緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

五木の子守唄(ギター版)を聴く

2023-12-08 23:25:58 | ギター
先ほど、4年前の講習会で親しくなった静岡県在住の友人とラインで話をした。
心の苦しみの解決の話題が中心だったが、やはり苦しみの原因となっているネガティヴな想念、観念、信念が無意識で発動していることに気が付き、その強固な習慣が心の苦しみにつながっていることに心底気付いたうえで、その習慣を断ち、自己肯定する習慣を身に付けていくという順番でないと、苦しみから抜け出せないし、回復には長い年月がかかるという見解で一致した。

心の苦しみの解決って、物凄く難しいと思う。医学のようにこのやり方をすれば治るというような確立されたものではない。
だから解決することが検証され、統計化され、確立されるという手順を踏まずにビジネスと結びついている心理療法が最近とみに増加していることには注意しなければならないのである。

明日は千葉マンドリンクラブ部内発表会の練習だ。
明後日は数年ぶりにマンドリンオーケストラの演奏会に聴きに行こうと思う。

今日はこの曲を聴いて締めくくりたい。
五木の子守唄(ギター版)。
12年前に録音したもの。

伊福部門下の作曲家の原田甫が「職業的作曲家として無数の雑曲を濫作するなかで、自分の耳に聞こえるのは唯一、5音音階陰旋法の音律のみであることに気付いた」と言っていたが、強い信念だと感じる。
日本人の魂に刻まれ、決して失われることはない音律。
このような音楽をもっと大事にしていきたい(とくにギターで)。

五木の子守唄(ギター版) 2011年7月24日録音 音が筒抜けの築40年公団にて
コメント

マルタ・デヤノヴァ演奏 モーツァルト作曲ピアノソナタ全集を聴き始める

2023-12-07 21:58:16 | ピアノ
マルタ・デヤノヴァさんの演奏に出会って1週間経っただろうか。
中古CDでシューベルトのピアノソナタ集、スクリャービンとプロコフィエフ作品集、そして今日届いたモーツァルトのピアノソナタ全集と立て続けに買い集めてしまった。
これらの曲の全てはYoutubeでも聴けるが、Youtubeに投稿されているものは音が劣化しているのが常なので、本格的に聴いてみたいと思うのならばちゃんとお金を出してCDやレコード(中古で十分)を買って聴いた方がいい。
演奏の真価はYoutubeの投稿音源では得られない。

今日買ったモーツァルトのピアノソナタ全集は6枚組で600円という格安で、箱や解説書が小汚かったがディスクは全く問題なかった。



今日で半分ちょっと(4枚目の初め)聴いた。明日で全て聴くことになるだろう。
モーツァルトのピアノソナタ全集は今までリリー・クラウスやヴラド・ペルルミュテールの録音で聴いてきたが、どんな演奏だったか全く思い出せない。
モーツァルトの音楽が私の好みにあまり合致しないということもあるが、ピアノの音が好きな以上は部分的にでも記憶に残っていいはずだ。
しかし今日聴いた、マルタ・デヤノヴァさんの演奏は1回聴いただけでかなり心に刻まれた。

何が違うかというと、音の純度が高いこと、芯のある美しい音だ。一度聴いたらなかなか記憶から抜け落ちないインパクトがある。
しかもテクニックが物凄い。これほどの高いレベルの技巧を持ち合わせたピアニストはなかなかいるものではない。

マルタ・デヤノヴァさんの録音は1980年代から1990年代半ば頃に集中しているが、それ以降の録音が無い。
この期間ピアノを中断していたのではないか。
10年くらい前にプライベート録音でYoutubeに投稿した演奏録画がいくつかあるが、60過ぎの頃だと思われる。
長い間ブランクがあったような演奏に感じられ、ミスも多いが音と音楽の表現や組み立ては一流だ。
最盛期は上記の期間であるが、多分彼女が30代半ばから40代の頃であろう。多分私より10歳以上は離れていると思う。

マルタ・デヤノヴァさんはコンサートでも地味な服装だ。録音が多く実力派だけど日陰の存在だったような感じがする。
その点はマリヤ・グリンベルクと共通している。

モーツァルトのピアノソナタのヘ長調、K.280の第2楽章を試しに聴いていただきたい。
そして内田光子などの知られたピアニストの演奏と聴き比べをしてみて欲しいと願いたい。


