月蒼くして
1953年/アメリカ
D・ニーヴンのキザな台詞に喰われた
shinakamさん
男性
総合 80点
ストーリー 80点
キャスト 85点
演出 80点
ビジュアル 80点
音楽 80点
F・ヒュー・ハーバートの戯曲を自身が脚本化した。N.Y.エンパイア・ステート・ビルで出会った男女のラブ・コメディで、監督はオットー・プレミンジャー。ラブ・コメディといえばキャメロン・ディアスだが少し前までの女王はメグ・ライアン。本作はトム・ハンクスと共演した「めぐり逢えたら」(’93)、ウォーレン・ベイテイ、アネット・ベニング主演「めぐり逢い」(’94)の舞台設定のお手本でもある。
公開当時過激な台詞のオンパレードで不道徳な映画としてカトリック協会から上映禁止を迫られたとか。日本でも映倫未許可作品である。いま見ると何処が問題なのか首をかしげるほど。ヒロインパティ(マギー・マクナマラ)が<キスならかまわない>とかバージン、SEXなどという台詞がモラルの崩壊と騒ぐ要因なのか?それほど女性のタブーが多い時代だったのだろう。
パティは清純でウブなのか?カマトトですれっからしなのか?危うい22歳の女優の卵。彼女を追いかけるのは独身の建築士ドン(ウィリアム・ホールデン)。プレゼントをキッカケに食事を誘うという典型的なプレイボーイ。案の定、同じアパートの婚約者?シンシア(ドーン・アダムス)に見つかってしまう。
シンシアの父、デヴィッド・ニーヴンがドンを上回るプレイボーイぶりを発揮する。娘の心配はそっちのけでパティに600ドルをプレゼントして気を誘う。いちばんのはまり役でキザな台詞のオンパレード。極めつけが「私も魅力はあるが、節操のない男といわれる」
ウィリアム・ホールデンは30歳の役柄にしては老け過ぎて無理があった。どうもコメディはぴったりこない。M・マクラマンは、オスカーにノミネートされたが、「ローマの休日」と同じ年だったのが不運だった。
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