緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

久しぶりの日本酒(5)

2018-01-14 21:31:12 | グルメ
日本酒のラベルを見ると、精米歩合60%とか書いてあるが、これは米がどのくらい削られているかを示す数値とのことらしい。
米は中心にいくほど雑味がなくなり香りが高くなるようだ。
大吟醸酒は50%以下、吟醸酒は60%以下という基準がある。
米を削る割合の高い大吟醸酒は飲んでみると果実酒のように甘く、またスッキリとした華やかな味のするものがあり、女性や外国人に好まれているようだ。
精米歩合65%とか70%の日本酒は純米でも値段の安い大衆酒が多い。
精米歩合が低くなるほど一般的に値段が高くなるが、味は銘柄によって様々だ。

純米吟醸酒でもアルコール臭が強くてがっかりするものもある。
しかしあまり甘い果実のような酒も最初はおいしいと思うが、そのうちもうたくさん、という気がしてくる。

今回出会った日本酒「辨天娘」という鳥取県の酒蔵の純米酒は、精米歩合が75%と高いが、おいしい酒だった。
精米歩合が75%というとスーパーなどに売っている日本酒の中でも最もランクの低い部類であるが、「辨天娘」は全く違う。
何故ならば、ラベルに酒米(さかまい)を「H27BY 若桜町産 五百万石100%」と明記してあるからだ。
さらにこの酒が大量生産されずに、生産量が少ないからでもある。
ラベルに記載される原材料名に、吟醸酒でも「国産米」と記載されるものがたくさんあるが、どんな米を使っているのか分からない。
この「辨天娘」は材料に自信を持っているのであろう。
精米歩合75%にしたのはコストとの兼ね合いではなく、あえて削りを少なくして、独自の味を出していると思われる。

実際に飲んでみると吟醸酒とは全く違う味わいで、深く様々な味がする。
後味も良く、意外に雑味を感じない。伝統的な日本酒らしい日本酒という感じだ。

日本酒の銘柄は無数にあるが、数値が良ければおいしい、というとらえ方は全く当てにならない。
また日本酒は大量生産するようになったら終わりだ。
越乃寒梅、八海山がそうだ。
この前、スーパーで八海山のワンカップが出ていたのを見て、もうこの銘柄はダメになったな、と思った。
今「獺祭」という山口県の酒が人気No.1だが、知れるようになってから大量生産するようになり、今ではコンビニでもスーパーでも手に入るようになった。
この酒も越乃寒梅、八海山と同じ運命を辿るようになるだろう。
お金儲けのために大量生産し、品質が落ちたらその銘柄に対するイメージはなかなか回復できないもの。
ギターだって、海外の有名な製作家がお金儲けのために日本のメーカーにOEMで作らせ、廉価版で販売したら、そのブランドに対するイメージが悪くなってしまったということがあった。

「辨天娘」はラベルのデザインがいい。
昔の日本酒はこのようなデザインが主流だったが、昨今は日本酒らしからぬ現代風のラベルが出回るようになった。
ギターのヘッドのデザインやラベルのデザインは意外にも製作家は一生変えない人が多い。
現代風の日本酒のラベルはちゃちで安易な感じだ。
やはり日本酒のびんに最も似合うのは昔からの伝統的なラベルのデザインしかない。





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