アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
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日曜日記307・「学ラン」にみる軍隊由来の「学校文化」

2024年06月23日 | 日記・エッセイ・コラム
   中学、高校は詰襟の学生服が制服だった。その学生服のことを「学ラン」という。もっとも、私が中・高生のころは一般的な言葉ではなかったが。

 なぜ学生服を「学ラン」と言うのか? 「チコちゃんに叱られる」(7日放送)の問題だった。

 答えは、「学ラン」の「ラン」とはオランダの「ラン」。オランダの軍服がそもそもの由来だ。オランダの軍服はカラフルだったが、戊辰戦争で黒い軍服になり、それが学生服に継承された、というのだ(写真)。

 知らなかった。学生服の由来は「軍服」だったのか。中・高6年間、「軍服」を着て通学していたわけか。

 そういえば、女子生徒が着る「セーラー服」は、文字通り「水兵の服」だ。

 男子も女子も、多くの中学・高校の制服は軍隊(兵士)の服が由来というわけだ。

 制服だけではない。「ランドセル」もオランダの軍隊由来だ。しかも「ランドセル」は、嘉仁天皇(大正天皇)が皇太子時代に伊藤博文が献上したのが始まり、という天皇由来でもある(2023年5月14日のブログ参照)。

 考えてみると、朝礼、「キオツケ・ヤスメ・マエナラエ・ミギナラエ」の号令・整列…小学校からの学校の「規律」も軍隊に倣ったものではなかったか。講堂には「日の丸」が掲げられ、卒業式などでは「君が代」斉唱が強制される。これも軍隊・天皇制と不可分だ。

 軍隊仕様だけではない。男女の区別、役割分担を最初に教育されるのも学校だ。

 学級名簿は男女別で、たいがい男子が上(先)だ。入学・卒業写真は男女ではっきり分かれていた。中学の時は、「男子は技術、女子は家庭科」に分かれた。「父母会」はかつては「父兄会」と言っていた。

 こうしたジェンダー差別・男尊女卑の「学校文化」は、制服やランドセルの軍隊由来、軍隊式規律と無関係ではない。

 もちろん、軍服を意識して学生服やセーラー服を着ている生徒はいないだろう。しかし、だから問題ない、とは言えない。本人が知らない(無意識の)まま、国家が敷いた軍隊様式のレールに乗せられているのだ。

 軍隊由来、ジェンダー差別の「学校文化」は徹底的に改革しなければならない。

 幸い、制服もランドセルも見直し・自由化が進んでいる。もっと広範囲に、徹底的に「学校文化」の見直しが行われることを期待したい。

 それは、児童・生徒の意思が尊重され、教師の過重労働が解消され、教育委員会・校長の不当な管理を許さない、自由で民主的な「学校」づくりにつながるはずだ。

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