晴れ、ときどき映画三昧

映画は時代を反映した疑似体験と総合娯楽。
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『ワンダフルライフ』 80点

2011-08-11 16:53:41 | 日本映画 1980~99(昭和55~平成11) 

ワンダフルライフ

1999年/日本

ファンタジーとドキュメンタリーの融合に挑む

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shinakamさん

男性

総合★★★★☆ 80

ストーリー ★★★★☆85点

キャスト ★★★★☆85点

演出 ★★★★☆80点

ビジュアル ★★★★☆80点

音楽 ★★★★☆80点

「幻の光」で数々の賞を受賞して注目を浴びた是枝裕和の2作目。
「あなたの人生のなかから大切な思い出をひとつだけ選んで下さい」と500人ほどインタビューするという手法でシナリオがカタチとなったという。TVのドキュメンタリー・若手ディレクター出身の彼らしく、俳優と素人を混在させ台詞と本音トークをミックス。不思議な世界を創りファンタジーとドキュメンタリーの融合に挑んだ意欲作。
東京・京橋の小さな試写室で観て以来12年振りの再見だが、ユニークな発想のドラマだというあの時の新鮮な印象とは違いよりドラマ的な視点の感想を抱いた。それは自分が渡辺(内藤武敏)に近い人生を送り平凡な老後を迎えようとしていて、自分だったらどんなシーンを想像するだろうと連想する気持ちが失せているからかもしれない。主人公の望月(ARATA)を始めとする天国へ送りだす手助けをする職員になったままヒトの人生を傍観することになりそう。
出演者は谷啓、由利徹、香川京子、内藤武敏、白川和子、原ひさ子などのほか当時無名だった俳優が多数出演している。寺島進、内藤剛志、伊勢谷友介、木村多江などいまドラマでは欠かせない役者たちだ。
望月としおり(小田エリカ)の切ない恋物語になりそうなストーリーをこういうすっきりした後味のドラマに仕上げた是枝監督。彼の作品では「空気人形」が好みだが、ジャンルを超えてさまざまな作品に挑んで「誰も知らない」以上のさらなる飛躍を期待したい。



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