角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

日本一の花火。

2011年08月28日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き〔四阡円〕
色の濃い組み合わせは、盛夏から秋への移行をイメージさせます。紺とエンジの相性の良さをそのままに、「和」が美しい草履に仕上がりました。

夏の終わりを感じるのは、日差しの力であったり、風の温度であったりします。あとは食卓に乗る食べ物にも見えますし、新聞の折込チラシにも現れますね。もうひとつ、「行事」が大きいんじゃないでしょうか。

昨晩は大曲の全国花火競技大会でした。昨日の朝から花火目的のお客様が間断なくお越しになり、今日はまた花火の感動をそのままにお越しの方が多数です。
北海道からお越しのご夫婦は花火の常連さんであり、角館草履の常連さんでもあります。『今年も来たよ~』と笑顔で手を振られると、「友あり遠方より来る」じゃないですけど、なんとも嬉しくなりますよ。

山形県からお越しのおばさま二人旅。実演を興味津々ご覧のうえ試し履きをされると、『よっしゃっ!』とばかりにご購入を決められました。お気に入りの配色を選んでいるお顔が、お二人共とにかく楽しそうなんですね。売主がこう言うのもナンですが、買い物というのはこうあるべきというお手本のようなお二人でしたよ。

お二人が花火会場へ出発したと思っていたら、10分くらいで引き返してお見えです。『どうかしました?』と訊いてみると、『やっぱり買っていこうと思って…』。どうやら米蔵の中にお気に入りを見つけていたんですね。

本当にお買い物が済むと、『あ~あ、なんか満足しちゃったなぁ』とおっしゃるので、『花火を観なかったらナニしに来たか分からないでしょ』と言うと、お二人とも口を揃えて『あらっ、もちろん草履を買いによっ!』。大爆笑で花火へと出発されました。

昨日西宮家から戻り早めの夕食を摂ると、家族で大曲へ出掛けました。花火好きの長女がまだ帰省中だったこともあり、ひとつの家族サービスですね。でも実際にあの花火を観てしまうと、家族サービスなんてことはすっかり忘れて見入りますよ。今日西宮家で出会った多くからも、「日本一」の言葉を聞かされました。

先の山形県のおばさまがあの花火を観たあとでも、当地へのご訪問は角館草履を買うのが目的と言ってくれたでしょうかね。答えの分かりきったことを考えるのは止しましょう。なんと言っても大曲の花火は日本一なんですから。

この花火が終わると、当地はまた一歩秋へと進みます。
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