歌舞伎座『六月大歌舞伎 夜の部』 1等1階前方下手寄り
『新薄雪物語』
「広間」「合腹」
良かった~。さすがベテランの底力。新薄雪物語は「合腹」までは通して上演すべき。「正宗内」は外伝的な場だから別で上演しても問題ないと思うけど。
役者が違うとほんと受ける印象が違う。2008年上演の『新薄雪物語』での顔合わせがもうとにかくツボに嵌って大好きでやっぱりいまでもあれは好きだな~、ほんとに良かったなあという印象は変わらずで、でも今月の『新薄雪物語』もとても良くて両方観られて私は幸せ。
2008年(園部兵衛:幸四郎、伊賀守:吉右衛門、梅の方:芝翫)と2015年(園部兵衛:仁左衛門、伊賀守:幸四郎、梅の方:魁春)の新薄雪物語「広間」「合腹」じゃら受ける印象が相当違ってた。これは役者の組み合わせの違いからくるものだったと思う。お互いの化学反応でできあがるものが違う。
2008年のは園部兵衛:幸四郎、伊賀守:吉右衛門はさすが兄弟ならではな絶妙な息の合い方。芯の部分が同じで似てるだけに写し鏡のような存在にみえ、言わずともわかりあえる強烈な絆を感じさせた。この男同士だけの連帯感というか解放感というか、それがこの二人にはあって女は置いてきぼり的なww
今回の園部兵衛:仁左衛門、伊賀守:幸四郎はお互い相手がどう出てくるか探り合いをしている部分がみえてくる。そのなかで親としての情の部分が同じというところで、ぴたっと息が合う。細かい心理描写が透けてみえる。そこに奥さんの存在も強烈に感じさせるので今回は男同士より家族同士の、がみえた。
梅の方の在り様も違ってた。芝翫さんの梅の方は守ってあげたくなる、どこまでも可愛らしい奥方でとても優しい母親だった。魁春さんの梅の方はもっと武家の女たらんとする気概があって夫婦感がもっと対等で凛とした母性。笑いにも表情にも持ち味の違いがくっきり。でもどちらも哀しみ溢れ切なかった
「正宗内」
久しぶりの上演だそうな。初見ですがここだけ観ると「合腹」から通す必要なしの場でした。どうせやるなら大膳と団九郎が共謀する序からやればよかったのに。思ったよりは面白かった。全体としてメリハリが足りない気がしたけど脚本を密にしていけば、もっと良くなりそう。
余談:こけら落としでの花形での『新薄雪物語』もほんとよくやっていたなあ。格違いは改めて感じたけど今月の師匠たち(園部兵衛:仁左衛門→染五郎、伊賀守:幸四郎→松緑、等)の芝居を観ると花形たちがどんだけきちんと写して芝居してたのかもよくわかった。
『夕顔棚』
ほのぼのとした舞踊劇で打ち出し。菊五郎さんの婆さんが愛嬌と色気があって絶品(笑)
『新薄雪物語』
「広間」「合腹」
良かった~。さすがベテランの底力。新薄雪物語は「合腹」までは通して上演すべき。「正宗内」は外伝的な場だから別で上演しても問題ないと思うけど。
役者が違うとほんと受ける印象が違う。2008年上演の『新薄雪物語』での顔合わせがもうとにかくツボに嵌って大好きでやっぱりいまでもあれは好きだな~、ほんとに良かったなあという印象は変わらずで、でも今月の『新薄雪物語』もとても良くて両方観られて私は幸せ。
2008年(園部兵衛:幸四郎、伊賀守:吉右衛門、梅の方:芝翫)と2015年(園部兵衛:仁左衛門、伊賀守:幸四郎、梅の方:魁春)の新薄雪物語「広間」「合腹」じゃら受ける印象が相当違ってた。これは役者の組み合わせの違いからくるものだったと思う。お互いの化学反応でできあがるものが違う。
2008年のは園部兵衛:幸四郎、伊賀守:吉右衛門はさすが兄弟ならではな絶妙な息の合い方。芯の部分が同じで似てるだけに写し鏡のような存在にみえ、言わずともわかりあえる強烈な絆を感じさせた。この男同士だけの連帯感というか解放感というか、それがこの二人にはあって女は置いてきぼり的なww
今回の園部兵衛:仁左衛門、伊賀守:幸四郎はお互い相手がどう出てくるか探り合いをしている部分がみえてくる。そのなかで親としての情の部分が同じというところで、ぴたっと息が合う。細かい心理描写が透けてみえる。そこに奥さんの存在も強烈に感じさせるので今回は男同士より家族同士の、がみえた。
梅の方の在り様も違ってた。芝翫さんの梅の方は守ってあげたくなる、どこまでも可愛らしい奥方でとても優しい母親だった。魁春さんの梅の方はもっと武家の女たらんとする気概があって夫婦感がもっと対等で凛とした母性。笑いにも表情にも持ち味の違いがくっきり。でもどちらも哀しみ溢れ切なかった
「正宗内」
久しぶりの上演だそうな。初見ですがここだけ観ると「合腹」から通す必要なしの場でした。どうせやるなら大膳と団九郎が共謀する序からやればよかったのに。思ったよりは面白かった。全体としてメリハリが足りない気がしたけど脚本を密にしていけば、もっと良くなりそう。
余談:こけら落としでの花形での『新薄雪物語』もほんとよくやっていたなあ。格違いは改めて感じたけど今月の師匠たち(園部兵衛:仁左衛門→染五郎、伊賀守:幸四郎→松緑、等)の芝居を観ると花形たちがどんだけきちんと写して芝居してたのかもよくわかった。
『夕顔棚』
ほのぼのとした舞踊劇で打ち出し。菊五郎さんの婆さんが愛嬌と色気があって絶品(笑)