世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

北京故宮博物院200選

2012年01月09日 22時03分00秒 | Weblog
北京には11年前に行った。そのとき、故宮博物院に行き、膨大なお宝を見た。
あの博物館の品々が東京にやってくるというではないか。
しかも「清明上河図」なんて、中国が海外に出したことがない門外不出の名品である。
これは行くしかねぇべ。…という想いで訪れた。






すっごい混みよう…。
平成館に入場するのに1時間並び、館内で「清明上河図」を見る為に更に80分並ばされるんである。

最初のコーナーは、書物ばかりで、正直つまらなかった。


「水村図巻」

この絵巻の絵のあとに、漢文がつらつらと書かれているのだが、それは絵を描いた人の友人たちの感想らしい。今で言う、FaceBookの「いいね!」やツイッターのフォローみたいなもんだろうか。


一番感動したのは「孔雀翎地真珠珊瑚雲龍文刺繡袍」
孔雀の羽を織り込み、真珠や珊瑚をビーズにして縫い込んだ龍袍。
孔雀の羽根の何とも言えない色合いが、本当に素晴らしかった。
ずっしりとして重そう!!



「梔子堆朱盆」
重ね塗った漆に彫刻を施したもの。
ぷっくりとした質感が触らなくとも手に伝わってきそうだった。



「乾隆帝是一是二図軸」
乾隆帝が自らと、その愛した文物を描かせたもの。
特製の「彩漆円卓」や「玉璧」、「湯叔盤」「癸觚」等の古器物が描かれている。
これらの一部は現在も故宮博物院に残されており、隣のコーナーではそれらを集め、是一是二図の部屋が再現されていた。
絵の中に出てきた古器物の実物が実際に見られるだなんて、なんて贅沢な展覧会なのだろう。



「青花龍濤文八角瓶」
コバルトの青が素晴らしい。




ここで一時退館。
喫煙所で煙草を吸い溜めし、再び館内へ。

覚悟を決めて、「清明上河図」の列に並ぶ。
この時間で80分待ち。
時間帯によっては180分待ちにもなるらしい。
どんだけ人気なんだ?
北京の人もなかなかお目にかかれない上、この「北京故宮博物院200選」のためにわざわざ来日する中国人もいるという。
上海でこの絵が展示されたときは8時間待ちだったとか。


80分後…。
フラフラになりながら、やっと対面する。
「歩きながら見てください」
「前の方との間隔を開けずにお進みください」
と、係員にしつこく言われながらの見物。

橋の部分だけは、超しっかり見た。
虹橋を船が潜り抜ける時の絵。
マストを下げる船だが、その距離ではまずいんじゃね?
橋の上の観衆の高揚っぷりをしっかりとこの目で捉えられた。




庶民の暮らしっぷりの部分は、さらっと見ただけ。
でも、満足。
ルーベンス「キリストの昇架」を見たあとの、フランダースの犬のネロのように昇天しそう。
「僕、見たんだね…パトラッシュ…」


この展覧会。
脳内ではずっと「ラストエンペラー」が流れていた。
The Last Emperor OST - 09 The Last Emperor (Theme)



ミュージアムショップで買い物をしたあと、外に出ると、夕暮れだった。
朝一番から夕方まで、じっくりと東博を堪能できた。


東洋館と本館の間から、にょきっと出ていたスカイツリー。



さて、明日からまた仕事だ~!
二日間、遊びまくったので、すっかりリフレッシュできたど~!

コメント (3)

博物館に初もうで

2012年01月09日 20時59分34秒 | Weblog
東京国立博物館へ。

平成館の前の池を取り囲むようにして特別展「北京故宮博物院展」を待つ人々の列!
…まずは、本館を見ることにした。






入口のロウバイが甘い香りを放っていた。




東博のお宝が一気に見られるというこの企画。
「東京国立博物館140周年 特別公開」


「秋冬山水図」(雪舟)
教科書でおなじみだったあの作品!
小さくて地味なんだけど、奥行きのある広さを感じさせる。



「古今和歌集」
きみかため はるののいいてて わかなつむ…の部分を確認できた。
超感動。
→君がため春の野にいでて若菜つむわが衣手に雪は降りつつ
上質な紙にもうっとり。




「風神雷神図屏風」(尾形光琳)
風邪引いてまんねん!!






「長恨歌図屏風」(作者不詳)


こういう屏風って、隅々まで観ると本当に面白い。
人間模様とか妄想してしまう。

リア充。


女の世界。



「寝着」(江戸時代)
良く見ると、鶴の頭、首の部分に絞りの技法が使われている。
贅沢なパジャマである。



「十組盤のうち鷹狩香」
江戸時代のボードゲームといったところだろうか。



「源氏絵彩色貝桶」
合貝に用いる貝を収める箱。



「龍虎図屏風」(俵屋宗雲)



「能面泥眼」
こわいよ~!デジカメが顔認識するぐらいリアル。鬼女。



江戸時代の簪。





江戸時代の香炉。
優雅。



ふくさ。
畳半畳ぐらいの大きさ。豪華。



「冨嶽三十六景 凱風快晴」(葛飾北斎)
凱風とは、南からやわらかに吹く穏やかな風のこと。富士山が朝日に染まる様子。
おめでたい感じ。



「切符」(豊臣秀吉)
秀吉直筆の約束手形。



「賢愚経断簡」(聖武天皇)
仏教的な立場からみた賢者、愚者の寓話を収めた経典。
なんて綺麗な筆跡なのだろう。



「老猿」(高村光雲)
猿の指の関節に目が釘付け。あと、毛並みの精緻っぷちといったら。ため息もの。今にも動き出しそう。



続いて「天翔ける龍」のコーナーへ。
今年は辰年。
龍というモチーフで繋がったジャンルや時代の異なる77の作品。

「見立半托迦(龍を出す美人) 」(鈴木春信)
神通力。瓶から龍がこんにちは!



「和漢三才図巻 45.46」(寺島良安)


右側の龍、リンロンちゃん。超カワユス。思わずニヤニヤしてしまう。



「龍図屏風」(曽我直庵)
怖いんだけど、どこか飄々として愛らしい龍。



「自在置物 龍」(明珍宗察)




本館だけでも、見ごたえ十分。
お腹いっぱい。
とは言いつつ、やはり腹時計は素直で、先程からきゅるるる~と物悲しい音を発する。
美術鑑賞って、けっこう体力を使うのかもしれない…。

法隆寺宝物館1階にあるホテルオークラ ガーデンテラスでお昼ごはんにしよう。

魚のランチ。
薄い味なのに、上品な旨みがある鱈のスープ。
あまりの美味しさに、吉熊、絶叫。


デザートとコーヒー。



コメント (2)