角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

子どもも疲れる!?

2011年08月02日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ22cm土踏まず付き〔四阡円〕
おかめ・ひょっとこプリントを赤で統一してみました。目に刺さるようなケバい赤とは違い、元気をもらえるような楽しい赤と思います。夏には涼しげな青系も魅力ながら、辛い食べ物が欲しくなるのも夏。やはり赤は通年好まれますね。

北秋田市鷹巣からお越しのご家族。小学校低学年の男の子に、お父さんとお母さんの仲良し親子プチ旅行です。男の子が実演に高い関心を示し、お父さんとお母さんが米蔵の中へ行こうとしても動こうとしません。お母さんの『草履見せてもらう?』の問いかけに私も頷くと、男の子は安心したように実演を見始めました。

10分ほど経ってお父さんたちが戻ると、わが子が真顔で実演に見入る姿に感心しています。実はこうした光景は実演席で珍しくありません。ずいぶん前のブログでも触れた気がしますが、今の世の中で人の手によってナニかが出来上がっていく過程を見る機会は、まずほとんどないと言っていいでしょう。デパートでもホームセンターでも出来上がったモノは巷に溢れていますが、今まさに作っている最中というのはなかなか見られなくなってしまいました。

角館草履へ次第に関心が出てきたのがお母さんです。素材やら健康効果をご説明する中で、『土踏まずの刺激が疲れを取ってくれますから、ちょっと試してみません?』とお勧めすると、すぐに飛び込んで来たのが男の子でした。ずーっと見ていたのは俺だから、最初に履く権利も俺にある!と言わんばかりのスピードでしたね。

一番に試し履きをした男の子が発した一言、『あぁ~、疲れが取れる~』。お父さんやお母さんばかりでなく、一緒にお話を聞いていた福島県いわき市のご家族も大笑いでした。
結局男の子のサイズにも合う23cm草履をお選びになり、笑顔でお帰りです。おそらく帰宅後一番に履くのも男の子でしょうね。

仙台の看護学校に進学した次女が帰省し、少し久しぶりの実家暮らしです。一人暮らしと違い炊事や洗濯はカミさんがしますから、夏休みを自由に過ごしているかと思いきや、持って帰った問題集の厚さときたら「電話帳」並みでした。

そのうえ二年生になればさらに時間がないと教えられ、帰省した翌日から自動車学校に通っています。正味一ヶ月弱で免許を取得するためには、こちらも休まず通わなければいけません。夏休みのほうがよほどスケジュールびっしりですね。

鷹巣の男の子が言った通り、疲れているのはなにも大人や社会人ばかりではないのかも知れません。
コメント
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