緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

NHK合唱コンクール(全国学校音楽コンクール Nコン)全国大会を聴いた

2011-10-10 01:34:25 | 合唱
こんばんは。
3連休の初日は休日なのに仕事に出なければなりませんでした。
この日は楽しみにしていたNHK合唱コンクール(全国学校音楽コンクール
Nコン)全国大会が放映されるのですが、見れなくなってしまいました。
そこでビデオをセットしました。
私のテレビはアナログなので、まずアナログテレビからビデオデッキに配線
する方法をヤマダ電機の店員に教えてもらい、当日の朝起きて直ぐに配線
をしました。チャンネルのセットに戸惑いましたが何とか録画出来ることが
確認、仕事に出かけました。
会社から帰ったのが夜9時すぎで、早速録画したビデオを再生してみました。
まず課題曲だけを全ての高校について聴いてみました。
そして繰り返し聴いてみました。結局その日に寝たのは夜中の3時です。

全国大会だけあってどの高校もレベルが高かったです。審査するのも難しか
ったのではと思うくらいだ。
しかし私が一番心に強く残った高校は、前回のブログでも書きましたが、
東京都代表の大妻中野高校です。すばらしい演奏です。感動しました。





この高校の演奏に初めて出合ったのはH17年度大会に出場した時のCD
の録音を聴いた時です。
初めはあまり注目していなかったのですが、何度も聴いていくうちに何故
かこの高校の演奏が心に残っていくことに気付きました。
H17年度の課題曲「風になりたい」の後半部分で「風のはたらきを心に
とめて、私にできる役割を担いたい」という部分があるのですが、その歌声
に何ともいえない優しさがにじみでているんです。
それから何度もこの演奏を聴くようになりました。
そして今年9月4日のNコン地区ブロック大会で大妻中野高校が金賞を取って
全国大会に出場することを知った時、驚くとともに嬉しくなりました。
早速Nコンライブで課題曲「僕が守る」を聴いてみましたが、すごくいい
演奏でした。聴いていて感情が湧き出てくるんですね。こういう演奏はなか
なかないです。聴き手の心を動かすというか。
10月8日の全国大会まで殆ど毎日聴いていました。
そして録画した全国大会の演奏を聴いて、かなり緊張しているものの力一杯
一生懸命歌う姿に打たれました。出場校の中で一番心に響いてきました。
一番気持ちが伝わってきました。
NHKのカメラももっと生徒一人ひとりの歌う姿をもっと映して欲しかった
ですね。

今回の全国大会を聴いて気付いたことがあるのですが、この大妻中野高校の
演奏スタイルと他の多くの高校、それも上位の賞を狙っている高校の演奏ス
タイルとの違いなのですが、大妻中野高校の演奏は歌声の裏にある演奏者の
気持ち、それは作曲や作詞した人の感じるメッセージや、そのメッセージに
内包する、どんな人でも共通して持つ根源的な感情に同化したものを表現し
ようとしていることが感じられるのに対し、上位の高校は声の均一性、透明度、
ハーモニーの美しさ、声量、声のずれの抑制といったものに重点を置いてい
ることです。
だから歌う生徒の声が全員同じに聞こえてくるのに私はむしろ違和感を感じ
てしまうのです。
40人の歌声が全て同じに揃い、ズレもなく、美しいハーモニーを奏でる、
こういう演奏はどうなんでしょう。
今回の大会を聴いていて審査での評価もこれらに重点を置いているのでは
ないかと思えてきました。
だから気持ちを込めると言っても結局は、声の均一性やハーモニーの美しさ
やパワーに重点を置いているのではないかと思う。
確かに美しいハーモニーによって歌われることにより感動する曲もあるが、
今回の課題曲「僕が守る」は、そういう性質の曲ではないと思う。
もっと演奏者一人ひとりの「僕が守る」力強い決意、深い優しさ、みんな
一緒だよ、といったものを感じさせて欲しかった。いってみれば美しく表現
する曲ではない。ハーモニーの美しさを超えるものがないと。
審査もここに力点を置いて欲しかった。
40人がもつそれらの気持ち、合唱を通してみんなで学んだもの、各自が
感じたいろんな思いや気持ちを、1つの目標のために統合して表現して欲しか
ったです。
そのような意味で大妻中野高校の演奏は、40人一人ひとりの気持ちが統合
され、表現されていたし、聴き手にもその強い気持ちを感じとることができた。
学校紹介で、歌は心と言っていたが、その気持ちを大切にして欲しい。
また、これからも聴き手の心を動かすような演奏を聴かせ続けて欲しい。
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