ブラックアウト コニー・ウイリス(著)2012年8月発行
SF娯楽小説の2段組み730頁超の大作です。
作者は当代SF界随一の語り部で、数々のSFの賞を総ナメにし、
本書も、ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞の三冠を達成、
だそうである。(SFに疎い私は初めて読んだが)
タイムトラベラーの話と知り、どうしようか迷ったが、
「歴史冒険小説として読んでも面白い」という解説もあったので
チャレンジしてみた。
お話は、
2060年、オックスフォード大学の史学生3人が、1940年第2次大戦下の
英国の現地調査に派遣される。
一人は郊外の屋敷のメイドとして疎開児童を観察し、
もう一人はロンドン市内のデパートの売り子として勤務しながら
ロンドン大空襲のなか灯火管制(ブラックアウト)下の市民生活を
体験し、
男子学生一人は、あの有名なダンケルクの撤退を米国人記者となって
戦争現場を経験する。
予定では、それぞれが自分のテーマとする調査を終え無事2060年に
帰還するはずだったのだが、、、。
“史実”にはないことが起こり、彼等はあり得ぬ現実に混乱と不安に陥る。
原因のわからぬまま、帰還が出来なくなってしまった彼等の運命は如何に、、、。
終わり方がこんな具合なので、
本書は、あくまで前編で、すぐに後編が刊行されるのでしょう。
戦時中のイギリスの様子が詳しく描かれているため、
確かに歴史好きとしては面白いのですが、
物語としては、なんかすごくイライラさせられ楽しめませんでした。
3人がいつもいつも降下点、降下時、ばかりを気にしていることや、
作者の意図なのでしょうが、話の転換がめまぐるし過ぎて
気持ちが話に乗っていけずじまいでした。
そんな感じで、個人的にあまり楽しむことが出来ませんでしたが、
玄人的には本書の評判はとても高いようです。
わがまま母