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ダヴトオール新首相夫人は中絶反対の婦人科医

2014年08月22日 | 
8月23日 エルドアン首相の12年間が終わって、まもなくダヴトオール外相がその後継者として首相になります。で、影響力の大きかったエミネ・エルドアン夫人の後継者となるサレ・ダヴトオール夫人て、どんな人?

 Hurriyet
 
2009年、ボスニアのモスタル橋の前のダヴトオール夫妻


サレ・ダヴトオール夫人は、2009年、夫が外相になってからも、非常に慎重にふるまってきました。婦人科医という職業を持つ彼女は、中絶反対論者として知られています。サレさんは中絶反対キャンペーンのために積極的に活動し、中絶禁止令と規制を支持してきました。
トルコでは長い間、中絶は比較的自由でしたが、2011年、エルドアン首相が中絶反対を宣言したため、保守派の声が高まってきています。

サレ・ダヴトオールさんはまだイスタンブルの私立クリニックで診療をつづけています。彼女の患者の中には、エルドアン首相令嬢エスラ・アルバイラクさんもいます。
ダヴトオール夫妻は大学で知り合い、結婚しましたが、結婚後も2人は大学院で学びました。子供は4人。

アフメト・ダヴトオール氏によると、家庭ではサレさんが大臣だそうです。「私は世話してもらっている側だ」と彼は言っています。夫君がアンカラでめざましい活躍を始めても、サレさんはめだたずにいることを選び、イスタンブルで働いていました。

「アンカラにいるほうが快適かもしれない。しかし、あなたは忙しく、望むと望まざるにかかわらず有名になってゆく」とサレさんは夫に言い、イスタンブルの2人の家は私にとって避難所だと言っています。「私はイスタンブルの家でくつろぎ、自由を感じます。わが家は私が支配しているのですから」


去りゆくギュル大統領が次期首相ダヴトオール氏に「おめでとう」

 アフメト・ダヴトオール外相がエルドアン首相の後継者に指名された後、去りゆくギュル大統領が外相に最初の「おめでとう」の言葉を贈りました。
公正発展党(AKP)本部での会合後、エルドアン首相は、ダヴトオール氏(55)を党のリーダーと首相に指名したと発表しました。

 Hurriyet

ダヴトオール外相は本部から帰宅途中にギュル大統領の「おめでとう」の電話を受けたと、アナドル通信が報じました。ギュル氏は一時、エルドアン首相と役職を交換して首相になるのではないかと言われましたが、ギュル氏はエルドアン首相と決裂しました。

ギュル氏の首相への扉が閉じられた後、ギュル夫人ハイルニッサさんが開いた8月19日のお別れパーティでは、ギュル氏は苦々しげな顔で、ハイルニッサ夫人は「夫は“多くの欺瞞と非礼”の犠牲になった」と言っていたそうです。

「外相のアフメットさんが首相になると思われます。彼を政界に引き込み、政治家にしたのは私です」とギュル大統領は言いました。「2003年初め、私が短期間、首相を務めたとき、ダヴトオール氏を外交政策の主任顧問に指名したのです」

ダヴトオール氏は、エルドアン首相とギュル大統領の顧問を2009年まで務め、その後、外相に指名されました。

・・・ダヴトオールさんて、野党の受けはどうなんでしょう? ギュルさんはAKP内で、どんなポジションにつくのでしょう?


盲目の天才吟遊詩人の作品を学生たちがミュージカルに

 カラビュック大学の美術史専攻の学生たちが結成した「アシュク・ヴェイセル・ミュージカル・グループ」が全国ツアーの準備をしています。“アシュク”とは吟遊詩人。有名なトルコの民謡詩人でソングライターのアシュク・ヴェイセル・シャトゥルオールの作品を未来の世代に伝えるために、グループは16都市で公演するそうです。

 Sabah

アート・ディレクターを務める4年生のヌマン・チャクル君は、アシュク・ヴェイセルの孫娘のナゼンデル・シュゼルさんに顧問を依頼して公演ができることにエキサイトしていると、アナドル通信に語りました。

「アシュク・ヴェイセルはトルコの最も重要な文化人の1人です。私たちは彼の作品を受け継いでいかなければなりません」とチャクル君。彼はアシュク・ヴェイセルの日常生活を描いた「花の男」という短編映画をつくったこともあるそうです。

