国は毎年度、民間の給与実態を調査した上で「人事院勧告」を行っており、地方公務員の給与は、これに大きな影響を受けます。
これは、もちろん西宮市も同様の話。
一方で、現在の厳しい財政状況の下、同等の職位で、国家公務員より高い給与水準にある職員まで昇給させるべきではない!と、私は思っています。
なので昨年、提案された全ての職員の給料を挙げる趣旨の議案に、我が会派は反対しました。
が、議案は賛成多数で可決されてしまいました...
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しぶやの市政報告77号×裏面@2024年4月発行
一方で、私が抱える問題意識は、今も全く変わっていません。
だからこそ私は、昨年12月議会で「同等の職位で、国家公務員より高い給料水準にある場合、人事院勧告を反映する際でも改定は行うべきでないと考えるが、市の見解はどうか?」という質問を行いました。
そして、市からは「人事院勧告を踏まえた給与制度の見直しを実施する場合においては、人事院勧告の改定趣旨とともに、財政構造改善に向けた取組の観点や、議会からいただいているご意見を踏まえ、総合的に判断してまいります」という答弁を得ました。
けれども結局、市はこの3月議会で、全ての職員の給料を上げる議案を提出してきました。
昨年12月議会の質疑の最後で、私は
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本市には同等の職位でも国家公務員より高い給与水準にある職員が多く存在します。
前回のように、こうした職員も含めてすべて昇給させるようなことには到底賛同できません。
市が前回の人事院勧告と同じ姿勢で改定に臨むなら、今後、様々な議案や市政課題に対する私共会派の主張や行動に重大な影響を与えることを、この場で指摘しておきます。
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と述べました。
にも関わらず「同等の職位で、国家公務員より高い給料水準にある職員も含めて、全ての職員の給料を上げる!」旨の議案が、今議会で提出されてきた。
ならば私としては、具体的な行動に出るしかないですよね。
というわけで本日の総務常任委員会において、市が提出した議案に対する修正案を提出しました。
提出理由は、以下の通り。
■■■■■
今回、提出した修正議案の目的は、市における行政職給料表の最高号給を、国の行政職俸給表における最高号給と同水準にすることにあります。
きわめて厳しい財政状況の中、市は市民生活に直結する様々なサービスについて、国や他市の水準と比較して手厚いものを削減する姿勢で臨んでいます。
一方で、市職員の給料については、国や近隣他市と比較して高い水準にあるものについても人事院勧告の内容を反映するという理由で増額改定しようとしています。
しかしながら、そもそも閣議決定された「公務員の給与改定に関する取扱いについて」には「地域における国家公務員または民間の給与水準を上回っている地方公共団体にあっては、その適正化を図るため、必要な措置を講ずるよう要請する」と明記されています。
こうした背景を考えた時、今回、市が提案してきた内容は到底、市民の理解を得られるものではありません。
加えて、本市の給料表が抱える重大な問題の一つとして、一部の級において号が著しく多く、昇級しなくても給料が上がり続ける結果、職位と給与の逆転現象が多々起きているという現実があることを長年、会派として指摘、市に必要な対応を求めてきましたが、適切な対応はなされませんでした。
よって今回の提案に至ったものです。
■■■■■
具体的には、
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●市から、公務員の給料を規定する給料表の改定内容が示された
→そのうち、特に問題が多い3級(=いわゆるヒラ)・4級(=係長)を以下、抜粋
●市が提案してきた内容が、以下の給料表の「改訂後」「給料月額」の部分
→私が提案したのは、そのうち青部分を削除する
-----
というものです。
↓
ここで注意が必要なのは、上の金額はあくまで公務員の給与制度で言うところの「給料」であるというところ。
西宮市の場合、これに地域手当と係長(4級)には役職手当が加算されます。
なので実際の月給の上限額は
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●3級で403.332円
●4級で498,948円
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となります(残業代はこれとは別なので、更に上積みの可能性あり)。
なので3級だとザックリ年収は600万円台半ばですし、4級だと800万円台半ばに到達します。
いや、十分でしょうよ、これだけあれば...
