緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

アンドレス・セゴビア作曲「Remembranza(リメンブランツァ)」を聴く

2018-11-18 21:21:28 | ギター
クラシックギターの巨匠、アンドレス・セゴビアは作曲もしており、数は多くはないが、中には印象に残る優れたものがある。
セゴビアの自作の中でも最も知られているのが、「毎日の練習曲」と名付けられた3曲のうちの2曲と「光のない練習曲」だ。

「毎日の練習曲」
1.Oracion(祈り)
2.Remembranza(回想)
3.Divertimento(嬉遊曲、2重奏)

私はこの中では「光のない練習曲」とともに「Remembranza(回想)」が好きだ。
「Remembranza(リメンブランツァ)」とは回想、追憶、思い出などを意味する。

この曲に初めて触れたのは、音楽之友社から出ていたセゴビア・クラシックアルバムで「光のない練習曲」を弾いていた頃だと思う。
この時は録音が無かったので、楽譜を頼りに弾いていた。
録音は後でクリストファー・パークニングのアルバム「A Tribute Segovia(セゴビアに捧げる)」で聴いた。



最初のロ短調の主題が何とも言えない素朴な美しさを持つ雰囲気に惹かれた。



次の部分は分かりにくい。



アルペジオのように弾いている奏者がいるが間違いだと思う。
ファ-ファ、ラーーラ、ソーファミレドシとメロディラインを浮き彫りにしなければならないと思う。

そしてこの曲で最も好きな部分が次のフレーズだ。







この部分が暗く、神秘的でリメンブランツァに相応しい曲想を醸し出している。
メロディラインはアポヤンドで浮き彫りにさせたい。

このあと第2の主題となる長調に転調するが、それまでの暗い雰囲気とは対照的に進行し、その対比がこの曲のいいところでもある。
長調の主題の後に、アクセントのあるやや激しいフレーズを繰り返し、最初の主題に戻って静かに曲は終わる。

この曲のテンポは♩=120でかなり速い。
この速度でこの曲を弾くのは結構難しい。
とくに左手は脱力し柔軟でなければ上手く弾けない。

セゴビアの自作で代表作である、「Oracion(祈り)」、「Remembranza(回想)」と「Estudio sin luz(光のない練習曲」)はどれも暗い独特の雰囲気を持つが、一見、華やかに見えたセゴビアの人生の中のある一面を表しているように感じる。

Youtubeで録音を探したがプロの演奏は意外に少ない。
アリリオ・ディアスとMatthew Andersonというギタリストの演奏が参考になる。

ndrés Segovia - Estudio Remembranza


Remembranza (Segovia) - Matthew Anderson, Guitar


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