歌舞伎座『柿葺落十一月大歌舞伎 昼の部』3等A席下手前方
現時点での幹部役者さんたちの精魂込めた大歌舞伎でした。大事に大事に演じてらしてて充実していたと思う。でも『仮名手本忠臣蔵』として看板役者が足りないのだなあ…という切ない想いも抱いた。うん、正直な気持ち。たぶん、大序での七之助くんがちょっとした瞬間、あまりに勘三郎さんに似ていたからかも。なんかね、さよなら公演とか思い出しちゃって…。仁左衛門さんも休演だし…。
『仮名手本忠臣蔵』
判官@菊五郎さん、四段目の透明感がかなり印象的でした。初手は貫禄がありすぎかなという部分はあったのだけど、徐々に周囲の空気が澄んでいく感じだった。ぽってりとした柔らかな風情のなかに芯にプライドの高さを秘め、ほんの少しの表情で気持ちを伝えてくる。
由良之助@吉右衛門さん、吉右衛門さんの四段目を観るのは何年ぶりだろう。かなり久しぶりです。今回、その時とかなり印象が違いました。個人的に「吉右衛門さんの由良さんはこういうの」というイメージがあったので戸惑いもありました。今回の吉右衛門さんの由良之助は泣きが強い。駆け付けた時からすでに身体全身で泣いている。崩れんばかりの想いを強固な力で抑えてる感。慟哭がかなりストレートだったと思う。主君への想いをそのまま引き受ける。判官の個の想いではなく「武士としての想い」を受け取る。背負うものへの責任感の強さと孤独さと、そこにほんの少しの不安と。武士という規範のなかで生きる男の人間臭さが前に出てたかな。
現時点での幹部役者さんたちの精魂込めた大歌舞伎でした。大事に大事に演じてらしてて充実していたと思う。でも『仮名手本忠臣蔵』として看板役者が足りないのだなあ…という切ない想いも抱いた。うん、正直な気持ち。たぶん、大序での七之助くんがちょっとした瞬間、あまりに勘三郎さんに似ていたからかも。なんかね、さよなら公演とか思い出しちゃって…。仁左衛門さんも休演だし…。
『仮名手本忠臣蔵』
判官@菊五郎さん、四段目の透明感がかなり印象的でした。初手は貫禄がありすぎかなという部分はあったのだけど、徐々に周囲の空気が澄んでいく感じだった。ぽってりとした柔らかな風情のなかに芯にプライドの高さを秘め、ほんの少しの表情で気持ちを伝えてくる。
由良之助@吉右衛門さん、吉右衛門さんの四段目を観るのは何年ぶりだろう。かなり久しぶりです。今回、その時とかなり印象が違いました。個人的に「吉右衛門さんの由良さんはこういうの」というイメージがあったので戸惑いもありました。今回の吉右衛門さんの由良之助は泣きが強い。駆け付けた時からすでに身体全身で泣いている。崩れんばかりの想いを強固な力で抑えてる感。慟哭がかなりストレートだったと思う。主君への想いをそのまま引き受ける。判官の個の想いではなく「武士としての想い」を受け取る。背負うものへの責任感の強さと孤独さと、そこにほんの少しの不安と。武士という規範のなかで生きる男の人間臭さが前に出てたかな。