経営のうまくいっているとある老舗企業A社に、ある日突然、市場での株の大量買い占めによって、経営権を乗っ取ろうとする人たちのグループBがでてきました。また、その経営権を乗っ取るグループBは、最終的にはそのA社をいくつかの子会社C~Zに分割して、それぞれの子会社を売却しようと考えていました。そこでA社の重役と支社長・工場長クラスの幹部社員は、この経営権乗っ取りを阻止すべく、主要な取引先や株の持ち主などに働きかけて、このBへの株売却の求めなどに応じないよう求めてきました。
しかし、グループBによるA社の株式大量買い占めは成功し、いよいよA社の経営陣は総退陣、Bのメンバーが新たな経営陣として乗り込んできました。そしてBは外部から顧問を招き、A社の旧経営陣や幹部職員の不正を暴く調査を行ったり、A社の労働組合を徹底的に抑圧する措置をとりはじめました。「我らBの経営に従わない社員は、たとえ幹部といってもクビか、左遷だ!」「我らに逆らった以上、リスクは負っていただく」というのが、Bが送りこんだ新社長の方針でした。
その際、Bが送りこんだ新たな経営陣にとりいるべく、最近、A社の非正規で採用された社員が、労働組合の不正をものがたる資料を持ち込んできました。Bの経営陣は「これぞまさしく、我々が求めた資料だ!」と思いこみ、マスメディアを通じて、A社の旧経営陣や幹部職員、労働組合を攻撃しはじめました。また、Bが呼んできた外部の顧問も、この資料を参考にして、さらなる調査を行うことにしました。
ところが後日、この資料が「ねつ造」によるものだということがわかりました。当然、労働組合は猛烈な抗議を行います。また、それまでの不正追及の方法があまりにも問題が多いものだったので、Bの外部顧問による調査にも、それを指示したBの経営陣にも、各界から抗議の声があがりました。Bの経営陣は、各界からの抗議の声に徐々に追い詰められ、徐々に対応に苦慮するようになりました。そこで今度は、Bの経営陣が来る以前の問題を蒸し返して、A社の旧経営陣や幹部職員がBの乗っ取り阻止のために動いていた事実をあえて出してきて、「ほら、こんなにA社の社員たちの動きはひどかったのだ」と、マスメディアに示して、抗議の矛先をそらすことにしました。
・・・・いかがでしょうか、この話。どこかの自治体に似てますか?