で笑いっぱなし。誘ってくれた方に感謝です。

瀧川鯉朝『街角のあの娘』
柳亭市馬『天災』
笑福亭たま『人間国宝』
桃月庵白酒『臆病源兵衛』
春風亭一之輔『粗忽の釘』

個人的には端正な市馬さんの語りが好きです。でも全部楽しかったし面白かった。笑福亭たまさんの芸風は小ネタ好きの人はハマると思う。

シアタートラム『関数ドミノ』前方下手寄り

2014年06月01日 | 演劇
シアタートラム『関数ドミノ』前方下手寄り

初イキウメ。面白かった~~~!!物語の転がし方が巧い。細かい設定を積み重ねて日常をほんの少しずらしていく。回収のさせ方もいいしキャラはある意味類型なんだけど個々のキャラの立たせ方がいいというか物語的に綺麗。これ新本格ミステリ好きの人は見るべきっ。

物語構成の面白さだけでなく人の想いの切実さと危うさのバランスをうまく突いた作品。いや、ほんとに面白かった。次の作品も観たい。それと前川知大さん、また歌舞伎を書く機会があったら遠慮せずに自分らしさを出して書いてほしい。世代的にも若い人に受け入れられやすい感覚での作品作りの人かと思う。