tyakoの茶の湯往来

日常生活の中から茶道の事を中心に、花の事、旅の事、そして、本や写真の事など、気ままに書いて見ようと思ってます。

源氏物語をお茶室に

2011-08-20 18:57:12 | 茶の湯
今日も過ごしやすい一日でした。昨日に続いて源氏物語を少し書いてみようと思います。
この物語を図案化したものに、源氏香というものがあります。


源氏香蒔絵棗 胴と蓋に源氏香が描いてあります。

客 お棗は   
主 源氏香蒔絵でございます。
客 お塗りは
主 謹斎でございます。
客 お茶杓のお作は
主 大亀老師の作でございます。
客 ご銘は
主 「昔語」でございます。
客 ありがとうございました。

このような会話から、お茶席の道具組などを想像いたします。このお席は「源氏物語を趣向にしての席だろうな・・」こんな風に、連想ゲームのように思いを巡らせて考えますと、お茶が、もっともっと楽しくなります。

源氏香も組香(数種の香を聞き分ける遊び)から生まれたもので室町時代に、茶道や華道などと同じ頃確立されたそうです。
組香は、和歌や物語などの主題によって香を組むもので、文学との繋がりが非常に強く、それだけに優雅な遊びになったといわれております。中でも、源氏香の人気が高く江戸時代には大変な流行り方だったそうです。

源氏香遊び方
使用される香は5種類で、各5包ずつあり、合計25包を用意します。
(右から左に向かって1.2.3・・・番目の香を表している)焚かれていく香を聞き、同じ種類の香を判断して縦棒同士を、横棒で繋ぎます。
例) 1番目は異香、2番目と3番目が同香、4番目と5番目が同香 → 「松風」になります。
25包の香を5包ずつ聞くので5回繰り返して行われ、こうして出来あがった図案を源氏物語の巻名で答え、正解率を競い合うといったゲームのような遊びです。

                     
                
棗の胴(松風)  棗の蓋(梅枝)  棗の蓋(野分)  棗の蓋(竹河)

例題のようにして行くと、「梅枝」は2番以外は同香ということになります。また、「野分」は、1番目と2番目が同香、3番目は異香、4番目と5番目は同香ということになります。そして、「竹河」はちょっと見え難いですが、1番目と5番目が同香、2番目、3番目、4番目が同香となります。
中々優雅でもあり面白い遊びです。

組み合わせのパターンは52通りあるので源氏物語の54帖のうち、第1巻の「桐壺」と最終巻の「夢浮橋」を除いた52帖の巻名が、それぞれの図案に付けられています。

源氏香の図は、その芸術性の高さから、着物や帯そして棗や茶碗、重箱などの道具類から、中には家紋として使用している家もあるそうです。

明日は泊まりで出かけますのでお休みします。



コメント
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