角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

ふるさとへ還る。

2012年10月26日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡六百円〕
黒ベースの組み合わせに、ピンクを考えたことはこれまでなかった気がします。それが「今日の草履」では、ベースのプリントにピンクの桜花があったことから挑戦してみました。これがなんとも可愛いですね。
「今日の草履」は、仙台市出身で現在札幌市でお仕事を頑張っている、二十歳代前半と思しき女性がお選びです。いつかはふるさとへ戻られるのでしょうかね。

角館草履の素材で重要なイ草は、熊本県八代市のイ草農家さんから送っていただいています。すると熊本県からお越しのお客様は、それだけでテンションが上がりますね。
旅先で予想もしない身近なモノに出会うと、妙に嬉しくなってしまうものです。それは誰しも、日常に「ふるさと」を想っているからじゃないでしょうか。

数日前にツアーでお越しのおばさまも、八代市にお住まいでした。おばさまは角館草履のイ草が八代産と知ると、『熊本県こそこういう草履を作ればいいのに…』。
おばさまの言いたいことはよく分かりますよ。地元の素材を使った商品開発は、まさにふるさとを想う心が重要ですからね。

今日のツアーも九州からでした。お買い上げくださったふたりのおばさまにお住まいを訊くと、おひとりは福岡県でもうおひとりが熊本県八代市といいます。すぐにイ草の話になって、大盛り上がりを見せましたよ。八代市のおばさまは、『八代のイ草が草履になって、ふるさとへ還るっていうわけねっ』。

わが家の長女が明日で、在学中の保育実習をすべて終えます。予想通り短大の二年なんてあっという間ですね。これからの冬場は、授業より卒業に向けての課題でしょう。その一番が就職活動です。

生まれ育ったふるさとへ帰り、恩返しの一歩が始められるかどうか。長女の人生にとって、ひとつの大きなポイントじゃないですかね。
コメント
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