できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

今日(9月29日)のプリキュアの話です。

2019-09-29 09:32:16 | プリキュア話

先ほど今朝のプリキュアを見ました。さっそく、コメントしておきます。

今回の話は、星空連合の視察員・サボローが地球を調査に来るので、プリキュアたちが案内するというもの。母親が通訳の仕事をしていて、よく外国人をいっしょに案内しているというエレナ(キュアソレイユ)が、サボローの案内役を引き受けるんですが…。実は本物のサボローは別の星で仕事をさぼっていて、実際に地球にやってきた宇宙人は別人でした。そこでさて、プリキュアたちはどうする…というのが、主な話の流れでした。

それでですね…。このサボロー(ただし別人)が、実はサボテンのかたちをした宇宙人で、言葉を話せないという設定になっています。エレナはサボローが身振り手振りで伝えようとしていることを理解し、返事をしていきます。からだの隅々にまでとげがあって握手ができないこと、植木鉢上の足から水分を補給したいから池に行きたいこと、等々。

ここまでは「おもてなしは順調」ということで、エレナは自分の父親(=メキシコ人です)が営んでいる花屋にサボローをつれていきます。ところが花屋に行ったサボローは、切り花として売られている数多くの花を見てショックを受け、宇宙船のなかに引きこもってしまいます。

エレナは「植物型の宇宙人にとって、お店で切り花を売っているというのは、ショックだったかも。怒らせてしまったかも」と落ち込みます。そんなときに、通訳をしている母親が「英語やスペイン語ができても分かりあえないことはある。だからこそ、もっとよく相手を知らないと、理解しようとしないと」と声をかけます。

一方、プリキュアたちはララ(キュアミルキー)の宇宙船に入った連絡で、星空連合の本当の視察員は別の人で、いまはちがう星で仕事をさぼっていることを知ります。どうやらサボローはたまたま地球に来た異星人のようなのですが、エレナは「サボローは地球で友達になりたかっただけ、サボローにあやまりたい」と言い、サボローの宇宙船に行こうとします。

ここで…。無言なんだけど、大事なシーンが挿入されます。サボローが自分の宇宙船でいろんな星々をまわるのですが、行く先々で誤解や偏見のまなざしにさらされ、星を追われる姿です。これって、すごいですよね。日曜日朝の子ども向けアニメでこんな場面が、しかも、無言で挿入されるなんて。

ただ、地球に来てもひとり宇宙船に引きこもったサボローのところに、テンジョウとノットレイダーたちがやってきます。サボローの傷ついた気持ちを使って、またまた怪物を創り出します。そこへプリキュアがやってきて、変身して、最後は5人と妖精フワの合体技を出して…という展開で終わりを迎えるわけですが。まぁ「ことばは届かないかもしれない。でも、分かりあえないからといって何もしない。そんなのはいやだ」というキュアソレイユ(エレナ)が、今回のたたかいの中心になるわけですが。

そしてラストの場面です。サボローが宇宙船で地球を旅立つときに、エレナは「地球では大事な人に、心をこめて花を贈ることになっている。でも、サボローの気持ちに気付いてあげられなくて、ごめんなさい」と謝ります。一方のサボローは、自分のからだ全体からとげをひっこめ、サボテンの花を咲かせて、一輪、エレナに渡します。そして「友達にいっぱい出会えるといいね」というエレナに見送られて、サボローの宇宙船が飛び立つところで、今回の話は終わりました。

それにしてもまぁ、言葉の話せないサボテン型異星人・サボローというキャラ設定をうまく使って、子どもたちに異文化理解のむずかしさと大切さの両方を伝えようとする…。しかも、言葉が話せないサボローの苦労を、無言のシーンを挿入することで伝えようとする。そんなところに「またまた、東映アニメーション、やってくれるじゃ~ん」という思いを抱いたのでした。

それでですね…。次回予告を見ると、どうやら生徒会選挙にひかる(キュアスター)が立候補する話になるようですね。この生徒会選挙ネタも何度か過去のプリキュアで登場しているんですけど…。ただ、今回はまどか(キュアセレーネ)が生徒会長なんで、その「引き継ぎ」ということが絡む話になるようです。あと、しばらくの間は前回、今回、そして次回のように、プリキュアたちの中学校での日常生活に近づけた話を展開させるようですね。

ということで、今日のプリキュアの話、おわります。