世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

ずっと・・・ねぇ、君

2013年11月26日 23時58分32秒 | Weblog
心療内科デー。
待ち時間3時間。普通。
久々に嶽本野ばら先生の「カフェー小品集」を読む。もう何度読み返したか分からない。随所に散りばめられている「ねぇ、君」という問い掛けの対象になりつつ、頬を赤らめながら読む。

「青い屋根の人の家」がやはり一番好き。

「これまで、誰かと暮らしたいと思ったことなぞ、一瞬たりともありませんでした。それなのに僕は君と暮らしたいのです。初めて人と暮らしたい情動に駆られたというのに、僕と君は共に暮らすことが出来ない。逢うことさえ、代償なしに済まされぬ。嗚呼、人は好奇の眼差しで僕達を嗤うのでしょう。嗤われるのは構いません。ねぇ、君。僕達だって自分達のこんな境遇が、可笑しくてたまりませんものねぇ。最初から不可能な恋だと解っていたのに、こんなにもお互いを求めあってしまう結果になったことを、僕達自身が一番大嗤いしているのですものね。涙が出るくらいに嗤い転げているのですものね。涙が、出るくらいに……。」



ひたすらこの世界に溺れていたい。


その後、個人情報保護士の勉強もしたのたが、やっぱ難しい。まいっちんぐ。




さて、診察。
クマ医師、散髪したてみたいで、横の髪がすっきりしていた。カワユス。

「どうでしたか?最近」

「同僚と熱海に行きました。相当楽しくて、超リフレッシュできました」
と報告。
すげー勢いで電子カルテに書き込みをするクマ医師。
「この、歩く秘宝館め!」とか書いてない?大丈夫?


また、生理前は不眠やイライラがあったこと、仕事は自分のペースで落ち着いて進められていることを報告。

今日のクマ医師はとても熱かった。クールそうに見えて、実は彼は熱い人なのかもしれぬ。物静かなのだが、語ると一気に言葉が流れる。


日本は儒教的な思想が根底にあるので、先祖を尊ぶ文化が根強い。自己を犠牲にしても親孝行する、みたいな。そこら辺、欧米人には理解できないらしい。
また、個人主義の欧米人からすると、赤穂浪士とかアンビリーバボーらしい。
「切腹ですよ、切腹!」とクマ医師。
その様子が熱すぎて笑いそうになってしまった。
切腹…ギター侍とか?

そう言われてみれば、私の住む日常は、儒教的だったり赤穂浪士最高!という思想が確かに濃く存在している。

「会社のため、親のため、そういう概念は勿論否定はしないが、個人の生き方や考え方を束縛するのはイクナイのでは?」
とクマ医師は熱く語っていた。
バランスが大事とのこと。

「ですよねー」
と私。

しかし、頭で理解できていても心が追い付かない。
世間と生き方がずれている私は親不孝だという気持ちがたまに涌き出てきて私を疲弊させる。
そう思わない時もある。
揺らぎまくっている。

仕事ではそこら辺のバランスが取れてきている。世代交代により社内の雰囲気が変わったことが大きい。アメリカ帰りの社長になり、空気が変わった。


「あなたはよくやっていますよ」
とクマ医師。

「ビジネス文書検定や秘書検定、吉熊上司とうまくやってて、会長から仕事を指名されるようになった、…ここ3年ぐらいは自分でもよくやっている、と思います」
と、ボソボソ言う私。

「いや、ずっと」

「え?ずっとですか?」

「やってきましたよ。ずっと」

「そうですかねぇ」

「そうですよ」

という会話を展開。
俯いている私を観察し、私の次の言葉を待つ。
沈黙長すぎ。恥ずかしすぎて切腹したい。

まあね。通院前に比べたら飛躍的に自己評価も高めることができているし、感情に流されない考え方も構築できつつあるし。
ずっとできていたかはよく分からないけど。



ずっと。
ずっと支えてきてくれたのは、ねぇ、君。クマ医師なのですよ。
君のコーチングのお陰で、私はある程度、考え方をマネジメントできるようになったのです。
7年間の通院、人生の5分の1の月日は無駄じゃなかった。だから、ねぇ、君。…

…って「カフェー小品集」っぽい。




「じゃ、お薬は変えないで良いですね?」
とクマ医師。


処方変更なし
ゾルピデム酒石酸塩、防風通聖散、ラベプラゾール


2週間のお守り。

受付のお姉さんがいない隙に。
待合室のクマ先生と吉熊との2ショット★かわいい~。くまくま。





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