しばらく聴いていなかったレオ・ブローウェルのライブ録音のCDを聴いた。
1990年代前半の頃に買ったCD(今売っているのだろうか)で、ブローウェルがまだ作曲家兼ギタリストとして活動していた頃のライブ録音を集めたものだ。
ブロウェルの若い頃、ギタリスト時代の録音を聴いたことがある方は分かるかもしれないが、ブローウェルの右手のタッチはものすごく強い。
そのために後で腱鞘炎になったと考えられるが、現在のギタリストには見いだせない音が聴ける。
このライブ集の中で、たぶんアンコールで弾いたものだと思われるが、彼にしてはめずらしい「アルハンブラの想い出」が収録されていた。
Youtubeに無かったので、本当はいけないのだが下に録音のコピーを貼り付けさせていただく。
レオ・ブローウェルのライブ録音より「アルハンブラの想い出」(1976年 ローマ)
ブローウェルのこの曲を原曲のイ短調から半音高い調で演奏している。
恐らくカポタストを付けて演奏したものだと思われる。
何故このように調を半音上げたのか。
もしかすると「アルハンブラの想い出」という曲のベストの調整がイ短調ではなく、それよりも半音高い調性だと考えたからではないか。
同じような録音で、ジェイ・ベルリナーの録音がある。
ジェイ・ベルリナー アルハンブラの思い出(タルレガ)
このジェイ・ベルリナーの演奏は、私が「アルハンブラの想い出」で初めて聴いた演奏であり、その出会いは衝撃的なものであった。
今でもこの曲のベスト盤はジェイ・ベルリナーのものだ。
さてブローウェルの演奏速度はどうか。
この曲ほど奏者によって速度がさまざまな曲はないだろう。
速度の遅い演奏の代表的なものとして、セゴビアや若い時のジョン・ウィリアムスのものがあるが、彼らの演奏からは「歌」というものが聴こえてこない。
セゴビアの演奏は、トレモロの弾き方や三連符のスラーの箇所の弾き方に素晴らしいものがあるが、肝心の「アルハンブラ宮殿」の想い出を想起させる「歌心」というべきものはあまり伝わってこない。
作曲者であるタレガがどの程度の速度を考えていたか、それを示す手がかりは無いが、私が思うには、ブローウェルのこのライブ録音やジェイ・ベルリナーの録音での速度がベストなのではないかと思うのである。
彼らの演奏からは確かに「歌」がはっきりと伝わってくる。
調整と速度の選択は作曲にあたって重要な要素であるが、調性はギターの機能の都合上、イ調にせざるを得なかったにしても、ベストな調性はイ調よりも半音高い調性のように感じらえる。
ブローウェルとジェイ・ベルリナーの演奏での調整と速度の同調は偶然ではないような気がする。
1990年代前半の頃に買ったCD(今売っているのだろうか)で、ブローウェルがまだ作曲家兼ギタリストとして活動していた頃のライブ録音を集めたものだ。
ブロウェルの若い頃、ギタリスト時代の録音を聴いたことがある方は分かるかもしれないが、ブローウェルの右手のタッチはものすごく強い。
そのために後で腱鞘炎になったと考えられるが、現在のギタリストには見いだせない音が聴ける。
このライブ集の中で、たぶんアンコールで弾いたものだと思われるが、彼にしてはめずらしい「アルハンブラの想い出」が収録されていた。
Youtubeに無かったので、本当はいけないのだが下に録音のコピーを貼り付けさせていただく。
レオ・ブローウェルのライブ録音より「アルハンブラの想い出」(1976年 ローマ)
ブローウェルのこの曲を原曲のイ短調から半音高い調で演奏している。
恐らくカポタストを付けて演奏したものだと思われる。
何故このように調を半音上げたのか。
もしかすると「アルハンブラの想い出」という曲のベストの調整がイ短調ではなく、それよりも半音高い調性だと考えたからではないか。
同じような録音で、ジェイ・ベルリナーの録音がある。
ジェイ・ベルリナー アルハンブラの思い出(タルレガ)
このジェイ・ベルリナーの演奏は、私が「アルハンブラの想い出」で初めて聴いた演奏であり、その出会いは衝撃的なものであった。
今でもこの曲のベスト盤はジェイ・ベルリナーのものだ。
さてブローウェルの演奏速度はどうか。
この曲ほど奏者によって速度がさまざまな曲はないだろう。
速度の遅い演奏の代表的なものとして、セゴビアや若い時のジョン・ウィリアムスのものがあるが、彼らの演奏からは「歌」というものが聴こえてこない。
セゴビアの演奏は、トレモロの弾き方や三連符のスラーの箇所の弾き方に素晴らしいものがあるが、肝心の「アルハンブラ宮殿」の想い出を想起させる「歌心」というべきものはあまり伝わってこない。
作曲者であるタレガがどの程度の速度を考えていたか、それを示す手がかりは無いが、私が思うには、ブローウェルのこのライブ録音やジェイ・ベルリナーの録音での速度がベストなのではないかと思うのである。
彼らの演奏からは確かに「歌」がはっきりと伝わってくる。
調整と速度の選択は作曲にあたって重要な要素であるが、調性はギターの機能の都合上、イ調にせざるを得なかったにしても、ベストな調性はイ調よりも半音高い調性のように感じらえる。
ブローウェルとジェイ・ベルリナーの演奏での調整と速度の同調は偶然ではないような気がする。