この内容について、総務常任委員会では「この内容は労使交渉の結果、まとまって提出されてきたものであり、これを否定することは今後の労使間の関係や交渉に重大な影響を与える。越権行為ではないか?」という趣旨を含め、様々な質疑や意見を頂きました。
でも私から見れば、ここまで厳しい財政状況の中、同等の職位でも国家公務員より高い給与水準にある職員さえ昇給させることは、労使関係より重視すべき市民と市政の信頼関係を毀損する行為だと思っています。
そして、市(=労使間交渉の結果)に任せてきた結果がこうである以上、行動せざるを得ないと考えました。
・・・つうか財政難を受けて、市民サービスを切りまくっている中、「全職員の給料を例外なく上げる!」と考える感覚自体が、私には到底、理解できません。
本来なら(いわゆる)ボーナスはもちろん、給料のカットだってあってしかるべきレベルの話だと思うんですけどね。
採決の結果、日本維新の会 西宮市会議員団・啓誠会所属議員の皆様の賛同を得て、委員会では採決されました。
ご賛同頂いた皆様に、この場をお借りして、心から御礼を申し上げます。
(公明党議員団所属議員は委員長のため、採決に参加していません)。
この結果を受けて、21日の本会議に臨むことになりますが、現段階では情勢は甚だビミョー。
可決されれば、おそらく全国的にも例を見ない議会としての意思表示ということになるでしょう。
そして、その行動の結果が市政に直接反映され、今後の市政運営にも大きな影響を与えることになります。
最後の最後まで、決意を持って行動してまいります。
それでは今日のブログは、これにて失礼いたします。
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また、昨年3月本会議での賃上げは、適正化が事後条件で承認、と記憶しています。
それを、労働組合との関係を理由に反故にするとしたら、押し切る労働組合に怒りです。それを支援する某党市会議員団も。
それぞれ立場と考えがあろうと思いますし、そこについて私が言うことは難しいですが、お気持ちは私なりによく分かります。
私としては、これまでの経緯がありながらの市の行動に、厳しい姿勢で臨まざるを得ないと考えています。
本会議で可決され、提案内容を現実のものとできるよう最後まで、力を尽くしてまいります。
コメント頂き、ありがとうございました。
時勢を鑑みますと、人件費の抑制と若手職員の待遇向上を両立させる必要を感じます。民間の賃上げに合わせて、これからの市政を担う人材の待遇を向上できなければ、財政は安定しても優秀な人材が定着しないのではないでしょうか。その為にも,常々仰られているボリューム層の給与向上の停止が必要ということでしょうか。
しぶや様はこの辺りについてどのようにお考えでしょうか。お忙しい中恐縮ですが、お答えいただけますと幸いです。
いつも記事をご覧頂いているとのこと、ありがとうございます!
まさに、ご指摘の通りの思いを持っています。
今回、市が提示した案では、国の給料表には存在していない青の部分についても昇給させています。
その結果、別のブログで述べていますが
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●同一級における給料の上昇率を、若手が多い1級・2級・3級の職員で比較すると
→1級の上昇率が国で最大14.1%なのに対して、西宮市は12.0%と西宮市が2.1%低い
→2級の上昇率は国が最大10.6%なのに対して西宮市は9.3%と1.3%低い
→3級では国が最大8.5%なのに対して、西宮市は6.3%と2.2%低い
↓
いずれの級においても、西宮市の上昇率は相対的に低い
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ということになっています。
これでは「これからの市政を担う人材の待遇を向上」させることはできません。
こうした状況を正すためにも、今回の取組に代表されるような具体的取組を進めていくべきと考えています。
よりよい市政を実現するため、今後とも取り組んでまいります。
コメント頂き、ありがとうございました。