北国の帝王
1973年/アメリカ
単純明快な男と男の闘い
総合 75点
ストーリー 75点
キャスト 80点
演出 75点
ビジュアル 80点
音楽 75点
アクション映画の名匠、ロバート・アルドリッチ監督が得意とする男と男の意地のぶつかり合いを描いている。大恐慌時代オレゴン州でホーボーと呼ばれる浮浪者たちは移動手段はもっぱら無賃乗車。そのボスA・ナンバーワン(リー・マービン)は「北国の帝王」と呼ばれ一目おかれていた。19号車には無賃乗車を冷酷に排除する車掌シャック(アーネスト・ボーグナイン)がいた。ホーボーたちは帝王が無賃乗車をやり遂げるか?それともシャックが冷酷さを発揮して列車から振り落とすか?賭けを始める始末。
まさに単純明快な男と男の闘いである。これだけではいくら名優2人が死闘を繰り広げても1時間もかからないストーリー。ここで帝王の座を狙う若者シガレット(キース・キャラダイン)が絡んでくるが、硬骨漢R・アルドリッチはそれを枠に押し込め、妥協することなくクライマックスの2人の闘いへと持ってゆく。
大平原を疾走する蒸気機関車と20分のアクションを観るだけで興奮できるようなマニア向き映画である。観ているうちにR・アルドリッチは、岡本喜八監督を連想させA・ボーグナインは佐藤允を思わせた。