世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

名もなき交差点

2012年06月06日 23時15分02秒 | Weblog
図書館帰り。
喫茶店で夕御飯を食べていたら、目の前のレジに浴衣姿の太った人が立った。
よく見たらお相撲さん!
風呂敷を片手に、もう片方の手でジュースを持ち、ゆさゆさと近づいてきた。
で、私の隣に座った!
両国駅でお相撲さんとすれ違ったことはあるが、こんなに至近距離に長時間入るのは初めてだ。
鬢の甘い匂いが彼から漂ってきて興奮。思わず横目でガン見。

座るや否や、彼は煙草と携帯を取り出した。
大きな掌に包まれたそれらは小さく見える。
ぷっかーと煙を吐きながら携帯を見入る彼は、我々と同じ人類であった。

彼は私の前に席を立ったのだが、乱れた椅子を直さずに立ち去った。
減点!
大きな体だから乱れ方も豪快だったのだが、気にせずに、のっしのっしと去っていった。
彼が椅子を直す繊細さを見せてくれたら、私も相撲ファンになったのだが。


OLとお相撲さん。
何の接点もない職業の人たちが名もなき交差点ですれ違う。
そんな場所で私は生きている。


菊地直子のこと

2012年06月06日 23時06分13秒 | Weblog
17年間の逃亡の末、オウムの一連の事件に関与していた菊地直子が逮捕された。
彼女は男と事実婚をしていたらしい。
男からプロポーズされたが本当のことを話して断った。
男はそれでも6年間、彼女を匿った。

菊地直子は罪を犯した許されない人物である。
そんな彼女を匿うことも罪になるということを知っていながら、彼は菊地直子を捨てられなかった。

「被害者のことも考えろよ!!まずは謝罪だろ!!」と思う一方で、でもやっぱり彼らを切なく思う自分もいる。
ちんけな言葉は使いたくないが、二人の間には愛があったのだろう。
罪深く儚いものだと知ってても、道徳も理性もなし崩しにしてしまう…愛。
明日この幸せが終焉するかもしれないと恐怖に怯えながら、身を寄せ合う二人。

もしも二人がオウムの事件とは無関係なところで結ばれていたのなら…と、つい考えてしまう。
そういう意味で、加害者である彼女もまたオウムに人生を狂わされた被害者なのかもしれない。


この曲が脳裏に蘇る。

沢田研二 時の過ぎ行くままに
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