緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

いい香りのする木

2011-07-04 23:33:52 | ギター
こんばんは。今日も暑かったですが雨は降りませんでした。
今日はいい香りのする木について話そうと思います。
下の写真で左の2つの白っぽい木が青森のヒバ、右の2つの茶色っぽい
細長い木がレッド・セダー、日本語で米杉といわれている木です。
ヒバは風呂の用材として使われており誰もがこの木のいい香りをかいだ
ことがありますね。



でもレッド・セダーの匂いをかいだことのある人は少ないと思います。
このレッド・セダー、とてもいい匂いがします。私は青森のヒバより
全然好きです。甘くて独特の香りがします。そして触った感じが柔らか
で優しいです。
ところでこのレッド・セダーはクラシックギターの表面板にも使用され
ているんです。ギターの表面板は長い間、スプルースという松の木が
使用されてきたのですが、1960年代の前半にスペインのギターの
名工であるホセ・ラミレスⅢ世が、弟子が間違って買ってきた木材の
うちにこのレッド・セダーを発見し、ギターの表面板に採用したことが
最初であると言われています。
レッド・セダーを用いたギターの音は立ち上がりが早く、柔らかく、
甘く、音量もあります。それに対してスプルースのギターは音に芯が
あり、透明感があり、低音は重い傾向がありますが、音が育つのに
時間がかかると言われています。
私はレッド・セダーもスプルースも両方の音が好きですが、レッド・
セダーの方が好きかもしれません。
木材の香りや肌触りが音と無関係とは思えません。木も生き物だし、
伐採されてからも生きつづけると言われています。木材にも個性がある
し、その個性がギターの音を様々なものにしています。
同じ製作家のギターでも個体差があります。ギター製作家は表面板を
指で叩きながら音を聴き、その木材のベストな厚み、裏・横の用材との
組み合わせを決めていくそうです。
クラシック・ギターほど、音の差がある楽器はないのではないでしょう
か。

下の写真はギターの裏板・横板に使用される木材でハカランダと言い
ます。裏板・横板に使用される木材にはこのハカランダ(ブラジル産
のローズウッド)とインド産のローズウッドがあります。単にローズ
ウッドというとインド産のローズウッドのこと指します。



このハカランダもいい香りがします。新しい楽器で塗装が薄く、内部に
塗装がしていないものはハカランダのいい香りがするものがあります。
甘い、なんともいえないいい香りです。
このいい香りとギターの音とは無縁でないと思っています。
ハカランダはローズウッドに比べ希少性が高く、現在条約で伐採や輸入
が禁止されていることもあり、ローズウッドの楽器に比べ値段が大きく
上がります。
なお値段の高いハカランダだからローズウッドに比べていい音がする
と思われる傾向があり、ハカランダとローズウッドの音の違いを説明
する方もいますが、私は両者の違いは表面板の相違に比べれば殆ど微々た
るものに過ぎないと思っています。
同じ製作家でローズのほうがいい音がしているものを見たことがあります。
スペインの名工の中には、客が自分で材料(ハカランダ)を持ち込んで
無理に頼まない限りは、ローズウッドでしか製作しない方もいます。
この名工はハカランダとローズウッドの音の性能の差はないと断言して
います。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
« 手製のアームカバー | トップ | フェデリコ・モンポウについて »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Meg)
2022-06-25 00:43:08
2ヶ月前に新品のクラシックギターを購入しました。毎日、新築の家か森の中にいるようで、とても癒されています🎶木の香りと音楽が大好きです💕🌲🎵
返信する
Unknown (緑陽)
2022-06-25 13:06:05
Megさん、はじめまして。コメントありがとうございました。
おっしゃるようにクラシックギターには人の気持ちを穏やかにする癒しの作用があるように思います。
他の楽器と違って、弾く人の気持ちが直接音に反映されるのもギターのいいところです。
弾けば弾くほど面白くなっていく楽器ですので、これからが楽しみですね。
返信する

コメントを投稿

ギター」カテゴリの最新記事