できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

伝えられていない部分をどう見るか?

2008-04-27 12:58:21 | ニュース

このブログ開設から1万回アクセス達成のお知らせをして以来、またしばらく、更新が途切れました。ひさびさに、思うことを書いておきます。

さて、この数日更新が途切れている間も、私のところには、たとえば大阪府の財政改革プランにかかわって、人権問題や保育系の研究団体や、労働問題に関する資料センターなどへの助成金、府下の各自治体に設置されている青少年関連施設の連絡協議会への助成金などの削減の話が伝わってきています。

また、確か昨日の朝日新聞だったかと思いますが、大阪国際児童文学館の府立図書館への統合の話にかかわって、マンガ研究の関係者などからも反対の声があがっているという記事が出ていたように思います。

そして、このブログでも紹介したとおり、たとえば識字教室関係者や精神障害者の権利擁護事業の関係者など、多様な立場から、大阪府の今の行財政改革の方向性に対して、抗議の声があがってきています。

こうした声がどれだけ今後の大阪府の施策に反映されるかわかりませんが、もっといろんな方向性から反対・抗議の声があがってくることを期待しています。そして、そうした反対・抗議の声が、何らかの形で今後の大阪府の財政再建プランづくりに反映されることを願っています。私も微力ですが、できる限りのことをしてみたい、と思います。

ところで、この話は前にも書きましたが、たとえ財政状況が苦しくて、既存の行政施策を見直して整理・縮小しなければならないとしても、そのときに何を、どこから整理・縮小するかについては、その時々の行政当局の責任者や施策担当者の意向がいろんな形で反映します。

たとえば、先日、あるテレビ番組で、橋下知事が物流ターミナルのようなところに出かけ、その出資法人(府の外郭団体だったかと思いますが)の責任者と話し合う場面が放映されていました。こうした流通関係の施設などの産業振興の取り組みから府の施策を整理・縮小するのか、それとも、保育・子育て支援や医療などの住民生活に密着した施策から整理・縮小するのか。あるいは、何百億や何千億という単位で多額の負債を残して破綻した第三セクターの事業や、投資した経費が帰ってくる見込みのないほど無残に失敗した大規模土地開発事業の整理に着手するのか、それとも、府民の権利保障にかかわる、わずか年数十万円~数百万円程度の小さな助成金を切っていくのか。ここには、府政運営に関する行政の責任者・担当者の価値判断などがいろんな形でかかわっているはずです。

私としては、今、発表されている公的施設の整理・縮小案や、外郭団体や民間研究団体などへの助成金削減案などの裏で、大阪府がどんな行政施策を守り、残そうとしているのか。そこを守り、残そうとする理由はなんなのか。その部分もまた、とても気がかりです。

でも、今は私のところにそうした情報ばかり集まるせいか、どうも大阪府政の財政再建プランというのは、こうした公的施設の整理縮小案や外郭団体・民間研究団体などへの助成金削減案が主に伝わってきて、その裏で「残そうとしている施策」に関する話が伝わってきませんね。いろんな施策や助成金を切っていった結果、大阪府は何を残し、どんな自治体になっていくつもりなのか。そこも詳しく、マスコミは報道してほしいなぁ、と思いますね。

これと同じことは、大阪市政に対しても言えるのですが。なにしろ、この府政改革案づくりにかかわっている大阪府の特別顧問のある方は、大阪市政改革にも強い影響を与えた方のようですから。

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