ちいさな幸せ

幸せの基準ってある?
それは自分の心の中にあると思う。
私は何時も陽だまりのような幸せの中に居た。

酸素の缶詰

2006年06月14日 | ラジオから
                百 合
              奇麗な黄色です
             昨年仲間入りしました

明日セブンイレブンから「酸素の缶詰」が売り出される。「からだ缶」「頭脳缶」とあるそうですよ。酸素サプリとして売り出すそうです。決して医薬品ではないと注意を促しているとか。香が付いているそうです。「からだ缶」にはグレープフルーツの香「頭脳缶」にはペパーミントの香です。

そういえば「酸素バー」というのがあるとテレビで見た覚えがあるが、私はそんなお店を見たことがない。見つければ一度は入って見るのにな~。

「酸素缶」は一度だけ使った事がある。1991年富士登山の時です。その一年前、亭主さまはニトログリセリンを首からぶら下げる身でした。お医者さんに「ストレスから来るもので、会社を辞めれば1年位で治るだろう」と言われ、退職した。その時の私の気持ちは複雑だった。「亭主元気で留守が良い」の終わりを意味する事でもあるから。

一年後、先生の言われたとおり「ニトロ」におさらばの日が来た。亭主様は「富士山に登りたい」と言い出した。私達だけで行く事に自信がなかった。長男に持ちかけ三人で登る事にした。その時3人分として「酸素ボンベ」3本を用意した。結局私一人で2本使い、残りの1本は家の何処かで眠っている。まだ使える?

1991年8月15日に登山日を決めたのには訳がある。夏の高校野球で8月15日終戦記念日、正午に球児が黙祷する時、雨が降っているのを見たことが無い、8月15日は晴天の特異日(晴れとか雨とかの天気が、統計上高い確率で現れる特定の日)かも知れないと思ったのだ。見事に当たった。初回で日の出を拝む事が出来た。何度登っても日の出を拝めない人も多いと聞くが・・・

富士山は高いから地上では雨でなくとも、上では雨、又曇りで雲に遮られて日の出を拝めない事が多いと聞く。頂上で日の出を拝めなくとも8合目位が一番日の出が見られると聞き、8合目で泊まり日の出を拝んだ後、頂上に登る事にした。

会社の社員保養所が山中湖の畔にあり、窓から見ると小さな光が帯になって登るのが目された。富士山頂で日の出を拝む為に登る人達の光の列だと教えられた。夜登る事にも心引かれたが、8合目で一泊する方を選んだ。

6合目の次は7合目だと思っているのに、新6号目だった。休憩のたびにチョコレートを口にしていた。疲れにチョコが良いと長男が言うから。所が新7合目で小さな異変が起きた。口にするとむかつくのである。「高山病」の兆し。8合目の山小屋は足を屈めて座るので精一杯と言う満員状態。私達の山小屋は8合目を横にスライドした隣の山?にある。余分に歩くのは辛かったが此方は空いていて、ゆっくり寝られた。

夕食はむかつきの為に食べられなかった。倒れるように石の様に重いしめった布団に倒れこんだ。夜中心臓がどきどき早鐘を打つ、そんなに早く打つと心臓が止まる~と心配なほどだ。よく「心臓が口から飛び出しそう」と言うが、手足の指先から飛び出しそうなのである。指先で心臓のドクドク早打ちを聞くのは何とも気味悪い。私は「高山病?」と思った。太極拳の教えを思い出し複式呼吸を繰り返した。そうすると暫くは収まるがトロトロしただけで朝が来た。

起き上がる人の気配で外に出た。勿論真っ暗である。小屋の主人が用意してくれた一斗缶に焚かれた火に背中を暖めても寒い。日の出を待つ。日は静かに現れた。みんなの感激の声、自然に手が合わさり拝んでいる。皆々拝んでる。

朝食は食べなければと思っていたので、ゴワゴワのご飯だけ食べ、おかずは食べなかった。頂上に向かって出発したが、寝不足と「軽い高山病」の為、一歩一歩しか歩めない「一人でゆっくり行くから先に行って」と一人になり「その時「酸素缶」を吸ったのである。5,6歩登っては「酸素缶」を口にし、どんどん人が私を追い抜いていく。でも一歩を出しさえすれば必ず頂上に立てると頑張った。

