アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
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「防衛(軍事)」強調する小池知事にどう対抗するのか

2024年06月20日 | 都知事選
   

 20日の告示を前に、日本記者クラブ主催で、東京都知事選に立候補を予定している小池百合子都知事、蓮舫氏(参院議員)、石丸伸二氏(前安芸高田市長)、田母神俊雄氏(元航空幕僚長)の4氏による共同記者会見がおこなわれました(写真) 。

 冒頭、最も訴えたいスローガンとして小池氏が書いたのが、「首都防衛」です(写真左)。小池氏がこの言葉を強調したのはこの日だけではありません。

小池氏は…今月12日の立候補表明後は、「首都防衛」というキーワードを繰り返し使ってきた。公約発表の記者会見でも、ミサイル到来に備えたシェルター整備など、安全保障への対応に言及。蓮舫氏との差別化を図り、保守層の取り込みを狙う意図が透ける」(18日付朝日新聞デジタル)。

 19日の共同会見では「ミサイル」「シェルター」については言及しませんでしたが、小池氏が前面に掲げる「首都防衛」に軍事的「防衛」が含まれていることは明白です。

 今回の都知事選が4年前と違う大きな特徴は、岸田政権による「軍拡(安保)3文書」の閣議決定(2022年12月16日)によって、敵基地攻撃能力保有、沖縄の自衛隊ミサイル基地化はじめ日米軍事同盟(安保条約)下で戦争国家化が一層進行している情勢下で行われることです。

 それはもちろん、首都・東京にとっても重大問題です。東京は横田基地、市谷駐屯地はじめ米軍・自衛隊の中枢が存在している都市です。
 また、「安保3文書」と関連して岸田政権が強行した「地方自治法改悪」は、有事において地方自治体を国の指揮下に置こうとするものであり、首都・東京がその中心になるのは必至です。

 小池氏はかつて(2007年)防衛相を務めたこともあります。安倍晋三氏が「安全保障、基本的な理念は(私と)同じだ」と小池氏を評したように(2017年9月25日の記者会見)、安倍氏と「理念」を同じくする軍拡・核武装・原発推進・差別主義者です(2017年10月2日のブログ参照https://blog.goo.ne.jp/satoru-kihara/d/20171002)

 その小池氏には、現在の日本の軍事情勢と今回の都知事選の関係が彼女の立場として理解できているのです。だから「首都防衛」を前面に掲げるのです。

 一方、蓮舫氏はどうでしょうか。19日の共同記者会見はもちろん、18日に発表した選挙政策(「七つの約束」)にも、「軍拡反対」「敵基地攻撃反対」「ミサイル基地化反対」「地方自治法改悪反対」などの文言はまったくありません。
 それは、蓮舫氏が日米軍事同盟を支持する立憲民主党の幹部(だった)ことと無関係ではないでしょう。

 これでどうして小池氏に「対抗」できるのでしょうか。
 蓮舫氏が選挙期間中「軍拡」「自衛隊ミサイル基地」に口をつぐむとしても、蓮舫氏を「最強・最良の候補者」(小池晃書記局長、5月27日)として支持・支援する日本共産党や「平和・民主陣営」まで都知事選で軍拡・安保問題を封印するのでしょうか。

 今回の都知事選は「首都防衛」ならぬ「日本の軍拡阻止」にとってきわめて重要な政治戦であることを銘記すべきです。

 なお、19日の共同記者会見を主催した日本記者クラブは、数多い立候補予定者の中から、なぜこの4氏を抽出したのでしょうか。とりわけ田母神氏を入れたのはなぜでしょうか。どういう基準で人選したのか、日本記者クラブは説明する責任があります。
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