遊び人親子の日記

親子で綴る気まぐれ日記です。

アメリカ下層教育現場

2009年02月26日 16時44分51秒 | 読書
      アメリカ下層教育現場    林壮一(著)2008年1月発行

  なんとも言いようのない・・・という気持になったアメリカの教育現場の
  ドキュメントです。
  一人の日本人が、アメリカの底辺部にいる子供たちとの学校という場を
  通して触れ合い、見て、感じて、試行錯誤した話なので、現場の雰囲気や
  子供たちの変化が近くに感じられました。
  それにしても、「荒れている」なんていう状況は越えていて、
  「すさんでいる」とでもいうのか、「救いがたい」というべきか、、、、
  「希望」のない社会、家庭に生まれ育つということが、いかに人を無気力に
  してしまうものか、とつくづく悲しくなりました。
  しかし、これはアメリカだけ話ではないですねぇ。
  日本の社会だって「希望」が持てない状況だし、モンスターペアレントの
  問題、学級崩壊、教師の鬱病、、、などなど教育現場は大変なのだ。
  著者は、厳しい教育環境下で、アメリカの高校で教師を経験し、
  「ユース・メンターリング」のボランティアとしてヒスパニック移民の
  小学生とも関わる。
  この本は、絶望的状況を踏まえた上で、絶望的な環境にある生徒達にも
  「希望」を抱いて生き欲しい!という彼の真摯な熱意、そんな彼の誠意は
  一部の生徒には伝わって、かすかな灯りがともったように思えたが・・・。
  この本を読んで、近い将来の日本の教育環境もこんな風になっているのでは
  ないのか?という危惧を感じたのだが、危惧で終わって欲しいものだ。
  
  本の内容は、扉の案内文を写した方はよさそうなので、、、
  ━アメリカ在住ノンフィクションライターである著者は、恩師に頼み込まれ
   高校の教壇に立つことになった。
   担当科目は「JAPANESE CULTURE(日本文化)」。前任者は、生徒達の
   あまりのレベルの低さに愕然とし、1ヵ月も経たないうちに逃げ出して
   いた。そこは、市内で最も学力の低い子供たちが集まる学校だった。
   赴任1日目、著者が見にした光景は、予想を遥かに超えていた。
   貧困、崩壊家庭と、絶望的環境のなかで希望を見出せない子供たちに、
   著者は全力で向かい合っていくが・・・。
   子を持つ親、教育関係者必読のノンフィクション。━

  それにしても、著者の熱意、行動の源を考えてみると、彼のそれまでの
  様々な仕事の経験が大きなポイントになっていることがわかります。
  私は個人的に、教師を志す人は、先生になる前に、もっと色んな職業に就き
  経験を積んでから生徒と向かい合うべきなのではないか、と
  常々思っているのですが・・・。
  予想通りの面白いノンフィクションで、既に育ってしまった子を持つ親で、
  全く教育には関係のない者ではありますが、勉強になりました。

    わがまま母

  
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