Piano Sonata in F Major, K. 280/189e: II. Adagio
コメント

マルタ・デヤノヴァ演奏のライブ録音 スクリャービン作曲前奏曲集を聴く

2023-12-03 22:29:40 | ピアノ
数日前にブルガリア出身のピアニスト、マルタ・デヤノヴァさんのことを偶然のきっかけで知り、それ以来すっかり彼女の演奏に魅了されてしまった。
先日のシューベルトソナタ集に続き、注文していたスクリャービンとプロコフィエフのピアノ曲集のCDが今日届いたので聴いていたところだ。
1988年の録音。彼女がまだ若い頃の演奏だ。



Youtubeでもかなりの数の彼女の商業録音が投稿されているが、彼女が40過ぎの頃と思われる最盛期(?)のライブ録音(プライベート録音?)がいくつか投稿されていた。
まだ全部聴いていないが、下記にリンクを貼り付けさせていただく。

技巧が物凄い高いレベルで、音が非常に美しい。単なる美しさではなく、心に食い込んでくるような美しさだ。
素晴らしい演奏。是非聴いていただきたい。

Marta Deyanova performs Skriabin Preludes-a.wmv


ショパンのワルツ。彼女にとってはめずらしい曲目か?。アンコール曲だと思われる。これも素晴らしい。

Marta Deyanova Chopin C sharp Minor Waltz.wmv


年老いてから演奏したと思われる、ベートーヴェンのピアノソナタ第1番の投稿もあった。
これからしばらくは彼女の演奏鑑賞三昧だな。

ところで彼女は本も出版していたようだ。
昨日彼女のFacebookの投稿写真集を見ていたら、裏表紙にポートレートが掲載された本の写真が出ていたので不思議に思っていたのだが、アマゾンで検索していたら確かにその本が出品されていた。
"the dark side of the day"というタイトル。



本に紹介文を翻訳(google)してみたら、こんな感じに(訳が滅茶苦茶)。
自叙伝。輝かしいピアニストの経歴の痕跡がFacebookに殆ど全く見られなかった理由がこの本で分かる?。
うーん、読んでみたい。(総解英文法を勉強しないと)

The adventures of a young woman travelling throughout the world. The hard work is left behind, and every day is a present as nothing is more contagious than fame. Loneliness becomes a good companion too, until the day Gina is stranded at an airport and meets someone who will change the meticulously organised schedule of her life.
Without realising yet, this is the foggy night, when her downfall begins. Falling into her obsession, she puts her career at stake, but never abandons the man who remains a mystery until the end.
Marta Deyanova lives in the United Kingdom with her two sons and the white boxer known as Happy

世界中を旅する若い女性の冒険。 ハードワークは後に残され、名声ほど伝染するものはないので、毎日が贈り物です。 孤独もまた良き友となるが、ある日、ジーナが空港で立ち往生し、周到に計画された人生のスケジュールを変える人物に出会う。
まだ気づかぬうちに、これが霧の夜、彼女の転落が始まるのだ。 執着に陥った彼女は自らのキャリアを危険にさらすが、謎の残る男を最後まで見捨てることはなかった。
マルタ・デヤノバは二人の息子とハッピーとして知られる白人ボクサーとともにイギリスに住んでいる
コメント

ピアニスト:マルタ・デヤノヴァさんのFacebook

2023-12-03 00:50:12 | ピアノ
先日記事にしたピアニスト、マルタ・デヤノヴァさんのシューベルトソナタ集のCDを中古であるが早速注文し、今日届いた。
まだ全部聴いていないが、やはり実力派でピアノの音の魅力を引き出す才能の高いピアニストという印象をあらためて感じた。



ネットで彼女の経歴など検索しても何も出てこない。不思議だ。
Nimbusというレーベルを中心にかなりの商業録音を残した彼女であるが、現在では中古CDや中古レコードの販売サイトが出てくるのみである。

