刑事
1959年/イタリア
登場人物のさまざまな人間模様が興味深い
総合 80点
ストーリー 80点
キャスト 85点
演出 80点
ビジュアル 80点
音楽 85点
C・E・ガッタの小説「メルラーナ街の恐るべき混乱」をピエトロ・ジェルミが監督・主演したイタリアでは珍しい刑事ドラマ。
噴水のUPが引くと高級マンションが現れ、その空間から男の後姿があって、騒音とともに強盗事件だと分かる。「鉄道員」「わらの男」同様、レオニダ・バルボーニの撮影、カルロ・ルスティケリの音楽がタイトル・バックから本領を発揮して期待感充分。
イングラヴァロ警部(P・ジェルミ)が被害者の家政婦アッスンタ(クラウディア・カルディナーレ)に事情聴取すると恋人ディオメーデ(ニーノ・カステルヌオーヴォ)が浮かぶ。アリバイがあって釈放されるが1週間後隣家のバンドゥッチ夫人(エレオノーラ・ロッシ・ドラゴ)が惨殺される。発見者であるいとこの医者・バルダレーナ(フランコ・ファブリッティ)、三國連太郎似の夫・バンドゥッチ(クラウディオ・ゴーラ)など事件にかかわる登場人物の多種多様な人間模様が、徐々に絡まって明らかになるところが面白い。イタリア独特の人間味溢れる人物像が次々と登場して飽きさせない。
P・ジェルミは正義漢溢れる刑事だが、照れ隠しにサングラスをするなど、人情味も持ち合わせた魅力的な人物を気持ち良さそうに演じている。訊き込みで訪れた海辺のコテージへプライベートで行ったことが窺えたりする。電話で愛人ともなかなか逢えないなど刑事の辛い心情も垣間見せる。
「鉄道員」以来の名コンビ、サーロ・ウルツィが相変わらずコミカルな味で彩を添えているのも楽しい。
その分イギリスの正統派ミステリーとは趣きがまるっきり違っていて、犯人探しをしながら観ていると肩透かしに合う。
ルスティケリの娘・アリダ・ケッリが歌う「死ぬほど愛して」に載せてC・カルディナーレが世界中に知れ渡った映画でもある。庶民的な顔立ちのC・Cも良いが、E・R・ドラゴの知性溢れる美貌振りが忘れられない。
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