引っ越しの準備が着々と進んでいるが今回はだいぶ物品を処分することにした。
本やCD以外にも家具や電化製品、そしてストーブもだ。
10年くらい前にヤフオクで新古品(未使用)として買ったちょっと大型のストーブを断腸の思いと言ったら大袈裟かもしれないが、手放すことにした。
今の家に引っ越してエアコンの取付工事終わるまでの一夜、それはとても寒い日であったが、その日に使用したのが最後で、ずっと7年近く押し入れの中で眠っていたものだ。
このストーブ、名古屋のメーカー、トヨトミ製の対流型石油ストーブで円筒形の昔ながらのデザイン、大型のタイプ、木造だと17畳までカバーできるという性能を持つものだ。
型式はCKS-565であるが、この型式はメーカーがリサイクルして製造しなおしたものである。だから完全な新品ではないが、購入時は新品となんら遜色のない状態だった。
ただこのストーブは大型ゆえに6畳とか8畳くらいの広さの部屋だと温度が上がりすぎて30度くらいになってしまう。
燃焼能力が高い反面、石油も相応に消費するので、狭い家には不向きだったのである。
なので買った当初もあまり使用することはなかった。
今度の引っ越し先はあばら家なので、すきま風の入り込んできそうな感じではあるが、それでもこのストーブだと暑くなってしまうだろう。
そういこともあって今後も使用することもないのであれば、不用品買い取り業者に引き取ってもらって、次の持ち主に役立ててもらった方がいいと考えた。
気に入っていたスチーブなので手放すにあたって何度も迷ったが。
このストーブの気に入っているところは、デザインが優れていることだ。
均整の取れた円筒形の形状、地味でシンプルだからこそ存在感を感じさせる魅力がある。
格子状のガード、持ち運びが出来る吊り手、炎の状態を確認するための除き窓、点火用扉など、いかにもマニュアル製品であり、ファンヒーターのような便利だけど味気のない製品とは全く異なるコンセプトのもとに作り上げられたものであり、ロングセラー商品として今も愛用されていることにはそれなりの理由があるのであろう。
トヨトミのホームページを見たら、まだこの製品が販売されているようだった。型式はCKS-565とは異なる。
デザインも変わっていなかった。これは嬉しい。ここにメーカーのこだわりを垣間見ることが出来る。
実はトヨトミ製ストーブはもう1台持っている。
小型の円筒形対流型石油ストーブで「レインボー」いう名前の商品だ。
これは、CKS-565をヤフオクで手に入れる前に購入して使っていたものであり、今も手放さずに置いてある。
このストーブは燃焼出力が弱いため、冬の一番寒い時期には6畳間では物足りなく感じる。
その故にCKS-565を買ったのであるが、CKS-565とレインボーの中間くらいの出力の製品があればいいのにと思う。
ストーブは近づいて手をかざしてしばらくたたずんでいると、体の芯から暖まってくる。
これはエアコンでは決して得られないものだ。
炎にも匂いがあるように思うが、石油を燃やして暖を取っていると、独特のにおいを感じる。
悪くない匂いだ。
この自然な暖かみとほのかな炎のにおいで、心がリラックスしてくる。
体もほぐれてくる。
ずっと長い間(50数年)ストーブで暮らしてきた経験から、やはりストーブを使いたいという気持ちが起きてくる。
次の引っ越し先では、冬はストーブにしちゃおうかな。