あー、とうとう、「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」を
読み終えてしまった。。。
こら、「義珍の拳」以来、久しぶりの、このジャンルでの殿堂入りか?
と、どうでもいい趣味の話はさておいての本題。
えらい長いことほったらかしてしまった、標題の話の続きです。
前の話では、主に、
「市の職員さんが産業振興に対する適性を持っているんだろうか?」
という観点からの話を書いてみました。
ですが、この続きは、もっと違う観点からの話です。
産業振興と一言でくくっても、色んな観点からの話があります。
で、その中で、最も大きいものは、
○政府・国家が
○次代の日本を牽引する産業部門を見つけ出し、
○当該産業に対して補助金を支給するなどの手段で、
保護・育成しようとする
いわゆる「産業政策」だと言えるのではないでしょうか。
マスコミさんの論調なんかでも、
「こういうところに力を入れるべきだ!」
的な話は多いと思っています。
でもね、私、個人的には、こうした政府の活動にも、
きわめて否定的なのですよ。
仮に、風力発電業界(別に、太陽光発電でもなんでもいいのですが)が、
今後、大いに発展する産業だとした場合、当然、多くの民間企業が、
ほっておいても、その業界に参入するはずです。
なにせ、日本には1万以上の大企業、50万以上の中堅企業、
300万以上の小企業があるのですから(中小企業庁・調査)。
それだけ多くの企業と、そこに努めている数多の企業人が
気付かないにも関わらず、お役人さんだけが、
「この産業が、今後、発展する!」
と気付く産業ってあるんかいな???
と思わずには、いられないわけで。
百歩譲って、見つけられるとしても、それならそれで、
「数ある企業の中でも、この企業こそが有望だ!」
と目利きすることなんか、できるんかいな???
という疑問が、わいてきます。
経済学の分野に重要な考え方は色々とありますが、
その中のとても重要な考え方の一つが、
「自由な取引環境の下で、自由な競争が行われたとき、
経済は最も効率的なパフォーマンスを示す」
というものです。
逆に言うと、本当に産業を振興したいのであれば、
そうした条件を満たす「自由な市場」をつくることこそが重要であり、
そのために尽力することこそが政府(地方自治体も含めて)が
やるべきことだという話になります。
そのために、政府(地方自治体も含めて)ができることは、
大きくは二つに集約されます。
一つは、公的企業の民営化に努めることであり、
もう一つは規制緩和を進めることです。
同年代以上の方々の中には、
旧電電公社時代、東京-大阪間の電話料金が3分400円だったことを、
ご記憶の方々も、多いかもしれません。
で、そこらへんのサービスが、民営化後、どうなったかについては、
今更いうまでもないですし、
「今から、国営に戻すべきだ!」
ということをいう人もいないでしょう。
そもそも、電電公社が国営のままであった場合、
携帯電話がこんなに普及することさえなかったんではないかいな?
と思いますし、そうであれば、グリーやらモバゲーやらが、
ここまで成長することもなかったわけで。
これらは、いかに公的企業の民営化が、
産業振興という観点から重要かということを
如実に示している例だと言えます。
これは、もっと、幅広い分野についてもいえることです。
(ただし、市場による、自由な競争にまかせておいても、
効率的な環境にならない場合も存在します。
こうした事態のことを「市場の失敗」と呼び、大きくは
自然独占が発生しているとき・外部性が存在するとき・
情報の非対称性が存在するときの3つが挙げられると言われています。
ここらへん、書いていくと、長くなりすぎるので、
興味のある方はネット上で検索していただければと思います。)
で、なんやかんやと書いてきましたが、
私、地方自治体の産業振興も、本質的な問題は一緒だと思っています。
だからこそ、職員さんの適性の話以前の問題として、
「市が、今後発展していく産業や、埋もれているサービスを探し出して、
産業振興につなげていくのだ!」
的な話は、本質的に無理があると思っています。
酒蔵ルネッサンスやら、B-1グランプリやらのような、
「多くの方に、それを見つけていただくための場を作るのだ!」
的な話は、まだしもですが。
本当に産業振興したいなら、むしろ、要らん市の関与は減らした上で、
民営化できるものは、どんどんしていくというのが、本来の道だと
思うんですよね。
市がやらんでもいいのに、やってるようなこと、一杯ありまっせ、
プールとか駐車場とか。
病院かって、そうちゃうの???と。
という、素直な気持ちを書き綴ってみたブログでした。
それでは失礼いたします。