笑っちゃう

「じゃあお茶、頼もうかな」
と、吉熊上司に依頼された。
来客時、お茶を淹れるのは後輩女子Cちゃんの役目だが、彼女は今人事部へ奉公に出されている。
なので私に回ってきた。

「鼻くそ、入れるなよ」
と、吉熊上司。
彼は極度の潔癖性だ。
私が鼻くそなどの汚物をお茶に盛ることを危惧しているのだ。

「マスクして、手を洗ってから淹れてよ」
と冗談とも本気ともつかぬようなことを笑いながら言う。
「お客さんのお茶と自分のお茶を飲む前に交換しようかな」
とも。


客来社。某証券会社の支店長だ。
不安そうな顔をして客と役員応接室に入っていく吉熊上司。

私は給湯室へ。
吉熊上司は濃いお茶が好きだ。まるでマリモがいそうなぐらいの濃いお茶を淹れる。

トントン。
ノックして入室。

この時点で先程のやり取りが走馬灯のように蘇って、思わず唇がぷるぷると震えてしまう。
鼻くそが脳裏によぎる。
お茶を乗せている盆も震える。
落ち着け、落ち着くんだ、自分。

てか！吉熊上司も笑ってるじゃん！

我が妹はmixiのコミュニティで「笑っちゃダメな時に笑っちゃう」というものに参加している。
ああ、今、そのシチュエーション真っ只中にいるよ。笑っちゃうよー！鼻くそ。

胃腸が捻れるぐらいお腹に力を入れて笑いを制してみたり、自分の中で起きた様々な悲しい出来事を回想しながら客と吉熊上司の前にお茶を置く。でも無理。滔々と湧き出てくる笑いで指も茶托も震える。

お客さんは株について語っているが、我々を見て少し不思議そうな面持ちであった。

「ぷ！…んんっ」
吹き出してしまい、急いで咳にカモフラージュしてみる。
吉熊上司の横顔も笑いを圧し殺そうとぷるぷる震えている。

客が帰った後、吉熊上司に謝罪した。

しかし自分も笑ってしまったがゆえ、強く私を怒れなくてもどかしそうであった。
聞けば客も私たち二人を見て笑っていたそうだ。

笑いをこらえるって難しい。
あのコミュニティに入ろうかな…。




追伸
前、ネットで発見した記事。

笑いは伝染する！？ドイツの地下鉄内で次々つながる笑いの連鎖
ドイツの地下鉄車内で一人の女性が携帯電話を見ながらクスクス笑っています。
たまにこういう人、見かけますよね。
でもその笑いが抑えきれず声に出して笑い始めます。
すると目の前の別の人がその様子を面白がって笑い始め、今度は別の人が…
そうして車内が奇妙だけど和やかな笑いの渦に包まれます。

Lachen in der U-Bahn - www.lachen-verbindet.de

手作りケーキ

他の建物にぷらぷらと書類を渡しに行くので、掃除のおばちゃんたちにはよく遭遇する。そのなかの一人に凄く好かれている私。なんでも彼女には私と同じぐらいの娘（独身）がいるので、私を見るとつい娘に重ねてしまうらしい。私を見かけるとちょこちょこと近寄ってくる。そして「今日はおねーさんと会えてラッキー」とか呟くんである。照れてしまう。

いつも顔を剃ってくれる理髪師のマリコさんもそうだが、私はおばちゃんウケがとても良い。中年女性を骨抜きにする要素がどうやら私にはあるらしい。

今日はそんな彼女からバレンタインのチョコケーキをいただいた。
「おねえさんに是非食べてもらいたくて！」
と。


2切いただき、あとは喫煙所仲間と分けあった。
味は素人が作ったとは思えないレベルだった。
喫煙所仲間も「美味しい！」と絶賛。
こんなに美味しいお菓子を常食できるだなんて。
彼女の娘が羨ましくなった。

実家の母ヨーコたんも一時期、よくケーキを焼いてくれた。
レピシなしで見よう見まねで作ってくれたケーキは、見てくれは悪かったが素朴な味がした。

小学校5年生の時は、担任の方針で毎日日記をつけることが義務付けられていた。
母とケーキ作りをしたことを嬉々として日記に記したのだが、「スポンジケーキ」を「スッポンジケーキ」と書いて「違うよ～」とクラス全員の前で担任に指摘された。クラスでも目立たない私に45人分の失笑が注がれた瞬間。

手作りケーキを目の前にすると必ず思い出す光景である。

舞いあがれ はやぶさ

2010年の夏、私を魅了したはやぶさの地球帰還。
あれから、カプセルを観に行ったり、川口先生の講演会を聞きに行ったり、はやぶさ関連の映画を観たり、はやぶさ関連の本を読んだり…etc。
ついにカラオケまで♪

「はやぶさ」（キセノンP　SHO）がカラオケで歌えると知り、歌えるカラオケの機種及びその機種がある店を調べて会社帰りに寄った。

もう何度もネットの動画で聴きまくっている神曲。
歌っていて気持ち良かった。
で、歌いながら泣いたのはココだけの秘密。


キセノンP（SHO）さんの歌声。
格好良い！！！

【自分で】はやぶさ【歌ってみた】



Fly awayで昇天。
3回歌って満足。