歌舞伎座『柿葺落七月花形歌舞伎 夜の部』 1等席前方上手寄り
『東海道四谷怪談』
2回目観劇です。今回はは首が飛んでもビューな席でした。こういう言い方がいいのかわからないけど面白かった。可哀想さとか怖さとかもしっかりあるんだけどわくわく感もあるという感じ。不思議な感覚でした。
お岩@菊之助さん、やはり武家娘らしい佇まいとその美しさが印象的なお岩さま。可哀想さというか哀れさの部分が前回拝見した時よりかなり出てきてました。でも顔が変貌してからがだいぶ身体が男っぽくなっちゃってたのが少々残念だったかな。その代わりケレンの部分がこなれていて早変わりがかなりスムーズで拍手をかなりもらっていました。菊之助さんのお岩はやっぱり恨みや怒りで死ぬ前の絶望感から生霊化してる可哀想なお岩さまでした。凛としたプライドが一気に崩れるその瞬間の心の隙間から闇がみえるようでした。
伊右衛門@染五郎さん、ますます身勝手ぶりに磨きがかかってた。何も考えないその場凌ぎな短絡男。大事なのは自分と家名だけ。悪いことをしようという自覚的なものすらない、まったくもって薄っぺらいダメ男。こんな男に引っかかったら地獄。とりあえず潔く同情の余地なしな男に徹していました。そのなかで元はお坊ちゃまな甘えや我侭さをのぞかせてきたのが面白かった。そして前回も思ったんですが柄の部分は違うけどどこか團十郎さん伊右衛門の何も考えてない、悪いことしてる感なしな伊右衛門を連想させる部分がある。無自覚な悪という感じというか。にしてもかなり声を低く取り、心底冷たい無慈悲な声色でかなり骨太に演じつつも単なる悪ではなく甘さがありそこに色気があるという染五郎さんならではの造詣になっていたと思う。また前回はちょっとそこだけ浮いてた気がした「首が飛んでも、動いてやるわ」が図太さから出た言葉ではなくいきがっての言葉として発せられてて場に馴染んでいました。台詞のちょっとした言い回しでだいぶ印象が変わりますね。
『東海道四谷怪談』
2回目観劇です。今回はは首が飛んでもビューな席でした。こういう言い方がいいのかわからないけど面白かった。可哀想さとか怖さとかもしっかりあるんだけどわくわく感もあるという感じ。不思議な感覚でした。
お岩@菊之助さん、やはり武家娘らしい佇まいとその美しさが印象的なお岩さま。可哀想さというか哀れさの部分が前回拝見した時よりかなり出てきてました。でも顔が変貌してからがだいぶ身体が男っぽくなっちゃってたのが少々残念だったかな。その代わりケレンの部分がこなれていて早変わりがかなりスムーズで拍手をかなりもらっていました。菊之助さんのお岩はやっぱり恨みや怒りで死ぬ前の絶望感から生霊化してる可哀想なお岩さまでした。凛としたプライドが一気に崩れるその瞬間の心の隙間から闇がみえるようでした。
伊右衛門@染五郎さん、ますます身勝手ぶりに磨きがかかってた。何も考えないその場凌ぎな短絡男。大事なのは自分と家名だけ。悪いことをしようという自覚的なものすらない、まったくもって薄っぺらいダメ男。こんな男に引っかかったら地獄。とりあえず潔く同情の余地なしな男に徹していました。そのなかで元はお坊ちゃまな甘えや我侭さをのぞかせてきたのが面白かった。そして前回も思ったんですが柄の部分は違うけどどこか團十郎さん伊右衛門の何も考えてない、悪いことしてる感なしな伊右衛門を連想させる部分がある。無自覚な悪という感じというか。にしてもかなり声を低く取り、心底冷たい無慈悲な声色でかなり骨太に演じつつも単なる悪ではなく甘さがありそこに色気があるという染五郎さんならではの造詣になっていたと思う。また前回はちょっとそこだけ浮いてた気がした「首が飛んでも、動いてやるわ」が図太さから出た言葉ではなくいきがっての言葉として発せられてて場に馴染んでいました。台詞のちょっとした言い回しでだいぶ印象が変わりますね。