頂上に息子がいるのが見えても中々近づけない。頂上に近づくと急傾斜なので道が蛇行してつけられているから。頂上の鳥居が見えた。わが亭主を始め私を追い抜いていった方々だろう「よくがんばったね~」と拍手で迎えてくれた。自分では解らなかったけれど、顔面蒼白、息も絶え絶えって感じだったであろう私の頑張りに対する皆さんの拍手だろう。富士登山の道は決して難しい道ではない、しかし私のように高山病に罹ればとてつも無く苦しい。

山頂の郵便局で自分に対して記念の葉書を出した。「やっとやっと富士です。『富士は見る山 登るバカ』を実感しました。一生一度でいいヨ」と書いてある。登山手形と拾ってきた色違いの5色の石と共に飾り棚に収まっている。消印には「富士登山歓喜」とある。郵便局では70歳以上の人は「水」が頂ける。貰ってるおばあさんがいたよ。

友達に電話したよ「今、富士山頂よ!」「えっ!?」登る事話してなかった。黙って来たの驚かせる楽しみの為に・・・。

3776mの山頂ではビールの味は?と持っていった亭主様「気の抜けたサイダーのように不味かった」飲んべーさんの実験。



























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5 コメント

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Unknown (いっさ)
2006-06-15 17:54:11
富士山も浅間山も登ったことありません。登りたいと思っているだけで機会のないまま歳をとりました。歩いて登った一番高い山は蓼科山です。

頑張って富士山に登って日の出を拝めて本当に良かったですね。
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Unknown (ふーこ)
2006-06-15 20:03:15
酸素の缶詰は、ラジオで小耳に・・・どんなんか ? 試飲かな?   興味あるよね。                     富士山7合目までしか行ってません。もう年だから無理温泉から見上げましょうか。
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9月に富士山に (竜馬16)
2006-06-15 20:45:32
なかなか大変な登山でしたんですね。

私も9月に初登頂をします。

富士山は全然興味もなく、登りたい山でもなかったのですが、

来年1月に会としてキナバルに登るので、高山病予防の登山です。



8月の混む月をはずして、6合目2泊のゆっくり登山ですので、

ちっちさんみたいに、苦しい登山にはならないと思います。



日本最高峰に登るのも、いいかなぁとも思います。
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Unknown (O-Haru)
2006-06-15 23:01:20
「ちっち」さんと同じ頃、私も富士登山を実行しました。車で静岡まで行き娘の下宿先で泊まり早朝5合目まで車を飛ばし、静岡側から登り始めました。最初のうちは下界が見えていましたが後の景色は雲海ばかり~~~

木陰もなくてかんかん照りでガラガラ路をただ黙々と歩くのみ・・・次は8合目と思っているのに新7合目にはがっくり。やっとの思いで頂上に着いたときはさすがバンザイーと叫んでいました。日帰り登山をしましたので日の出は拝めませんでしたが。

富士山は遠くから眺めるものとつくづく感じました。でも1度は経験したいものです、其れが出来た事を本当に幸せに思っております。
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Unknown (ちっち)
2006-06-16 00:58:27
いっささん

蓼科ですか?その辺りなら横岳に登りました。谷間に奇麗な池がありました。感動的でした。



ふーこさん

今度私もふじさんの見えるところをぐる~っと廻ってみたいわ。



竜馬さん

ブログで拝見しました。富士山は初めてですって?私達は御殿場から登りました。今は反対側からのルートのようですね。杖に合に着くごとに焼印を押してもらいました。やっぱり「高山病」対策なんですね。



O-Haruさん

さすが!日帰りとは・・・下る時小学1,2年の子が両親と後から来て「愉しかったね。又来年も来ようね」と話しながら飛ぶように降りていきました。この子は人生で何度この山を楽しむのかと、トボトボ下りながら考えたのを思い出しました。









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