歌舞伎座『壽初春大歌舞伎 夜の部』 1等1階花道寄り前方
『猩々』
梅玉さんがふんわりと品がよくて、なにより楽しそうに踊られていて観ていて顔がほころぶ。そして腰の入り方、足首の柔らかさが本当に見事で目が釘付け。
『二条城の清正』
清正@幸四郎さんが前回拝見した時より、ぐっと押さえた芝居。金太郎くんの爺としてではなく秀頼を守り抜こうとする清正としてそこにいた。
秀頼@金太郎くん、品のよい凛とした姿と佇まい。主君としての自覚を持つ秀頼としてしっかりと芝居をしている。台詞廻しもいい。この年齢で、よくぞここまで演じきっていると思う。
『玩辞楼十二曲の内 廓文章「吉田屋」』
今月の『吉田屋』はとても楽しい。じゃらじゃらが素直に入ってくるというか、お話もすんなり入ってきて見やすい。いつもよりタイトな感じがしたけど、そのテンポのよさも良かったのかも。
夕霧@玉三郎さんが夢のように美しい。そしてただ美しいだけではなく可愛らしい情味があって絶品。
伊左衛門@鴈治郎さんは大店のぼんぼんらしい品のよさと柔らかさのなかに憎めない愛嬌がある。この役にうまく嵌ってきたんだなという感じがする。無理がない。
『雪暮夜入谷畦道「直侍」』
観た直後は染五郎さんファンとしては、あまりの格好よさにひたすら目がハート。「染ちゃんの生足♪ (〃∇〃)ノ☆ 染ちゃんのほっかむりの横顔(〃´o`)=3 直はんの豆絞りの手拭いに成り代わりたい(*/□\*)」という感じでした(笑)
芝居としても前半の「そば屋」の場はアンサンブルがよく役者も適材適所でかなりの見応えぶり。後半の「大口寮」の場も密度が濃くなっていました。
直次郎@染五郎さん、男ぶりがあがったと思う。花道ですっと顔を上げた瞬間の陰のある色気ったら。佇まいが絵になると同時にリアルにそこにいる。孤独感のある直次郎。前半に拝見した時より役に陰影がつき御家人崩れのどこか頓着のない品と悪党としてのの実感、そのなかでの情の濃さのバランスが良かったと思う。回数を重ねて欲しい役。次は同世代の三千歳とやってみてほしい。
染五郎さんの直次郎は逃げる時に三千歳に「もうこの世では会わねぇぞ」と叫ぶ。自分は別れるために来たという覚悟のほどが強い。完全に三千歳を振り切っていく。これだと花道でのぐっと吹っ切る表情込みで別れの先の暗さが出ますね。
余談:音羽屋さんは「もうこの世では会われねぇぞ」です。これだと自分からの別れが強く出ず、三千歳との関係性が切れるわけではなく余韻がある。松嶋屋さんのはどちらだったかなぁ。わりと陰が強いなという印象があるので「会わねぇぞ」だったかもしれません。
三千歳@芝雀さん、前半に拝見した時は寂しい身の上から逃げたいという恋愛とは別の依存も見えたんですが、23日に拝見した時は直はん一途な純情が見え情味が濃くなってました。切々とした台詞が巧くて一言一言に切実さがある。しっとりとした風情には庇護が欲しい弱さも含んでいるので、年下の直はんよりは年上のほうがもっとしっくりくるかなと。個人的には菊五郎さん直次郎との組み合わせが観てみたいです。
なんというか染五郎さんの直次郎と芝雀さんの三千歳は芝居の質感や間は合っていて見応えも十分あったのですがこの二人を離してしまっては、という比翼の関係という雰囲気は残念ながら見えなかったかなぁと。私が求めすぎなのかもしれませんが…。染五郎さんの直次郎に対しての三千歳、いまのところ一番見て観たいのはやっぱり菊之助さん。やってくれないかな~。
『猩々』
梅玉さんがふんわりと品がよくて、なにより楽しそうに踊られていて観ていて顔がほころぶ。そして腰の入り方、足首の柔らかさが本当に見事で目が釘付け。
『二条城の清正』
清正@幸四郎さんが前回拝見した時より、ぐっと押さえた芝居。金太郎くんの爺としてではなく秀頼を守り抜こうとする清正としてそこにいた。
秀頼@金太郎くん、品のよい凛とした姿と佇まい。主君としての自覚を持つ秀頼としてしっかりと芝居をしている。台詞廻しもいい。この年齢で、よくぞここまで演じきっていると思う。
『玩辞楼十二曲の内 廓文章「吉田屋」』
今月の『吉田屋』はとても楽しい。じゃらじゃらが素直に入ってくるというか、お話もすんなり入ってきて見やすい。いつもよりタイトな感じがしたけど、そのテンポのよさも良かったのかも。
夕霧@玉三郎さんが夢のように美しい。そしてただ美しいだけではなく可愛らしい情味があって絶品。
伊左衛門@鴈治郎さんは大店のぼんぼんらしい品のよさと柔らかさのなかに憎めない愛嬌がある。この役にうまく嵌ってきたんだなという感じがする。無理がない。
『雪暮夜入谷畦道「直侍」』
観た直後は染五郎さんファンとしては、あまりの格好よさにひたすら目がハート。「染ちゃんの生足♪ (〃∇〃)ノ☆ 染ちゃんのほっかむりの横顔(〃´o`)=3 直はんの豆絞りの手拭いに成り代わりたい(*/□\*)」という感じでした(笑)
芝居としても前半の「そば屋」の場はアンサンブルがよく役者も適材適所でかなりの見応えぶり。後半の「大口寮」の場も密度が濃くなっていました。
直次郎@染五郎さん、男ぶりがあがったと思う。花道ですっと顔を上げた瞬間の陰のある色気ったら。佇まいが絵になると同時にリアルにそこにいる。孤独感のある直次郎。前半に拝見した時より役に陰影がつき御家人崩れのどこか頓着のない品と悪党としてのの実感、そのなかでの情の濃さのバランスが良かったと思う。回数を重ねて欲しい役。次は同世代の三千歳とやってみてほしい。
染五郎さんの直次郎は逃げる時に三千歳に「もうこの世では会わねぇぞ」と叫ぶ。自分は別れるために来たという覚悟のほどが強い。完全に三千歳を振り切っていく。これだと花道でのぐっと吹っ切る表情込みで別れの先の暗さが出ますね。
余談:音羽屋さんは「もうこの世では会われねぇぞ」です。これだと自分からの別れが強く出ず、三千歳との関係性が切れるわけではなく余韻がある。松嶋屋さんのはどちらだったかなぁ。わりと陰が強いなという印象があるので「会わねぇぞ」だったかもしれません。
三千歳@芝雀さん、前半に拝見した時は寂しい身の上から逃げたいという恋愛とは別の依存も見えたんですが、23日に拝見した時は直はん一途な純情が見え情味が濃くなってました。切々とした台詞が巧くて一言一言に切実さがある。しっとりとした風情には庇護が欲しい弱さも含んでいるので、年下の直はんよりは年上のほうがもっとしっくりくるかなと。個人的には菊五郎さん直次郎との組み合わせが観てみたいです。
なんというか染五郎さんの直次郎と芝雀さんの三千歳は芝居の質感や間は合っていて見応えも十分あったのですがこの二人を離してしまっては、という比翼の関係という雰囲気は残念ながら見えなかったかなぁと。私が求めすぎなのかもしれませんが…。染五郎さんの直次郎に対しての三千歳、いまのところ一番見て観たいのはやっぱり菊之助さん。やってくれないかな~。