緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

木島始作詞 信長貴富作曲 合唱曲「ねがいごと」を聴く

2016-10-02 00:47:44 | 合唱
ここ1か月ほど、木島始作詞、信長貴富作曲の合唱曲「ねがいごと」を聴いていた。
この曲は3曲からなる混声合唱組曲「ねがいごと」の第3曲目である。
この曲を初めて聴いたのは、全日本合唱コンクール全国大会の録音で、札幌北高等学校が演奏する「厄払いの唄」であったが、組曲全て通しで聴いたのは今年の3月に神奈川県立多摩高等学校の定期演奏会であった。
とくに終楽章の「ねがいごと」は強く印象に残っており、「リフレイン」と何度か繰り返されるフレーズが忘れられなかった。
その後Youtubeで札幌北高等学校のNコンでの演奏を聴いたが、1か月ほどまえにNコンのホームページで多摩高等学校のNコンの演奏(平成27年度)を見つけた。

木島始氏の「おのおの消えゆく者の人生の総括の詩」に信長貴富氏が曲を付けたものであるが、なかなかいい曲だ。
この世に未練を残さず、来世に希望を託す。
曲に暗さや悲しさは無い。人生や運命に対する受容、悟りが感じられる。
未来に向かう強い気持ちに満ちている。

多摩高等学校が歌う次のフレーズの歌声、とくにソプラノとアルトが好きだ。

おもいほどこのよあのよにとほうもなく
かけまりにいきたがるものはないだろう
そのひとびとのおもいのなかへとびこんで
へんしんしうる今をわがものにできるよろこび

この最後のフレーズのひたむきな歌い方に感動する。
気持ちが無垢なのである。
それ以外のものは感じられない。
歌い手のこの純粋、無垢で、精一杯な歌い方に感動するのだ。
歌い手の日常の気持ち、生き様が十分に聴き手に伝わってくる演奏だ。

合唱コンクールで賞を意識し、計算された演奏を聴いてうんざりすることがある。
賞を求める気持ちは誰にでもある。
それは否定できない。
しかし賞を狙った演奏よりも、純粋に曲の素晴らしさ、歌を歌うことの素晴らしさを聴き手と共有できた結果、賞を貰う方が何千倍もいい。

高校生たちには、後で何度も繰り返し聴きたくなるような演奏、聴くたびに深い感動を引き起こしてくれるような演奏とは何かと自ら問いかけ、そのような演奏を目指してほしいと願う。

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2 コメント

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Unknown (緑陽)
2016-10-02 23:17:20
Tommyさん、こんにちは。いつもコメントありがとうございます。
ご紹介いただいた、Youtubeの演奏聴かせていただきました。
札幌の社会人の混声合唱団の演奏でした。
この団体の演奏を聴いても、この曲がとても歌うのが難しいことがわかります。
多摩高等学校や札幌北高等学校が歌うバージョンと、終局部が若干異なるバージョンを使用していたのも興味深かったです。
ありがとうございました。
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Unknown (Tommy)
2016-10-02 11:37:09
今回はこちらの録音で聴いてみました。
いつもありがとうございます。

https://www.youtube.com/watch?v=MF3VJ9NLPNI
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