しかし今日、Youtubeで見つけたベートーヴェンのピアノソナタ第31番を弾くマルタ・デヤノヴァさん、ご本人と思われる方のFacebookが見つかった。
投稿されている写真、それは膨大な数で、殆どが子供など家族や友人、風景などの写真で、彼女の昔のピアニスト時代を示すものは無かった。
ここがまた不思議に感じたのであるが、彼女が投稿した写真の中に、今日届いたNimbusレーベルのシューベルトソナタ集のCDのライナー・ノートに掲載されていた彼女の若い頃の写真と同一のものがFacebookの投稿写真の中にあったので、このCDの録音で演奏している人がこのFacebookのマルタ・デヤノヴァさんであることはもう間違いないであろう。



現在では、ピアノの演奏活動は止めてしまったのだろうか。
このCDを録音した1996年の頃は、2人の息子たちが未だ幼い頃だったようだ。
子育てをするなかで演奏活動を休止し、現在は引退してしまった、ということなのかもしれないが、昔のプロのピアニスト時代の痕跡をあえて出さないようにしているようにも感じる。

Facebookの膨大な数の写真を見ていると、幸せそうな日常を送っていることが伝わってくる。
ピアニストとして多忙な演奏活動を送る日々よりも、素朴な、家庭や友人たちを大事にする普通の人生を送ることを選択したのだろうか。
それにしてもあのYotubeで投稿されていたベートーヴェンのピアノソナタ第31番の演奏は凄いレベルに高いものであることは間違いないと思っている。
コメント

理想のタッチを得る条件

2023-12-02 21:54:03 | ギター
明日(3日)、東京国際ギターコンクールの本選が開催されるのだが、11月下旬までマンドリン合奏のことで頭がいっぱいで、すっかり忘れていた。
今朝チケット情報を確認したらすでに完売だった。(残念)
ちなみに今年の本選課題曲は、伊福部昭作曲の「ギターのためのトッカータ」(外国人がどのような演奏をするか興味深いところだ)。
会場が白寿ホールに変わってから、席数がかなり減少したため、当日券で聴きにいくことは出来なくなった。
東京文化会館小ホールや日経ホールでやっていた頃は当日券で余裕で座れたのに。
白寿ホールのような小さなホールの方が響きがいいのかもしれないが、将来世界的プロを目指す方々のことを考えると、もっと大きなホールで審査する方が良いと思うのだが。観客だって一人でも多くの方が聴きに行きたいと思っているだろうし。
白寿ホールに変更になってから審査員も大幅に入れ変わった。

今日は久しぶりに睡眠を長くとった。
このところ5時間未満睡眠が続いていたので、日中何度も睡魔に襲われた。
これは絶対に良くない。睡眠時間が短いと体にも悪いし、脳にとっても良くない。すなわち、集中力の欠如、記憶力の減衰、直感力、創造力の鈍化、忍耐力の低下など、さばざまな影響を及ぼす。
明日もゆっくり寝ていよう。

今日は、千葉マンドリンクラブの部内発表会の曲を練習し、後の時間は久しぶりにいつも独奏曲をたくさん録音してみた。
先日、古いギター雑誌で、「「美しい音を生むタッチについて」という特集記事を見つけたので読んでみたら、次のような10項目の条件が提示されていた。

<理想のタッチを得る条件>

①自分によく合った最高のギターをもつこと。
②高めの足台とギターによく適したよい弦であること。
③よい助言者、優れた教育機器教材、鏡などを持つこと。
④身体全体が自然で正しい姿勢であること。
⑤右手の重心、弾く位置がノーマルなこと。
⑥pimaの各指が独立性を養えるトレーニングを積んでいること。
⑦p指はあらゆる種類のアポヤンドが可能なこと。
⑧各指の爪は短めで正しい手入れ法を知り、深めのタッチができること。
⑨imaは左端の先端で弦を巻き込むようにタッチが出来ること(回転運動が含まれること)。
⑩右手全体にムダな力が加わらなくて移動性に富むこと(瞬間にエネルギーは効果的に出される)。

1975年の記事なので、今現在の考え方からすると違和感を持たれることもあるかもしれないが、どうだろう。
私にとっては、美しい音を生むタッチに古いも新しいもない、というのが正解のような気がする。

