あきない世傳 金と銀 十 合流篇 高田郁(著)2021年2月発行
江戸で頑張って江戸小紋を開発売り出した五十鈴屋だったが、妹の裏切りなどで
呉服仲間から外され、太物しか商うことができなくなり困難に耐える「幸」。
しかし、それにもめげず幸たちは、買い求めることが可能な価格の木綿で、
江戸の庶民にも気軽に喜んで着てもらえるような紺地の浴衣地製作を目指すことに。
デザインは賢輔が、型彫師の梅松、誠二、型付師の力造と頼もしい専門の職人達の協力を
得ながら、夏の花火をモチーフにした独自の浴衣地を作る。
本篇ではその浴衣地製作の過程が描かれ、夢を胸に秘め困難に立ち向かう幸と従業員、
職人たちの苦労や絆の強さが描かれている。
今回も、安定感に溢れ、望み通りの展開となっています。
わがまま母
本書案内文を転記
— 呉服太物商でありながら、呉服仲間を追われ、呉服商いを断念することになった五十鈴屋
江戸本店。だが、主人公幸や奉公人たちは、新たな盛運の芽生えを信じ、職人たちと知恵を
寄せ合って、これまでにない浴衣地の開発に挑む。男女の違いを越え、身分を越えて、
江戸の街に木綿の橋を架けたい・・・そんな切なる願いを胸に、試行錯誤を続け、懸命に精進
を重ねていく。両国の川開きの日に狙いを定め、勝負に打って出るのだが・・・。
果たして最大の危機は最高の好機になり得るのか。五十鈴屋の快進撃に胸躍る、
シリーズ第十弾! —