晴れ、ときどき映画三昧

映画は時代を反映した疑似体験と総合娯楽。
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『ボローニャの夕暮れ』 80点

2010-08-07 14:37:59 | (欧州・アジア他) 2000~09

ボローニャの夕暮れ

2008年/イタリア

久々、イタリア映画らしい家族の物語

総合★★★★☆ 80

ストーリー ★★★★☆80点

キャスト ★★★★☆85点

演出 ★★★★☆80点

ビジュアル ★★★★☆85点

音楽 ★★★★☆80点

イタリア映画の名匠プーピ・アヴァーティが、故郷ボローニャを舞台に、第2次世界大戦をはさんだ家族の物語を創りあげた。
美術教師のミケーレ(シルヴィオ・オルランド)は内気で劣等感に苛まれた娘ジョヴァンナ(アルバ・ロルヴァケル)を溺愛している。妻のデリア(フランチェスカ・ネリ)は、夫と娘を愛そうとしながらも上手くゆかず密かに隣人の警察官セルジオに想いを寄せている。一家の微妙なバランスはある事件が発端で思わぬ方向へ。想定外の結末はほっとするか唐突だと感じるか微妙である。
イタリア映画の伝統である偉大なマンマの家族愛ではなく、父親が娘を盲目的に愛するストーリーは珍しい。美しく闊達な妻に引け目を感じながら、純粋で精神的にアンバランスな娘を何処までも盲目的に守り抜こうとする。内面の葛藤をヒタ隠し、穏やかな表情で乗り越えようとする複雑な役柄が高評価を得てヴェネチア国際映画祭主演男優賞を受賞した。
娘のジョヴァンナを演じたA・ロルヴァケルは、実年齢より10歳以上下の多感な17歳を好演してイタリアのオスカーを獲るなど注目され、決して美形ではないがこれからの活躍が期待される。
母のF・ネリは、時代に翻弄されながら逞しく生き抜く女。その不可解な言動で評価は芳しくないが、筆者はリアルで最も人間らしい生き方に共感させられた。



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