角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

第三回かくのだて絵燈籠夏祭り。

2011年08月01日 | 地域の話


角館あきんど塾が仙北市商工会青年部と合同主催するようになって、第三回を数えます。開催日は八月第一土曜日、今年は8月6日となりました。

先月上旬から会議を重ね、今年も充実した内容で展開できそうです。「よさこいダンス」「飾山囃子」「空手演武」「子ども絵燈籠」、飲食露店もこれまでで最大規模となります。
短い角館の夏を、浴衣を着て愉しんで欲しいと願っています。

一昨日の土曜日にお休みをいただいたのは、丁内会の行事のためでした。十五年ほど続いている「生ビール大会」は、丁内会会員30人以上で食べる野外夕食です。独居世帯が多くなる中で、賑やかな夕食もときには良いのでしょう。毎年欠かさず出席してくれるお年寄りも複数です。

今年はその中に、先ごろ誕生したばかりの赤ちゃんがいました。赤ちゃんのお父さんの実家がわが丁内にあって、現在千葉県に暮らしています。お盆を前に赤ちゃんとお母さんだけが一足先に帰省したわけですが、お母さんの実家ではなく角館に帰った理由が原発事故にありました。赤ちゃんのお母さんの実家は福島市、乳児を連れての帰省に不安があったと云います。
角館で思いがけず丁内会のバーベキューに参加したお母さん、愉しんでくれたのなら嬉しいですね。

7月25日のブログでご紹介した南相馬市で商いをされていたおばさまは、いっとき息子さんが暮らす首都圏に生活したそうです。ペットのワンちゃんの夏バテが当地を選ぶひとつの理由だったのですが、もうひとつが地域のコミュニティと云います。首都圏では誰も多くを語らず、また被災の状況を訊く人もなかったそうです。それはもしかしたら、人によっては「親切」に映る場合もあるでしょう。

それが当地では、まるで身内のように言葉を掛け、話を聞いてくれると言っていました。私も何気に口にしたのが、『自分に置き換えたら、ほんとにどうしようかと思いますよねぇ』。おばさまは、『そう、東北の人たちは自分に置き換えてくれるでしょ。それが私たちにとっては、見捨てられていないって感じることができるんですよ』。

「第3回かくのだて絵燈籠夏祭り」には、角館を暫時の生活場所としている福島県のみなさんへご案内状を送ります。もちろん会場でご紹介するとか、ご挨拶をいただくなどというものではありません。短い東北の夏を、一緒にビールでも飲んで過ごしていただければ、主催スタッフのひとりとして嬉しい限りです。
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