晴れ、ときどき映画三昧

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『世界最速のインディアン』 80点

2009-07-15 15:28:46 | (欧州・アジア他) 2000~09

世界最速のインディアン

2005年/ニュージーランド=アメリカ

心温まるロード・ムービー

総合★★★★☆ 80

ストーリー ★★★★☆85点

キャスト ★★★★☆90点

演出 ★★★★☆80点

ビジュアル ★★★★☆80点

音楽 ★★★★☆80点

「13デイズ」「リクルート」のロジャー・ドナルドソンが伝説のライダー、バート・マンローを描いた心温まるロード・ムービー。
<インディアン>とはハーレー・ラビットソンと並ぶアメリカのバイクのこと。バート・マンローはニュージーランド南端インバカーギルと言う田舎町に住む実在の熟年ライダーで、愛車は20年型インディアン・スカウト。ジャック・ニコルソンが熱演している。
憧れの聖地は米ユタ州ボンヌヴィルのソルトフラッツ。毎年8月世界最速レースが開かれる。
前立腺と狭心症の持病のある63歳のバート(J・ニコルソン)はガールフレンド・フラン(アニー・ホイットル)のアドバイスで、自宅を担保に銀行から借金をして地球の裏側の聖地を目指す。早朝から爆音を鳴らしたり、庭のレモンの木に小便し、雑草の苦情にガソリンを撒き消防車騒ぎになったり人騒がせな老人なのに何故か憎めない人柄。とくに隣家の少年トム(アーロン・ジェームス・マーフィ)はバートが大好き。この辺りは「老人と海」と同じパターン。地元の不良ライダーがカンパするあたりからハートウォーミングのオンパレード。
貨物船にコックとして乗り込み不当出国しながらロスの税関係官をはじめ、モーテルの女装のフロント係ティナ(クリス・ウィリアムズ)、中古自動車屋フェルナンド(ポール・ロドリゲス)、砂漠の真ん中の先住民、ベッドをともにする未亡人エイダ(ダイアン・ラッド)など何れもいい人ばかり。
ドナルドソン監督は’71に生前のバート・マンローのTVドキュメンタリーを手掛ているだけに逸話は知り尽くしていて、フィクションであってもまるっきりの作り話ではないだろう。J・ニコルソンは68歳の老齢?に鞭打ってこのエピソードを納得の演技ぶり。とくに初対面のどんな相手にも偏見を持たず自ら名前を名乗り、にっこりと笑顔を見せられると相手は人柄に魅了され手助けしてしまう。
顔にシワがあっても「心はいつも18歳」という彼の言動はとても真似はできないが、トシを取っても夢を叶えるために続けることの素晴らしさを教えられた。



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