アシュク・ヴェイセルは20世紀トルコの最も有名なアナトリアの吟遊詩人として知られています。彼は7歳のとき、シワスで疱瘡を患い、左目の視力を失い、その後、事故で全盲になりました。しかし、ヴェイセルは父親から譲られたバーラマ(弦楽器の一種)を弾き、民謡を歌いました。天才詩人はバーラマを弾き、歌うことに生涯を捧げました。

彼は鋭敏な耳で音を聴いて、演奏を学びました。彼の父親の友人のアリさんが彼の才能を知り、彼を支援したそうです。


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ダヴトオール外相がAKP新党首と新首相に指名された

2014年08月22日 | 国内
8月22日 公正発展党(AKP)は正式に、アフメト・ダヴトオール外相をエルドアンの後継者すなわちAKP議長と新首相として指名し、トルコの歴史に新たな第一歩を記しました。AKPの中央執行委員会(MYK)は党の議長としてダヴトオール氏の名を提示することを決めました。

 Hurriyet
 
エルドアン次期大統領(右)とダヴトオール次期首相


AKPの新議長は8月27日、アンカラで、党の臨時議会で選ばれます。この決定は、党本部での3時間におよぶ会議後、エルドアン首相によって発表されました。エルドアン首相は、8月21日、アンカラのAKP本部で、「われわれはわが党の外相、わが党のコンヤ選出議員、わが兄弟アフメト・ダヴトオール氏を指名しました」と並みいる大臣やジャーナリストたちに告げました。

「ダヴトオール氏は“非常にデリケートな討議”の結果、選ばれました。彼のギュレニストと戦う姿勢も、この決定の要因となりました」とエルドアン首相。ギュレニストとはイスラム学者フェトフラー・ギュレン師の信奉者で、ギュレン師はすでに10年間、アメリカに住んでいます。

エルドアン首相の後、ダヴトオール外相が演壇に立ち、“大統領閣下”に答辞を述べました。「AKPは未来へ歩みます。大統領はそのリーダーです」とダヴトオール外相は言いました。「この12年間つづけられてきた修復活動は、さらにつづけられるでしょう。12年前、病人と見られていたこの国は、いま自分の脚で立ち、歴史的使命を心に銘じ、祝福された行進を始めました。ギュレニストも、だれも、この行進を止めることはできません」

ダヴトオール外相は、エルドアン首相が正式に大統領を引き継ぐ1日後の8月29日、エルドアン首相から次の政府を形成する権限を委譲されます。9月初め、ダヴトオール氏は、手続き上の信任投票の後、トルコの第26代首相になります。


宗教庁のトップがISISを非難。「あれはイスラムではない」

 トルコの宗教庁のトップ、メフメト・ギョルメズ師が、声明を発し、自称「イラクとアルシャムのイスラム国(ISIS)」がイスラムのイメージを最悪のものにしていると非難しました。ギョルメズ師は彼らをフルネームで呼ばず、短縮してISISと呼ぶように人々に進言しました。「フルネームには、多くのムスリムにとって聖なる名であるイスラムということばが入っているから」 

 Sabah

「ISISの暴力的行動はイスラムにも、その歴史にも、文明にも、コーランにも、あり得ないことです」とギョルメズ師は言いました。「彼らはイスラムに反しています。イスラムは平和と忍耐と理解と愛が基本です。彼らの行動はおそらく医学的、心理学的用語で説明されるものでしょう」

ギョルメズ師は、ISISは狂気と暴力が原因の社会的トラウマの産物だろうと言いました。「彼らは意識を傷つけられ、他の人間を冷酷に殺すことに苦痛を感じなくなっているのでしょう。このようなトラウマはイスラムには存在しません」

「ムスリムは同じ地域の非ムスリム社会の存在を認め、彼らの共存の権利を受け入れます。すべての市民が平等の権利を持ち、それぞれの信仰を持って暮らしていくことができると、イスラムは規定しています」とギョルメズ師は言っています。

ISISはかつてアルカイーダの一派でしたが、アルカイーダのシリア支部ジャブハト・アルヌスラなど、シリアの反政府グループに対抗する戦闘的組織に絶縁されました。彼らの攻撃によって、シリアでは何千人の人々が殺され、家を追われています。

・・・ギョルメズ師の発言には、あのアメリカ人ジャーナリストの無残な処刑に対する怒りと悲しみも含まれているように思えます。


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