・逞しい女性たちの人間賛歌。
スペインの奇才ペドロ・アルモドバル監督・脚本で、カンヌ国際映画祭・監督賞、米アカデミー・外国映画賞を受賞した。
ゲイの夫と別れひとり息子を失ったマヌエラ(セシリア・ロス)を中心に、マヌエラの夫の子を妊娠したシスター・ロサ(ペネロペ・クロス)、薬物中毒の若手女優なしでは生きて行けない大女優マリサ・パレデス(ウマ・ロッホ)の3人による必死で逞しい生きザマを描いている。
「欲望という名の電車」の映画・劇が巧く絡んでいて、登場人物が性倒錯・薬物依存など異常な世界に身を置くだけに、真実の愛を観て欲しいという暗示なのだろう。
その代弁者が、顔と胸を手術して街娼で稼ぐアントニア・サン・ファン演じるアグラードで、主役たちを完全に喰ってしまう。
ひとり息子を亡くしたマヌエラがロサの息子を育て、エイズ感染の危機から免れそうなのが救いで、観ていてほっとさせられた。
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