①から順に考えていきたい。
①自分によく合った最高のギターをもつこと。
これはとても重要な要素だと思う。
とくに、ギターという楽器は製作者によって音の個性が驚くほど異なる。
自分に最高に合う楽器がどの製作家の楽器なのか分かるには長い年月と数多くの楽器を試奏することが必要だ。
私の場合、このところでやっと自分に合う楽器が分かってきた、という実感がある。
まずは、よく歌う楽器であること。
そして、低音弦は深い、重いといった音ではなく、鋼を打ったようなゴーンとよく響く、どちらかというと力強い音が好みであること。
高音は透明度が高く(木質系ではない)、のびがあり甘く柔らかい音。同時に芯のある音。
和音は雄大な感じの響きを実現できること。
これらを概ね実現出来る楽器として、今はホセ・ラミレスⅢ世による楽器をメインに使っている。
ホセ・ラミレスⅢ世は名工中の名工であることは言うまでもなく、セゴビアやイエペスなどのトップギタリストが使用したことでも知られているが、価格も比較的安価で数も多いので入手しやすい。
しかし意外に現在では使用する人は昔に比べれば減少しているようだ。クラシックギターの製作家が故人も含めてかなりの数にのぼり、選択肢が増えてきたためであろう。
和音の響きは確かに雄大だ。学生時代にたまたま聴いたラジオで山下和仁さんがホセ・ラミレスⅢ世の楽器を好んで使用する理由として、音が雄大だからと言っていたのを今でも覚えている。
楽器の選択にあたって、製作家のネームバリューで決める方がいるかもしれないが、有名な製作家だから自分にとってのいい音が得られるということはない。
まずは、自分が「どんな音が好きなのか」ということが分かっていることが最も大事なことだ。
あとはどんな名工の楽器であっても、全ての自分の求めるものを満足させることの出来る楽器というものは無いということだ。
完璧を求めると、際限なくギターを買い替えることになるに違いない。逆にそれは本当の自分の求める音が分かっていないからなのかもしれない。

③は出来れば優れた先生に就いて習うことがベストだろう。
私も近いうちにいい先生を見つけて半年くらいの限定期間で習おうかと思っている(西村洋さんが今でもご存命だったらな~)。
あとは、生の音を出来るだけ忠実に再現できる録音機材で自分の演奏を録音して客観的に聴いてみる。電気処理など絶対してはいけない。
これは結構有効だと思う。私もこれをやっている。
録音しながら演奏すると、緊張で夥しい発汗と腕、肩、指などに余計な力が入る。間違ってはいけないというプレッシャーを自ら課しているからだ。
プレッシャーを感じながら演奏することは非常に辛い。演奏していて様々な雑念が湧き出てくる。正直早く片付いて欲しいとまで感じてしまう。
こんな心理状態でいい演奏ができるわけがない。だからこそ、録音機をまわして本番に少しでも近い環境で演奏して自分の問題点を把握できるようにしたいのである。
緊張状態だと、余計な力が不必要な部位に入るため、音自体も軽く力の無いものになりやすい。
自分のベストな状態で本番でも演奏できるようになるためには、メンタル面での内観、分析が必要だ。
昨日書いた記事のように、まずは演奏時の現状の自分自身の心理状態をあるがままに受け入れ、肯定していくことがスタートだと思う。このスタートを間違うといつまでたっても本番で苦痛を味わうことになるのではないだろうか。

今日、手に夥しい汗をかき、肩や腕や指に力が入った状態(これがなかなか弱まっていかないのだが)での演奏を録音してみた。
正直演奏中は苦しいと感じている出来のものだ。

①アラビア風奇想曲(1回目) 2023年12月2日夕方

②アラビア風奇想曲(2回目) 2023年12月2日夕方


③アルハンブラ宮殿の思い出(1回目) 2023年12月2日夜

④アルハンブラ宮殿の思い出(2回目) 2023年12月2日夜

⑤スペイン舞曲第5番アンダルーサ 2023年12月2日夜

落ち着いていたらもっと、変化のある表現が出来るとは思うが、なかなかこれが実現が難しい。

コメント