世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

一日/一生

2005年03月24日 00時13分18秒 | Weblog
午後から、冷たい雨が降る。
しとしと。
ぽたぽた。
久々に聞く本格的な雨音が、静かに耳を撫でる。


特記するような事項もなく、
2005年3月23日という名の今日が過ぎようとしている。


一日/一生(一生分の一日)

一日一日の積み重ねが一生。
そんなの当たり前ことだから、
目先に注力する事を優先させて
このことを忘れてしまう。

いや、無意識のうちに、真剣に意識することを避けているのかもしれない。

一生の終わりは「死」だから。

この一日一日の積み重ねの先には
底が見えない暗闇が潜んでいることを、薄々気づいている。
「死」を確実に意識して、日常生活を送るのはプレッシャーが圧し掛かり
自己破滅に追いやられてしまうだろう。
しかし、「いつか自分も死ぬんだ。」ということを己の潜在意識に埋め込む技術は
人間にしか持ち得ない。
その能力を、無駄にはしたくない。

過ぎ行く時間。
本当はもっと大切にしたい。
でも、根本的な方法が分からない。

このままの自分で死にたくないって思う。
「いつか…」「きっと…」が明日への言い訳。
でも、日常の光景を打破する勇気が無い。

一日の終り、布団の中で砂の音が聞こえる。
砂時計の砂が流れ落ちる音。
さらさら。さらさら。

将来や、自分自身への…ぼんやりとした不安、挫折、懐疑、焦り、苛立ち。
そんなモノ達と抱き合って眠りにつく夜。

さらさら。さらさら。
砂の落ちる速度。

昔より、速さを増していっている。

今日も、「2005年3月23日」と言う名の
一生分の一日が、
砂の音色と共に落ちていく。
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